IF【碧人side】結婚式5
キスをした瞬間、
一瞬招待客からびっくりしたような声が聞こえたが、すぐに拍手と歓声に変わった。
拍手と歓声を聞いて、自分が正気に戻った。
自分の気持ちばかりで、
美姫のことを考えられていなかった。
おそるおそる美姫を見ると、顔が真っ赤になっていたが、
嫌がっている顔はしていなく安心した。
「2人はただの政略結婚だと思ってたけど、
お互い好きだったんだね」
「すごくお似合い」
招待客からそのような声が聞こえてきて、
美姫には悪かったが嬉しかった。
結婚式、披露宴と順調に進み、
招待客への挨拶もほとんど終わり、
フリータイムのような時間になった。
「すみません、
ちょっと翔が酔ってそうなので、席に行ってきますね」
伊集院の方をみると、
かなり酔っていそうで、聖女の柏原の肩を借りているような状態だった。
「俺も行くよ」
美姫は少し驚いていたが、嫌がりはしなかったので、付いていった。
「翔!飲み過ぎだよ」
「おー!美姫と西園寺!結婚式最高だったぞ!特に誓いのキスが」
ー悪酔いしているようだ。
キスについて美姫の前で触れたくなかったので、話を変えた。
「かなり酔っているようだな。
柏原が重そうにしているが。」
「あー、さつきちゃんごめんね。」
柏原から離れて、
ふらつきながらもニヤニヤしながら言ってきた。
「それにしても、唇にキスをするとは思わなかったぞ。いつの間にそんな仲になったんだ?」
「伊集院に関係ないだろう」
無意識に声が低くなってしまう。
イライラしてしまう。
伊集院はニヤニヤしながら、
美姫に「良かったな」と言いながら、頭をポンポンしていた。
美姫が顔を赤らめているのを見て我慢できなくなり、「行こう」と言って、
美姫の手を引っ張って、その場から離れた。
「碧人様?」
美姫が不思議そうに尋ねてくる。
今の自分はいつもと違って、美姫にとっては不思議なんだろう。
「ごめんね、そろそろ疲れちゃって」
「大丈夫ですか?」
心配して美姫が俺の体に手を回して、
支えるように歩いてくれた。
「大丈夫だよ」
そう言いつつ、美姫からは離れず、
むしろ美姫の腰に手を回して帰ることにした。




