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【最終おまけ】ラノベ市場の苦境を伝えない編集者

 ラストはこちら。私は『若者のライトノベル離れ』というものを書きましてカクヨム評論ジャンル歴代7位を獲得しました。そこで読者側のリアクション(まとめサイト含む)で驚いたのはいまだにライトノベルというものがブームであると勘違いしていたりライトノベル市場というものがまだ伸びていると著者に嘘を付く奴がいまだにいるってことです。あるいは「ほら、こんなにラノベ発のアニメが放映されている」と言ってラノベは今こそ黄金時代ですと嘘を付く奴までいる。そのラノベ発アニメは深夜やUHF局で流れ視聴率は約0.5%程度という事実を隠して、ね。


 ラノベ市場の約200億円というのは新書市場と同等、文芸書の約4分1、児童書の約5分1、漫画市場の約3%の市場規模に過ぎません。市場ピーク額は2009年でその後はじり貧。そして2019年以降は劇的に市場額が下落しもう市場の約3分1が吹き飛んだ後なのです。


 これはガチの編集者ですら隠したり「大丈夫ですよ、《《電子漫画との合計》》で言ったらラノベそのものは市場拡大中です」と言う事です。それ、ラノベの書き手にとっては関係ねえよな。俺たちは小説家であって2次著作物の漫画家としてデビューするわけじゃないので。


 実は彼ら2年ラノベ作家生存率というデータを隠し持ってます。一説によると約20%とも言われております。なおなろう系の台頭以後1年間でデビューする作家は実に600~700人以上。完全にラノベ作家は消耗品扱いです。


 知ってました? この数字。


 この事実を隠すだけでも極めて悪質です。つまり編集者の大半は元からラノベ本体の稼ぎやラノベ作家のことなどどうでもよく最初から漫画家・アニメスタジオの方向を向いている証拠なのです。じゃなかったらラノベ作家という職業は2次著作物許諾使用料だけでウハウハになってないとおかしいだろ? つまり2次著作物利用権料なんて元から宛てに出来ないほど安い金額なんだ。下手すると漫画家の方がマージンが大きいし打ち切られたとしても漫画家の方には「次の仕事はこれです」と紹介されやすいんだ。じゃなければ漫画市場はピーク時の1995年よりもさらに大きい額になってないって。漫画市場額は全著作物の約45%ものシェアを持ってないって。


 たぶん本物の編集者はラノベ作家本人にラノベ市場動向の事実を伝えてないはずなんだ。仮に伝えていたとしたら「じゃ、俺ラノベ作家辞める」とか「次から公募しても無駄だから俺は公募なんて止めるわ」ってなってないとおかしいですからね。つまりこれこそが真のラノベ編集者の仕事であって社会人と言うかサラリーマンはどんな仕事でも黒い部分を持っているという事なんだよ。君も社会人だからそのくらい分かってるだろ? 製造業は製造業として黒い部分(特に製品不正や下請けいじめ)持ってるし金融は金融で黒い部分持ってるし不動産は不動産で黒い部分を持っている。潔白な産業体なんて資本主義社会である以上どこにもないんだ。そんなものは「異世界」にしかないんだ。いくら落ち目とはいえ大手出版社の社員の給料が何で高いのか少しは考えてほしい。資本主義というのは所詮……搾取で成り立っているという残酷な事実に気が付くはずだ。そして1年目の稼ぎで気が付くんだよ。


 「あ、これ普通にコンビニで1日8時間労働した方がずっと稼ぎがいいわ。社会保険もフル加入だし」って事に。そして君は高確率でラノベ界を去っていく。ラノベ2年生存率ってそういう数字だぞ。そして漫画家と違ってラノベ作家はよっぽどの売れ行きがなければ出版社は君にセカンドチャンスの話など持ってこない。使い捨てだ。というか元からラノベは踏み台に過ぎずスタート地点に過ぎないんだよ。本当はここで児童文学に行くか大衆文学の世界に行くかの二択なんだよ。本当はね。昔の編集者はちゃんとこの事実を伝えていた。平成の中期ごろまでは。でも今の編集者はこのことを伝えていない(はず)ので「消費者」のままでいる君はそんなことも知らないまま「消費者」として作家人生が終わっていく。それ職業じゃないですからね。200億円市場って所詮そういう世界だぞ?


 分かったかな? これが本物の編集者であって彼らも所詮「サラリーマン」なんだよ。


=終=

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