第七話 勇者は儚く散る
どうも、ぽてとです!
大変お待たせしました!!
今回も大変激アツかつ見所満載です!
そしてかなりの伏線が登場するので絶対見逃さないで下さいね!
カムイ編、完結か!?
それではどうぞ!!
グレイはいつも平等だった。
あの日。
カーネルがギルドからSの烙印を押されたあの日。
彼の中で二つの感情が芽生える。
一つ、無敵という感情。
カーネルは今まで二人しか存在しなかったSの仲間入りを果たした。
これが何を意味するか、そんなものは世界中の誰もが考えるまでもなく理解出来る。
最強かつ無敵。
勇者の中において敵無し状態とギルドから認められたのだ。
無論、その辺のゴロツキや立ち向かってくる者などは存在しなくなる。
故に平和。
これを機に彼は結成していたパーティーを解散し、未開拓領域からも引退を宣言した。
理由はただ一つ、彼は〝平和を愛していた〟からだ。
彼は平和の為に戦い、それにより身に付けた力によって強さ故の平和を手にする事となった。
二つ、孤独という感情。
彼はギルドにSの烙印を押された後、ギルド上層部であろうと思わしき男にある事を告げられる。
『Sである事実は、誰にも明かさないで欲しい。メディアは勿論、家族や友人にもだ。』
家族なんて元々居ねぇよ、と吐き捨てるカーネルだったが、何故そうするべきなのかの説明は一切なかった。
加えて、ギルドのヘネシス支部・ポリス部隊の副隊長に抜擢され、その才能を遺憾無く発揮。
元々治安が悪かったヘネシスはここ五年程で見違えるほど変わり、テロは愚か世界で最も安全な場所の一つとも言われるようになる。
その全てはカーネル率いるポリス部隊の存在あってこそであった。
全てが順調に進んでいる、誰しもがそう感じていた。
しかし。
孤独。
いつからであろうか。
カーネルは孤独を感じるようになっていた。
勇者の中で最も強い称号を得、常に人の輪の中心にいるような人物。
だが、そんな彼は孤独だった。
何故か。
彼は輪の中心にいることは出来ても、人の輪に加わる事が出来なかったからだ。
理由は一つ。
〝彼がSであるから〟。
『地獄副長』と恐れられ、悪を粛清するその様は英雄そのものだが、友人になろうとする者は一人もいなかった。
つまり、上っ面だけの関係。
カーネルの名誉目当てで近寄って来る者や、世界の裏側からカーネルに金銭面での救いを求める声も上がった。
加えて、彼はSである事実を周囲に公表する事も出来ない。
強さ故の孤独。
彼は日々の生活に色を失い始め、仕事への意欲も無くし、ただ只管に未開拓領域の門番を務める単純作業をこなすだけの役職に成り下がった。
全ては己が望んだ結果。
これでいいんだ、と自分自身に言い聞かせる日々。
そんな中、ある男がカーネルの目の前に現れる。
「お前、強いんだってーーーー?」
それは長髪の男だった。
髪の間から垣間見える自信に満ち溢れた表情。
そんな姿を見たとて、カーネルは眉一つ動かす事も無い。
どこの馬の骨かも分からない、身の程知らずのゴロツキだ。
カーネルはその男をただの〝風景〟として見つめる。
つまり、興味が無いのだ。
「おいおい、この俺を無視するってのか? 流石は噂のS様だ。その辺のゴロツキなんて眼中に無いってか?」
「じゃあ、なんだってんだよ。」
「俺もそこそこ強いぜ? なぁ、白黒つけたくはないか? 最強の勇者さんよ!」
「別に。」
カーネルは吐き捨てるように告げる。
こんなものは時間の無駄だ、と言わんばかりに。
だが、その男が引き下がる様子はなかった。
むしろ、より唆られたようで表情の笑みが増している。
めんどくせえ、と彼は心の中で呟く。
しかし、その男はカーネルの許可関係なしに襲いかかった。
一瞬の空白。
為す術もなく、長髪の男は宙に舞う。
何をされたのかさえ理解するまでもなく。
