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手毬

作者: 天川裕司

初めまして、天川裕司です。

ここではシリーズでやってます『夢時代』と『思記』の原稿を投稿して居ります。

また、YouTubeドラマ用に仕上げたシナリオ等も別枠で投稿して行きます。

どうぞよろしくお願い致します。

少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。

サクッと読める幻想小説です(^^♪

お暇な時にでもぜひどうぞ♬


【アメーバブログ】

https://blog.ameba.jp/ucs/top.do


【男山教会ホームページ】

https://otokoyamakyoukai.jimdofree.com/


【YouTube】(不思議のパルプンテ)

https://www.youtube.com/@user-vh3fk4nl7i/videos


【ノート】

https://note.com/unique_panda3782



【YouTubeドラマにつきまして】

無課金でやっておりますので、これで精一杯…と言うところもあり、

お見苦しい点はすみません。 なので音声も無しです(BGMのみ)。

基本的に【ライトノベル感覚のイメージストーリー】です。

創造力・空想力・独創力を思いっきり働かせて見て頂けると嬉しいです(^^♪

出来れば心の声で聴いて頂けると幸いです♬

でもこの条件から出来るだけ面白く工夫してみようと思ってますので、

どうぞよろしくお願いします(^^♪




タイトル:手毬


レジャーで、少し古風な街に来ていた。


京の都と言えばもう

1230年ほど前の古都の響きに重なるが、

それでもそう言う景観が好きだった俺は

やっぱりそちらに足を向け、日々の疲れを癒そうと

束の間の愉しみに浸っていたのだ。


太秦映画村と言う所で時代劇の実演を

パフォーマンスふうにしており、

それを楽しんで見た後、次に大原三千院、

落柿舎、嵐山、嵯峨野に奥嵯峨、

そして少し足を延ばして貴船神社や

紅葉の綺麗な高雄山、いろんな所を巡り歩いた。


「はぁ〜ほんとに心が洗われるなぁ。こんな綺麗な景色見たのホント久しぶりだ♪」


綺麗な景色の上に落ち着く雰囲気が漂い、

たぶんこれが京都を訪れようとする人の

1つの大きな愉しみ、日常の疲れを忘れて

少し時代錯誤した感じで

その空間に浸り続けると言う、

タイムスリップ感の嬉しさを与えてくれるのだ。


そしていろいろ見て歩き、

宿へ戻ろうとした時のこと。


コツン、コツン、とどこかから音がしてきた。

「ん、なんだろ?」と思いながらも

その音のする方へなんとなく歩いて行く。


そこも少し歴史的な雰囲気のある垣根連なりの道で、

民家やお店が少し並んでいたが

みんな一応閉まっており、

少し場末感の漂う佇まいは

なんとなく寂しさを催してくる。


その道を少し行った所に曲がり角があり、

その曲がり角の向こうから

その音が聞こえてくるようだった。


コツン、コツン、コツン。

「……なんか突いてるのかな」

歩きながら耳をすまして聞くと、

なんとなくボールを突いてるような音?

…そんな音に聞こえてきて、

少し薄暗くなった風情が

またその音を一段と際立たせ、

耳のすぐ近くでその音が鳴ってるようにも思える。


ますます興味を惹かれ、

少し足早に角までたどり着く。

そして見てみると、

少し向こうに着物を着た女の子がおり、

その子が向こうを向いて

何かボールを突いてるようだった。


「あ、なるほど。手毬か」


さすがは京と言ったところ。

この雰囲気にまるで添えられたようにある

その女の子の絵は、

おそらく手毬を突いてるその音と一緒に

京の雅を体現してくれてるかのように思えた。


実は俺の仕事はジャーナリスト。

ここ京に来たのもその仕事の一環で、

適当に各地を巡り歩き取材をし、

体験したことをそのまま記事にする。

といった企画で今回、半ば自発的にやって来たのだ。


そこへ来ると、あの子の存在はまさにその取材対象。

写真でも1枚2枚撮らせてもらい、

記事の添え物にしてみようと俺は試みた。


「よし、行ってみるか」

と歩き出した時、少し不思議に思う。


辺りはもう薄暗い。

女の子が1人であんなところで遊んでる?

と思うと、周りに誰か居ても

良さそうなものなのに誰も居ない…

このことが少し疑問になった。


写真を撮らせてもらうのにご両親が居れば

その両親の許可を得ようとしたところ

そんな気持ちになってしまい、

その子の周りを少しチラチラと見ていた。


でもやっぱり誰も居ないので仕方なく歩いて行き、

どこか近くに親御さんは

ちゃんと居るんだろうと俺は勝手に思い、

とりあえずその子に取材してみようとした。


そしてその子のすぐ近くまで行き、

背後から横に回って面と向かおうとした時の事。


「えっ…?!」

きれいな色をしてるんだろう

と思ったその手毬はまず黒かった。

そしてふさふさとした

毛のようなものが付いており、

「何を突いてるんだ?」

と一瞬ながら当然疑問に思う。


そして女の子より

まずその手毬をよく見て確認した時…


「う…うわあぁあ!!」

俺は速攻で後ずさり、一目散に逃げてしまった。


その子の顔を確認しなかった俺は、

結局そのあとになってもその子の顔がわからず、

あれからずっとそこへは行ってないので

思い出すことができない。


ただ、この記憶だけはある。

あの手毬はおそらく人の顔だった。


でもその前後の記憶が全くなくて、

誰がそれを突いていたのかも俺はわからず、

それを記事にする事は結局できなかった。

写真も当然撮らずに帰ったので証拠の品も無い。


そして地図で確認してみたのだが、

俺があの時歩いた道は結局よくわからない。

どこを歩いていたのか、わからないんだ。


(雑誌社のデスクで頬杖つきながら)


そして俺は疑問に思う。

これは今でも思っていること。


「…なぜ俺は、人の顔をした手毬を突く女の子の事を、ずっと思い続けてるんだろ…」



(※)これまでにアップしてきた作品の内から私的コレクションを再アップ!

お時間があるとき、気が向いたときにご覧ください^^


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=8m9d2uDoGW4

少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。

サクッと読める幻想小説です(^^♪

お暇な時にでもぜひどうぞ♬

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