聖女と3人での食事3
「ちょっといいかな。」
碧人様に手を取られて、
近くの木の陰まで連れてこられた。
重い沈黙が続いている。
ー碧人様怒ってる…よね。
誰とでも自分と結婚のチャンスがあるなんて言われたら腹が立つわ。
王族への侮辱ととらえられてもおかしくない。
「す、すみません。
碧人様を侮辱するような言い方をしてしまい、申し訳ございません。
もちろん、そんなつもりありません。」
「それで怒っているんじゃないよ。
僕が美姫を好きって言ったこと覚えてる?」
「は、はい。」
ー私のこと好きじゃない発言からすぐに言われたため、正直信じてないけども。
「好きな人に、他の異性に自分と結婚できるチャンスあるって言われたら悲しいよね?」
ーもし本当に碧人様が私のことが好きなら、
私の行動は鬼畜の所業だと思う。
「美姫は俺をそういう対象でみてないのかな?」
顔を近づけてきて、耳元で囁かれた。
緊張で声が出せず首を大きく振り否定したが、
信じてもらえていないようで、
「これからそういう対象でみてもらえるように努力するから、覚悟してね」
と微笑まれ、髪にキスされた。
私は顔を真っ赤にして、何を言えばいいのかわからなかった。