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影武者

「君たちの報告からただの影武者ではなく、それぞれが一騎当千の猛者だったという。その点に関しては疑うつもりはない」


だが、とアーリー王子は続ける。


「魔王軍は未だ健在である……そして、君たちは魔王軍と戦い、首を持ち帰った、魔王でないにせよ実力者のものだ」


むっつりと押し黙ったまま、王子を睨むフラスコ。


「君たちに通常の軍務は与えない。魔王軍が尻尾を見せる時まで研鑽を積んでほしい」


「はっ」


一早く応えたのはジャンクだ。

衛兵がフラスコを睨む。


ジャンクがフラスコを肘で小突く。


「それまでは、家で、女と、イチャついてろと。そう言われるんですね?」


「家庭では満足できないか?」


「王子、我々に必要なのは自由な金です。家も女も金で買えます。お膳立ては不要です」


「貴様ッ口を慎め!」

衛兵が剣に手をかける。


ピットが王子の耳元で何かを囁くと、王子は奥の部屋へと去っていく。


ピットがフラスコたちに近づいてくる。


「国難を排した者には金銀財宝を与えるとは確かに言われてきた。だが、人数を考えろ。貴様ら喧嘩しか取り柄の無い野良犬には贅沢なもんだ」




叩き出されるように城から出てきたフラスコらは恨めし気に城を見上げる。

コショコショと話していたベール兄弟が顔を上げる。


「隊長、ゴーサインくれたら一晩でカラクリ城に変えてやりまっせ」


「あの見張りヨダレ垂らしてやがる。俺なら一発よ」


「落ち着けよ、まだ早い……しょうがねえ、とりあえず軟禁は解けたんだ。パァーっと行こうぜ」


「隊長……ウチのが心配するんでお手柔らかに」


「所帯染みたねお前……」







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