第3巻 寄り道編4、カノンの拘り
第3巻 寄り道編4、カノンの拘り
未来世界の軌道ステーション「スターライト・ガーデン」。
植物と光が織りなす幻想的な会場は、カノン・マエダの「完璧な結婚式プロジェクト」の舞台として選ばれた。
カノン、25歳。凡ゆる弦楽器の天才であり、計画性と美学の鬼。
彼女の今回の野望は、**「写真だけの結婚式を10回開催し、完璧なデジタルスクラップブックで永遠に残す」**ことだった。
1回目の撮影:銀河蘭の庭園
ケイティは、カノンの指示で紫陽花ブローチ付きのタキシードを着せられ、銀河蘭が咲き乱れる庭でポーズを取る。
「カノン、なんで10回も写真撮るんだ? 一回でいいだろ?」
ケイティが困惑顔で言うと、カノンはバイオリンの弓を手にニヤリとほくそ笑む。
「ケイティ、完璧な瞬間はね、10の角度、10の光、10の感情で切り取るのよ。私のスクラップブックは、銀河一のアートになるんだから!」
フェイ太郎が小さな蝶ネクタイを揺らしながら横で突っ込む。
「カノン、やりすぎじゃない? ケイティ、植物の世話サボってフラフラだよ!」
ハチ公も「ワフ!」と同意の吠え声。だが、カノンは意に介さず、ホログラムカメラを操作し続ける。
「はい、次! 光の角度、3度右! ケイティ、もっと情熱的な目で!」
3回目の撮影:無重力オーロラ空間
会場が無重力ゾーンに切り替わり、ケイティとカノンがふわふわ浮かぶ。
カノンのドレスは星屑のような光を反射し、ケイティのタキシードは植物の葉脈を模したLEDで輝く。
「これぞ私のビジョン! 無重力の愛、デジタルに刻むわ!」
カノンのほくそ笑みが止まらない。ケイティは「…俺の盆栽が恋しい…」と呟きながら、必死でポーズを決める。
オリバー一家も招待され、撮影を見守る。
ノアはふわふわ浮かぶカノンのドレスに目を奪われ、「…キラキラ…寝るの我慢しよ…」と呟く。
ミレーユはタブレットで撮影ログを分析し、「カノンちゃんのデータ、完璧主義の数値が異常値だよ…」と冷静にコメント。
ユリウスとネロは「次は俺たちも浮きたい!」と騒ぎ、オリバーが「落ち着け! 撮影の邪魔すんな!」と慌てて抑える。
5回目の撮影: 和の空間
未来世界の軌道ステーション「スターライト・ガーデン」に、和の風が吹き込んだ。カノン・マエダの10回写真婚の5回目は、伝統的な和装をテーマに。彼女は色鮮やかな着物に花の髪飾りを付け、背景に赤と紫の傘が舞うセットで優雅に立つ。ケイティは植物モチーフの赤い着物に黒い内着を重ね、戸惑いながらもポーズを決める。「カノン、これで何回目だ? 俺、盆栽の世話が…」と呟くが、カノンはバイオリンを手にニヤリ。「和の美は完璧に記録するのよ!」と、ホログラムカメラを調整。フェイ太郎は小さな和傘を持ち、ハチ公が鈴を鳴らして脇を固める。
オリバー一家も見守る。ミレーユは「カノンちゃんのデータ、和のバランスが秀逸」と分析、ノアは「…傘の色、寝るのにいいね…」とぼやく。撮影後、カノンはデジタルスクラップブックをチェックし、満足げにほくそ笑む。「これで和の愛も永遠よ。次は宇宙舞踊ね、ケイティ!」ケイティは「…盆栽、助けてくれ…」と頭を抱え、会場は笑いに包まれた。
7回目の撮影:古代遺跡風セット
カノンは「歴史と愛の融合」をテーマに、古代バビロン風のセットで撮影を強行。
ケイティは石柱の前で、まるで神話の英雄のようなポーズを要求される。
「カノン、俺、植物学者であって戦士じゃないんだけど…!」
「いいから! あなたは私の永遠のミューズよ!」
カノンのバイオリンが一音鳴るたび、セットのホログラムが動き出し、砂嵐が舞う演出が加わる。
フェイ太郎がリングボックスを運ぶドローンを操りながら、「カノン、やりすぎ! ケイティ、倒れる前に水やりしないと!」と叫ぶ。