何が何だか分からぬまま、男は肩から地面に激突した。
男の様子を窺うことも無く、カーネルはその場を去る。
当たり前の光景。
当たり前の世界。
これが自分の望んだ平和な世界。
これで良かったのだ。
これで。
「いやー、参ったよ。アンタ、やっぱ強いな······なぁ俺を弟子にしてくれないかーーー?」
ふと背後から声を掛けられる。
その言葉は生まれて初めての言葉。
自分の中の何かを溶かしていく言葉。
この男は何者なのだ、と振り返る。
「君は何を言ってるんだい?」
「そのまんまの意味だ。やはり上には上がいるな······」
「は?」
「俺は強さを極めたつもりでいたが······とんだ勘違いだったようだ。単刀直入に言う。」
「ーーーー?」
「頼む······俺を強くしてくれないか······?」
まだ会って数分の男。
為す術もなく打ち負かされた相手に、普通頭を下げるだろうか、とカーネルは首を捻る。
男の瞳に映るのは恐ろしく光る執念。
それは強さ。
強さを得たいという執念だ。
「何の為に強くなりたいんだい?」
「何の為?」
「そう、目的。ただ闇雲に強さなんて得るもんじゃないよ。それで得られる物なんて何もありゃしないさ。止めておくんだ。」
「それでもいい。」
「なに?」
「俺には······命に代えても······守らなければならないモノがある。」
それはヤケに凛としてカーネルの耳に響く。
命に代えても、守らなければならないモノ。
そんなモノあるわけないがない。
ただ虚勢を張っているだけだ、と嘲笑うも男の表情は一切変わらない。
また、執念も揺るがなかった。
そして男は再び拳を構える。
その様子を目の当たりにし、カーネルは思考を停止させた。
「何をしてるんだい?」
「俺を弟子にしてくれ。」
「嫌だと言ったら?」
「何度もでも挑戦するのみ。」
「へえ。」
どれ程の時が経過したであろうか。
すっかり日は沈み、夜空に星が顔を覗かせている。
カーネルと男。
言うまでもなくカーネルが戦闘に勝利し続け、男はボロ雑巾のように地に転がっていた。
カーネルは全くの無傷、損傷なし。
それどころか息が乱れる様子さえなかった。
圧倒的な力の差。
まるで蟻を踏み潰しているかのよう。
それに感情など一切ない。
ただ向かってくる者を手で追い払っているだけ。
「く······くそ······」
「君、まだやるの? しぶといよ。」
「こんなに差があっただなんて······畜生······」
男の額に一粒の涙が伝った。
その様子を目にし、カーネルは目を見開く。
この男は一体何を守ろうとしているか。
それが彼にどんな力を与えているのか。
男を〝景色〟としてでしか捉えていなかった彼は初めて男に興味を持つ。
「君は一体何を守りたいんだ?」
「〝世界〟だーーーーー。」
「セカイ······?」
「妹だ。世界でたった一人しかいなかった······俺の妹が愛した〝世界〟を守りたいんだ······」
男はそんな事を言った。
先程とは違い、大粒の涙を瞳から溢れ出しながら。
それを拭うこともせず、涙でぐちゃぐちゃになった顔を隠すこともせず。
男が強さを求める理由。
強さを得ることの意味。
それが一から十までカーネルの脳に伝わってくる。
その圧倒的強さを持ちながらも、世界を守りたいなどと彼は考えたこともない。
自身が平和で居られるのならそれで良いと考えている。
それは結構普通のことだ。
そんな大規模な事を普段から考えている事がまず珍しい。
しかし、目の前にいる男はそれ故に力を求めていた。
自分が欲して堪らないモノを余るほど持ち合わせているカーネルに対して。
それらを考慮すると、カーネルは思わず言葉を失ってしまった。
「いつか······お前を超えてやる······Sとかそんなものまとめて全部······超えてやるから······!」
男は再び叫ぶ。
