10話 身体測定
人の手首を握りつぶすという初体験から一日
今俺はいつも薬草の採取をしている人気のない森の中へと来ていた。
今日の目的は、薬草採取ではなくレベルが急激に上がったことによる身体能力の確認である。
昨日はうっかりモヒカンの手首をないないしてしまったが、力の加減を知っておかないと気軽に握手もできない。
というわけで、あまり目立ちたくもないので人目のない森へとやってきたのである。
というわけで、自然破壊を繰り返し出た結論はこんな所だ。
腕力 :すごい、生えてる木も引っこ抜けるし、殴ったら木もへし折れたよ。
素早さ:速い、100m5秒ぐらいじゃないだろうか。
体力 :疲れない、全速力で1kmぐらい走っても息もあがらない。
ここまではよかった、ただ思ったより上がり幅が低いかなと思った。
Lv1が何も鍛えてない人だとしたらLv82だったらドラゴン〇ールみたいなことになると思ったがそこまでではなかった。
人によって上がり幅が違うのか?よくあるなろうのステータスみたいに数値化されているわけではないので今一わからない。
しかしそんなことより大きな問題があったのだ。
あれは木を殴った時のことだった。
「おりゃああああ!!」
声を出し目の前に生えている優に5mは超えているであろう木を殴りつける。
バキィッ!!
音を立てて倒れる木。
「おお、折れたって痛ぁああああああい!!」
ゴロゴロゴロ
「うぉおおお!手がぁあああ!手がぁあああ!」
ゴロゴロゴロ
手に走る痛みに地面を転がりまわる。
ちょっと!骨折してないだろうなこれ!?
木も折れたけど、骨も折れたってやかましいわ!
てか、こういう時って普通攻撃力もあがったら守備力もあがって大丈夫じゃないの!?
とりあえず骨は折れていなそうだったのが幸いだったが、これで一つの仮説が浮かび上がってきた。
そう腕力、素早さ、体力に比べ何故か守備力の上がりが少ないようで、殴った手にえらい反動が来たのだ。
どうやら人により成長しやすい能力の幅見たいのがあるらしい。
いや、ほかの人はどうか知らんけど。
少なくてもクラスメイトがレベルアップしてるときに攻撃の反動で体を痛めたみたいなのはなかったはずなので、多分そうなんだろう。
俺は多分守備力が上がりにくいタイプなのかもしれない。
これから討伐系の依頼も受けようと思っていた矢先の問題点である。
攻撃するたびに体を痛めるとか、それなんて呪われた武器だよ。
武器を持てば大丈夫かとも思ったが、剣を振るうにも技術がないと斬るというより叩き潰すということになるだろう。
また今の俺が買える剣にそんな鋭い切れ味を期待するのも無理だろう。
日本の刀と違ってこちらの剣は西洋の剣に近く斬ることに特化していない。
柔らかい敵ならともかく、固い敵を斬ったら反動で手首を痛めることになるだろう。
とりあえずこのあたりに出るモンスターは、ゴブリンとか後は獣みたいな種類が大半なので大丈夫な気はするけども。
でも骨って結構固いんだよな、日本刀だって骨にぶつかって欠けたりするらしいし。
んー守備力が不安だし防具を先に良いもの買って、いざとなったら首をコキャリとすればいいか?
手首を握りつぶすことができるなら、首を絞めたり、掴んで投げ飛ばしたりすればいける気がする。
それに守備力が全く上がってないわけじゃないと思うんだよな。
まったく上がってなかったら木を殴った時、拳が砕けてもおかしくない。
よし、とりあえず方針は決まった。
今ある金で防具を買って、投げと関節技でモンスターを討伐してみよう。
関節技こそ王者の技よ!と某ぷにっとした魔法少女も言ってたしな。
思ってたなろうテンプレ俺TUEEEEは出来なそうだが、何とかなりそうだ。
「それじゃ、町に戻って防具を買うか」
とりあえず周りを気にしながら見つからないよう、ダッシュで帰った。
時間短縮素晴らしい。
初めて感想を頂きました!
くるりん様ありがとうございます!
クラスメイトサイドがどうなるかとのことでしたが、のちのち出てきます。
きっと華麗にキワミがテンプレざまぁをしてくれることをお祈り申し上げます。
感想、評価などよろしくお願いします。