6話 棚から牡丹餅(怖)
ち、チートきたぁあああああああ!
ひゃっほう!これでこれから俺TUEEEEEでモテモテハーレムだぜ!
「なんて、言うとでも思ったか!山!なくなった!ナンデ!?」
いやいやいやいや、威力高すぎるだろ!
強いけど!チートだけど!
こんな力使いまくってたらこの世界がめちゃくちゃになるわ!
ちょうどいい威力でいいんだよ!なんだこの0か兆かみたいな極端なの!
「山に人とかいなかっただろうな…いや、いたとしても全く実感ないけども…」
湖の向こうにあるといっても距離的には10キロぐらいありそうだし。
てかそんな遠いのに一瞬で届くってどんだけの速度出てたんだ…。
責任問題にならないだろうか?いやここから一瞬で山を破壊したとかばれるはずないか。
と錯乱した頭もだいぶ冷静になってきた所で
『レベルが上がりました。』
と頭の中でスキルを覚えたときに流れた音声と同じ声が響く。
ああ、そういえばレベル2になった時にも聞こえてたっけ、すっかり忘れてた。
あの山にモンスターでもいたのかな?
『レベルが上がりました。』
まだ、上がるか。
まぁ、山丸ごと消し飛んだから上がってもおかしくないか。
『レベルが上がりました。』
おお、これは大分あがるんじゃねーの!?
『レベルが上がりました。レベルが上がりました。レベルが上がりました。』
おおおおおお、楽してズルしてレベルアップかしらー。
『レベルが上がりました。レベルが上がりました。レベルが上がりました。レベルが上がりました。』
ま、まだ上がるか。
『レベルが上がりました。レベルが上がりました。レベルが上がりました。レベルが上がりました。レベルが上がりました。』
ちょ、えっ?
『レベルが上がりました。レベルが上がりました。レベルが上がりました。レベルが上がりました。レベルが上がりました。レベルが上がりました。レベルが上がりました。レベルが上がりました。』
こわいこわいこわい!俺何倒したの!?
『レベルがレベルレベベレレレ』
ひぃいいいいいい!!!もはやホラーだよ!声バグってきてんじゃねーか!
???SIDE
木々が生い茂る山道を進む千を超える異形の影。
「ふははは、やっと人族の国が見えてきたな」
それは、魔族の軍勢だった。
「お前ら、もう少しで殺戮の時間だぞ!」
「オオオオオ!!」
先頭を歩く男の声に一斉に答える千の軍勢。
「この魔王軍四天王が最強、風のビューイが貴様ら人族を根絶やしにしてくれるわ!」
その男は、身の丈を超える大剣を掲げ人々が住まう国を指し示す。
これから始まる一方的な殺戮を楽しみにするようにニヤリと笑みをこぼす。
「皆の者、行」
ドガァアアアアアアアアアアアン!!!
だが、その殺戮は始まることはなかった。
彼方から飛んできた小石が彼らの中心に着弾し、大爆発を起こし山ごと千を超える魔族の軍勢を欠片も残さず消し去った。
後に残るのは山があったこともわからぬほどにえぐれた大地だった。
その原因を作った者は今
『レレレベレレベベrbrrr』
「もう止まってくれぇえええええ!!」
止まらないレベルアップの恐怖で泣き叫んでいた。
今回は少し短いですがキリがよかったのでここまでです。
初めて評価を入れて頂きました!しかも二人も!ありがとうございます!
作者がとても喜ぶので感想、評価などよろしくお願いします。