己の守りたいもの、全てを抱き締めて。
「俺を強くしてくれッ! カーネル!!」
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「カーネル······お前が世界を救ったら······また会おうぜ······」
光に包まれるかのようにグレイは消えていく。
まるでそれは成仏していくかのようにも見える。
それをただ見つめる事しか出来ない。
闇の炎は燃え盛ること止め、行き場を無くしたかのように、そして仕事を終えたかのように、ゆっくりと消滅していった。
暫くの沈黙がこの場を支配する。
何が起きたのかは誰にも分からない。
ある一人の男を除いて、誰にも。
一人置いてきぼりになったカーネルはどこを見る訳でもなく、目の前で起きた事象を頭の中で整理していた。
だが当然の如く、整理などつくはずもない。
何が起きたのか誰にも分からないのだから。
「何をした············?」
彼は一人小さく呟く。
その疑問を投げつける相手はこの場に一人しかいない。
目の前にいる項垂れているこの男。
カムイ。
否。
闇の中枢、そのもの。
カーネルはそれに視線を移す。
そしてその瞬間。
カーネルは項垂れるカムイの胸倉を強引に掴みあげた。
「グレイに何をしたんだって聞いてんだーーーーッ!」
カムイが勢い良く掴みあげられた事により、その衝撃で周囲にあったガラス片や瓦礫は瞬時に四方八方へと散らばった。
だが、そんなものもお構いなしにカーネルは鬼の形相でカムイを睨み付ける。
胸倉を掴む両腕にはかつてない程の力が篭っていた。
「カーネルよ、そんなに激昴するな。奴は死んでなどいないさ。」
「じゃあグレイは何処へ行ったのかな?」
「それは言えない。仕方あるまい······『大義』の為だッ!」
瞬間、カムイは身体を極限に反転させ、隙が出来たカーネルの胸を右足で蹴り飛ばした。
腹から出る唸り声と共にカーネルは数メートル先まで吹き飛ぶ。
だが、僅かに防御体勢をとっていた為か体勢まで崩すことは無かった。
再びカーネルは光の太刀を右手に構えると、カムイに狙いを合わせ間合いを詰めていく。
「次に〝大義〟という言葉を一瞬でも吐いたら······君は骨も残らないと思え。」
「ふははは! 笑わせるなよ、カーネル。君には何も出来やしないさ。」
「グレイを此処に戻せ、今すぐにだ。」
「それは致しかねるな。我々に〝選ばれた〟以上······それが覆ることは二度と無い。」
「貴様······ッ!」
「もう君と遊んでる時間などないんだよ。もう十分に分かっただろうーーーー?」
カムイは一呼吸置いて。
「我々が何者なのかーーーーー。」
ブチりとカーネルの中で何かが切れる音がした。
それは何かが切れた音。
恐らく脳の中から発せられた音。
人には堪忍袋の緒という言葉がある。
つまり、それが切れたのだ。
Sともあろう男がそのような状態にある。
それが何を意味するのかは説明するまでもない。
カーネルはその光り輝く太刀を頭上に掲げ。
ただ一閃。
容赦なく、縦に振り翳した。
ーーーー瞬間である。
「ほうら、来た。俺の〝もう一人の獲物〟がーーーーーッ!」
カムイが視線を移す。
その表情は先程と同様。
何かを企んでいるような顔。
それは死神のように三日月を描くような微笑み。
今まさに自分の命が絶たれようとしているその瞬間にも、彼はその対象を見つめていた。
思わずカーネルはその対象に視界に移す。
カムイが自らの命よりも重要であると認識したその対象へと。
「テメェ······! 此処に居やがったのか······!」
それは勇者ランクEの青年であった。
最もこの戦場に相応しくないはずの青年。
身体は既にボロボロで、戦えるはずもない青年。
つまり、エイト。
唯一カムイが素手での攻撃を許した相手である。
