悪役令嬢計画①-3
「私のマナーが間違っているとわかっていたのですが、どこが悪いのかわからなくて。
先生や友人に聞いても『あなたは魔力が使えるから、マナー違反しても大丈夫』って言われて困っていたんです。」
と、まさかのさつき様に感謝されてしまった。
どうしよう、
こんなはずじゃなかったのにー。
何か他に指摘すればいいのかどうか悩んでたとき、
「美姫、ここにいたんだね。
あれ、意外な組み合わせだね。」
碧人さまがタイミング悪く現れた。
本当はさつき様を泣かして、自分をイメージダウンさせようと思ったのに。
今からでも遅くないかも、
私が『さつき様の悪いところをダメ出ししていたんです』と言おうとした。
しかし、それよりも先にさつき様が、
「実は美姫様が優しくマナーについて教えてくれたんです」と発言していた。
ー優しくしてない、むしろ厳しく言ったはずなのに!
急いで否定しようとしたが、
碧人様が「やっぱり美姫は優しいね、じゃあお昼食べに行こうか」と微笑んでくれて、否定できなくなってしまった。
このままだとさつき様に勘違いされてしまう、そう思い咄嗟に、
「さつき様も一緒にお昼どうですか?」と聞いた。
「え、私もですか?お二人がいいのなら…。
王族の方が食べるお昼ご飯に興味があります!」と言って着いてきてくれることになった。
我ながらナイスアシストだ!と碧人様の方を見たが、何故か笑っていなく、少し不機嫌そうに見えた。
なんでだろう、片思いの相手とご飯を食べられるのにー。
どうせ初めて片思いの相手と食べるなら、私抜きがよかったのかな?
そう思いつつ、みんなでいつもの場所に向かった。