表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パンダの小説 オリバージョーンズの冒険  作者: 天才パンダ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/85

第12章「時を越えて、ラファエラ」

第12章「時を越えて、ラファエラ」


(オリバー・ジョーンズの回想録より)


gifted学園の夕暮れは、妙に静かだった。


ラファエラが――クリスタルゲートの暴走とともに姿を消してから、あの学園はどこか色を失ったような感覚に包まれていた。


制御実験の失敗。

いや、“一時的な転送エラー”というのが教師たちの公式な説明だった。

でも、それを真に受けていた生徒は一人もいなかった。


みんな、バード邸の庭からその瞬間を目撃していたからだ。

まるで光そのものに飲まれるように、ラファエラの姿が掻き消えていくのを。


──“まさか、過去に?”


誰かがそう呟いていた。

エミールは、その日から空を見上げる癖がついた。

彼の心に芽生えたものが“焦燥”だと気づいたのは、ずっと後のことだ。


──


そして、彼女は2022年の海辺にいた。


聖トスゴーン近海の未開発エリア。

古びた岩礁と砂浜。誰も足を踏み入れぬ小さな入り江で、ラファエラは目を覚ました。


「……ぅ……ん……ここは……?」


制服は破れ、髪は海水で濡れて額に張り付いていた。睡眠銃は彼女の腰に巻いたポーチに入っていた。

薄く開いた目の奥にあったのは、茫然とした“現在”の欠如。


その足元を、奇妙な生き物が横切った。

双頭の蛇だった。


しかも、その背には金属のような発信機が埋め込まれていた。


「……居た居た。やっぱり、発信機埋めといて正解だったな」


その声に反応して現れたのは、赤いトレンチコートを翻し、風に栗色の髪をなびかせた中年の男。

考古学者――バーミリオン・ジョーンズ。


「こんな所に居たのか、俺の蛇。まさか、女の子を先に見つけるとはな……」


彼はラファエラに歩み寄り、その顔を覗き込んだ。


「お嬢さん、目を覚ましな。……時代を越えて来たみたいだな。名前は?」


「……ラファエラ。……ラファエラ・バード」


「なるほど。“ラス”か。噂の名前だな。面白くなってきた。俺の名前はバーミリオン・ジョーンズ。あの有名な考古学者インディアナ・ジョーンズの子孫さ」


「バーミリオン・ジョーンズ。オリバーのお爺ちゃんね」


彼女の“新たな冒険”は、そこで始まった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