カーネルはそれがエイトを認識するも容赦なく太刀を再び構えた。
まるでそれがどうした、と言わんばかりに。
「ふははは! カーネルよ、君はまた〝守れない〟!」
カムイは何を叫ぶか、その長い腕をエイトへ翳した。
そして、唱える。
カーネルの仲間であるグレイを何処へ誘拐した、あの呪文を。
「暗黒呪文・〝拉致こそ極上の裏切り〟!」
あ、と。
声をあげる間もなく、再び闇の炎はカーネルの前に姿を現した。
グレイを連れ去ったあの闇の炎。
それはまるで意志を持っているかのような動きを見せエイトの周囲を取り囲む。
カムイを殺るか、エイトを救出するか。
究極の二択を迫られる。
前のカーネルなら迷うことなく前者を選ぶだろう。
カーネルは決して目的を見失わない。
目的のためなら多少非道な選択を行使してでも達成する。
それがカーネルという男である。
だが。
先程の事件がカーネルにその選択を躊躇わせた。
グレイを失う感情。
唯一、友として共に進んできた仲間。
それを失ったことの精神的トラウマが今再び目の前で再発しようとしている。
頭では分かっているが、身体が言うことを聞かない。
同じ事は繰り返してはならない、と考えるよりも先に身体が動き始める。
青年を救出しなければ、と。
だが。
そんな想いも遅く、既に闇の炎はエイトの足元へ忍び寄っていた。
対象を認識すると、一気に闇の炎はエイトの身体中を駆け巡り始める。
それは焼き尽くす、というような表現ではない。
最早、寄生するかのよう。
闇の炎はエイトの下半身から上半身へ、そして腕から頭部へ。
全身至る所までを覆い尽くす。
「な······なんだ······! これは······!」
先程と同様の反応。
それはグレイのものと重なる。
カーネルは再びトラウマを目の当たりにし、とてつもない量の冷や汗をかきながらエイトの元へ駆け寄った。
言わずもがな、闇の炎は青年の身体を既に覆い尽くしていた。
これは俺のモノだ、とそれは言わんばかりに。
グレイの時と同様、この状態になってしまえば手の打ちようがない。
一歩遅かった。
再びカムイに先手を取られたのだ。
何も出来ず立ち尽くす。
勇者最強と謳われる彼が再び、立ち尽くす。
そして彼は唖然とした。
それは己の無力さを痛感したからではない。
グレイの時のトラウマが蘇ったからでもない。
理由はただ一つ。
闇の炎はまるでエイトの存在を拒むかのように自ら消し飛んだ事象を目の当たりにしたからだ。
最早、何かを口にするまでもなかった。
ただ唖然。
なんで俺はこんなものに必死になって悩まされていたのかと呆れているかのように。
ただただ唖然。
空いた口が塞がらない、とはこのような事を指しているのだろうか。
何が起きたのかなんて分からない。
だが、目の前に青年は立っている。
何かあったのか、とそう言わんばかりに青年はこちらを見つめ立っている。
「君ーーーー」
「カーネルさん······! 敵は袋の鼠です! 仕留めるなら〝今〟だッ!」
青年は揺るぎない表情で叫ぶ。
折角拾った奇跡を無駄にしてはならない、と。
そんな叫びに我に返ったのか、カーネルは頷くと再びカムイの方へ視線を移す。
今度は逃がさない、と無言の決意を孕めて。
だが。
「っく············ククク······ッ! クケケケケケケッ!」
ソレは笑った。
エイトが先程見た豹変とはまた違う豹変。
この人間には人格がいくつあるんだろう、そん感じさせられる程の豹変。
まるで違う別の「ナニカ」。
余りにも異様な空気にエイトとカーネルは身構える。
カムイは胸から溢れ出す血を抑える事せずに二人の前に立ち、爆笑している。
何がそんなに面白いのかなど二人に分かるはずもない。
「コイツァ、傑作だァ! お前を取り逃すのが余りにも惜しいゼ。〝勇者殺し〟······こんなところで会えるとはなァ!」