ハチ公は「ワン!」と応援(?)しつつ、砂嵐で砂まみれになりながらも忠実にリングをガード。
10回目の撮影:星空の誓い
最後の撮影は、軌道ステーションの天窓下。
人工の星空が広がり、カノンのバイオリンが奏でるメロディに合わせて、星々が光のダンスを踊る。
ケイティはついに慣れたのか、満面の笑みでカノンの手を握る。
「カノン、10回もやったけど…君の笑顔が、俺の全部だよ」
カノンは一瞬照れ、すぐにいつものほくそ笑みに戻る。
「ふふ、完璧。私のスクラップブック、銀河一の愛の記録になるわ!」
デジタルスクラップブックの完成形は、10のシーンを360度ホログラムで再現可能。
カノンはタブレットを手に、満足げにデータをチェック。
「これで、私たちの愛は永遠よ。…次のコンサートで、プロジェクション上映しちゃおうかしら?」
ケイティは「え、公開!? 俺の盆栽と静かに暮らしたいんだけど…!」と焦るが、会場は拍手と笑いに包まれた。
オリバー一家の反応
オリバーは撮影のドタバタを見ながら、「…カノン、町田のデータゴーストより怖えよ…」と呟く。
ラファエラは笑いながら、「でも、ケイティが幸せそうだから、まぁいいんじゃない?」とフォロー。
ミレーユは「カノンちゃんのデータ整理、参考にしたい」とメモを取り、ノアは「…星の光、寝るのにいい…」とまたうとうと。
ユリウスとネロは「次は俺たちがヒーロー撮影する!」と勝手に次の計画を立て始める。
フェイ太郎とハチ公は、撮影終了後、ケイティの足元でくつろぎながら、「やっと終わった…ケイティ、盆栽に謝りに行こうぜ」と提案。
ハチ公の「ワフ!」に、ケイティは「そうだな、植物たちに水やりしないと…」と笑った。
カノンとケイティは着物を3回着替えた。プロジェクションマッピングを使ったロケーション撮影も総じて、宇宙船に居るのに日本の神社仏閣で写しているように撮れた。
全部の撮影に2人は3日掛けた。ケイティとラファエラの両親も仕事を休んで遠くから来てくれて、最初は目を潤ませていたが。最後の頃は呆れ果てていた。カノンの両親はすみません、すみませんと、参列客に頭を下げていた。
結婚式は三日間盛大に執り行われた。マハラジャは途中で帰ったが、俺の結婚式より凄いなぁとか呟いていた。料理も和食、洋食、中華のブッフェが毎日食べ放題でデザートも、料理人も日本式料理人ロボットだった。
エピローグの締め
カノンのデジタルスクラップブックは、銀河系のSNSでバズり、ケイティの植物研究にもスポットライトが当たることに。
カノンは「次は100回撮影のアニバーサリープロジェクトね!」と早くも次の野望を語り、ケイティは「…盆栽、助けて…」と頭を抱える。
オリバーはその光景を見て、家族と一緒に笑いながら呟いた。
「やっぱり、家族が増えるって、事件が増えるってことだな…」
空は、相変わらず青く輝いていた。
撮影が終わり、会場が静寂に包まれたとき、ケイティはようやく一息ついた。カノンはデジタルスクラップブックを満足げにチェックし、「次は宇宙舞踊ね!」とほくそ笑む。ケイティは「…盆栽、助けてくれ…」と呟くが、その瞬間、北アメリカのケイティのgifted学園にある温室では、留守番していた鷲型ロボットグラフィティアがタッチパネルをピコピコ操作しながら盆栽に水をやり始めた。羽根から細やかな霧が舞い、植物が生き返るようだ。
フェイ太郎が「グラフィティア、やりすぎ! ケイティの盆栽、溺れるぞ!」と慌て、ハチ公が「ワフ!」と飛び跳ねて応援。だが、グラフィティアは無表情で「最適湿度99%達成」と報告。オリバーが苦笑いし、「…AIにまで完璧主義が感染したか」と呟く。ラファエラは「ケイティ、休んで。ロボットに任せなさい」と笑う。会場は再び笑いに包まれ、盆栽も温室の植物もピカピカに輝いた。
4巻に続く




