表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/1

The Brave Party

オタクの聖地 秋葉原。そんな街で


「相棒様のご帰還です」

「お帰りなさい」

賑やか店内には勇者の姿をした女の子、女の子に会いに来た相棒様、


俺、大城雄大がオタクの聖地秋葉原でコンセプトカフェの経営を始めてもうすぐ1年が経つ。


勇者がコンセプトのコンセプトカフェ「The Brave Party」

世間一般的に言うコンカフェ。


オープン当初こそお客さんの数は少なかったが、路上でのビラ配りや配信活動の成果もあり今では満席になるほどの人気店へと成長させることが出来た。


そもそも俺が秋葉原で勇者がコンセプトのコンカフェをオープンしようと思ったきっかけ、それは子どもの頃に観ていたアニメの影響が大きい。


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


「雄大アニメばかり見てないで勉強しなさい!!」

「分かっているよ、母さん。けど今、勇者アリアと魔人ベルのバトルシーンだから。」

「全く。テストで悪い点とっても知らないからね」


小学生の頃に観たアニメ「僕とアリアの冒険譚」

小学生の頃にアニメ化され、その後も映画や続編シリーズが制作された人気アニメ。


俺はヒロインで主人公の相棒である勇者アリアに夢中になった。常に仲間を思う優しい心と悪を憎む姿、俺は今までアリア以上の女性に出会ったことがない。


そんなアリア一筋のおれがコンカフェを知ったのは路上でビラ配りをしている女の子に声をかけられた時。

「お兄さんコンカフェはどうですか?一緒に妖精の世界に来ませんか~?」

「えっ、あっ僕はアリアの」

オタクらしくというのだろうか会話が慣れていない俺は案の定コミュ障を発動してしまったが視界の片隅に写った女の子が着ている衣装に今まで感じたことのない衝撃を受けた。お店のコンセプトに沿ったデザインされた衣装。それを着る女の子はアニメの世界から飛び出してきたキャラクターのようだった。

「あの妖精さん。その衣装を良く見せてもらっても良いですか?あとそもそもなぜ妖精になろうと~」「ここでは他の人の邪魔ですね。ならあそこのファミレスとか~」

「えっ、キモッ」

そんな今思い返すとトラウマになりそうな出来事だが、このコンカフェとの出会いで俺は一つの野望を抱く。


「アリアのコンカフェを作ろう」

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


野望をいだいた俺はすぐにコンセプトカフェのスタッフとして働き始めた。

そして1年前から働いていたコンセプトカフェのグループ店としてコンカフェを作ることになり俺が店長兼オーナーを任せてもらうことになった。


そうしてオープンしたのが「The Brave Party」になる。


時刻は25時30分

「店長お疲れでした」


25時の営業終了後女の子達は勇者の姿から現実世界の一人の女の子の姿に戻り帰っていく。


そして俺はいつも通り当日の店売りの計算を始める。


そう思った時だった。


キキー

当然の出来事だった。外で大きなブレーキ音がしたと思うと。数秒後には鈍い音と人の悲鳴が聞こえる。

事故?

こういう時に野次馬するのは良くないとは思うが見に行きたくなるのが人間。俺は上着を着て外の様子を見に行こうと店の扉を開けようとしたとき、

ドンドン

ドンドン

店のドアを叩く音が聞こえる。

事故があったから?面倒くさいこういう時は無視!!と思ったが

ドンドン

ドンドン


「無視していたらドアが壊される!!」

不審に思いながらも俺はドアを開けた。

「すみません、営業時間は終了していまして、えっ」


そこに立っていたのは綺麗な顔立ちの女性。普通なら何も違和感を抱くことはないだろう。

「ここがこの町のギルドか?おい、聞いているか?ここがこの」


俺は目の前の光景に目を疑った。本来ならただ女性が訪ねてきたにすぎないかもしれないが今回は違う。

「あの、あなたは?」

俺は現実を受け入れるためと言っては変だが目の前の女性に尋ねた。

「失礼。名前を名乗っていなかったな。私は北の国キャレストのアリア・フォレストだ」


そう、目の前にいたのは勇者アリアだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