勇者殺し。
カムイはそんな事を言う。
それはエイトに対して。
否。
エイトではなく。
エイトの本当の『正体』に対して、かもしれない。
そんな事もお構いなしに。
ケケケッ、と爆笑しながらカムイは続ける。
「俺は『血』。全てを堕とす闇の神とて血の色は紅いのだ。そうとも······俺は『血』。全てを創造する血······」
「その血が俺に呼び掛ける······。戦えと······。そして果たさねばならぬのだ······『大義』をッ!」
「さぁ······お前は何だ······? お前の『正体』は何だ······?」
刹那。
カムイの身体は内から大きく弾け飛んだ。
まるで人間の風船が大きく割れたかのように大きく弾け、破裂音がギルド内に響き渡る。
そしてドッとカムイの血液であろう赤い液体が周囲に飛び散った。
赤い絵具のようなそれは壁一面を真っ赤に染め上げ、まるで美術画でも見ているかのような気分になる。
それと共にカムイの気配がギルド内から消え去った。
先程まであった突き刺すような殺気が消え、いつもの親しみある〝日常〟のような空気に戻ったのだ。
それはエイトを心底安堵させた。
お化け屋敷から戻った安心感に似ているそれはエイトの緊張感を一気に解除させた。
つまり、エイトは〝日常〟に戻る事が出来たのだ。
無事の生還。
それを漸く実感することが出来る。
緊張からの解放からか、エイトは腰の力が抜け地面に尻もちを付いた。
足が不規則に震え、暫く立つことさえ出来なさそうだ。
未だに心臓は高い鼓動を鳴らし続け、若干の気持ちが悪さが残った。
「終わりましたね······敵は逃がしてしまいましたが······」
無事の生還を分かち合うようにエイトはカーネルへ告げた。
だが、カーネルはその場に立ち尽くしたまま動こうともせず、またエイトの問い掛けに答える事もなかった。
「カーネルさん······?」
背後から話し掛けるも、その表情は見えない。
だが、その肩が震えているのが分かる。
まるで怒りに満ち溢れているような雰囲気を漂わせていた。
「終わっただと······? 何が······?」
「えっ······」
「敵にギルドを好き放題やられ、挙句······俺の部下も一人拉致されたんだぞ······。それのどこが終わったっていうんだーーー?」
「そんな······」
「既に敵の魔の手は首元に迫っていた······それに気付かなかったのも俺らが平和ボケしたツケさ。いや、気付こうとしていなかっただけなのかーーー。」
「敵は······」
「君には何が見えた······? 敵は何だと思う······?」
「それは············」
「いやいい、君は今日あった事は全て忘れるんだ。これは個人でどうにか出来る問題ではない。君はいつも通りの〝日常〟へ戻れ。」
「そんな······俺も何か出来ませんか······? 俺は今回の犯人を見たし、戦ったりもした······! 何か力になれればーーーー!」
「それはない。」
「何故です······?」
「力の無い者がそれをほざいたとて、それはただの〝偽善〟でしかないからだ。」
「そんな······!」
「俺には······命に代えても······守らなければならないモノがある。」
カーネルの視界に映る、薄汚れた青と白のマント。
キュッと噛み締める奥歯。
友の無念は俺が晴らす、とカーネルは言い残し、エイトから立ち去って行く。
たった一人だとしても。
友を奪った闇を打ち砕くとその胸に誓って。
闇を知ったカーネルは再び闇の中へと自ら潜って行く。
それはとてつもない程の大きな闇。
それでも構わない、とカーネルは自らに言い聞かせる。
そして彼は歩き続ける。
一度足を踏み入れれば、もう二度と戻る事の出来ない程、深い深い闇の中へ。
友を失った痛みが、彼を闇の中へ誘うーーー。




