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閑話 鬼より怖い二連撃!

水着回って、定番ですよね(ボケ―


ってことで、今回は水着回! ほぼ作者の息抜きです(キリ

閑話ですので読み飛ばしても本編には影響ありません!

また、若干ながらもアダルトな内容ですので、苦手な方は読み飛ばしてください><


ブックマーク登録件数700件突破!

皆さん読んでくださりありがとうございます><

「ビール美味しいですねー」


「あぁ。サイコーだー」


「おい見てみろ。あそこポロリしてんぞ」


「お、マジかよ。ってあの子、偽乳だったのかよー! 俺、あの子のファンだったのに―!」


バカな会話をしているアイとセットだったが、彼らの視界を遮るように一人の男が立った。


「お前たち見るだけならいいが、絶対に記録は取るなよ。お前たちを軍法会議に送りたくはないからな」


「准将お言葉ですが、我々は脳を機械化しておりませんので心配には及びません」


「自分もです。マルチデバイスも置いてきてますので、心配には及びません」


「よろしい。では、今日は休暇を楽しんでくれ。尤も、この保養地以外には出られないがな」


オガタはそういって自身もビール缶を傾けつつ、今度は真剣な眼差しでアイとセットを見る。

今度は何事かと二人は身構えたが、オガタの言葉を聞いて「やっぱりあなたは我々と同類ですね……」と胸中で呟くことになる。


「ところで、ポロリの子はどの辺だ?」


「10時の方向、距離50。ブルーの水着の子であります。准将」


「よろしい。って、あれは……」


オガタがその方向を見た時、そこに居たのはM-9Aの新人パイロットであるニア軍曹だった。

これにはさすがのオガタも顔を顰める。

なぜならばニアはまだ17才の未成年者であり、オガタにロリコンの趣味もない。

だが、まだ20代半ばのアイとセットからすれば、十分に魅力的なのだろう。

しかしながら、この場であろうと未成年者を成年者がいやらしい目で見ること自体が、ほぼほぼアウトだ。


「あのな、貴様たち……」


オガタが雷を落とそうとした瞬間、両名の頭がアイアンクロ―で締め上げられていった。


「いたたたた!!!」


「ああああああ!!!」


世にも恐ろしいほどの締め付ける音がする中、アイアンクロ―を放つ者にオガタが目で「もっとやれ」と合図したので、遠慮なくさらに締め上げられていく。


「君たちにはいつもM-9Aの整備を手伝わせてたな。本当はデータを取るためにうちの部署に来たってのに、本当にすまない。けどな、うちの可愛い可愛い新人を、やらしい目でみてんじゃねぇぞひよっこ共」


そういってマッカラン大尉は二人の頭から手を離した。


「マッカラン大尉。申し訳ない。私の部下の粗相なのに」


「いやいや、彼らにはいつも頑張ってもらってますからね。ホント助かってますよ」


オガタは今のを見なかったことにすると同時に、マッカランもまた今さきほど何もしていないという素振りである。

アイアンクロ―を決められた二名は若干落ち込んでいたが、その助け舟をマッカランが出す。


「そういやここは軍の保養地だが、たしか宿舎の地下には風呂屋があったな。なんでもとても気持ちがいいらしい」


そういいつつ、その「風呂屋」の割引券を二枚を渡す。


「まぁ、行ってこいや」


その言葉でアイとセットは気持ちを切り替えたようで、速やかに敬礼を実施し、足早にビーチを後にしたのだった。


「あれ? 風呂は1階では……」


「准将には無縁かもしれませんが、男が多い軍の保養地ならそういったものはつきものです。ですが紹介制でして、割引券がその紹介状替わりです」


「なるほど……マッカラン大尉。私をそこに案内してくれませんか?」


オガタは立ち上がり、アロハシャツの胸ポケットからタバコを取り出して吸い始める。

その目は真剣そのものだった。

男には、時として冒険にでる必要がある。時に吐き気を催すレベルの化け物であろうと、時にオークがでようと、理想郷(ユートピア)に辿り着くために何度だって挑戦するものだ。

マッカランもまたその程度のことは理解している。なぜならば彼もまた男であるから。

だが、マッカランに案内する勇気などなかった。いや、なくなってしまった。

長らく男という生き物として生きてきた経験則が、最も敵に回したくない生物を知悉しているからだ。


「じゅ、准将。案内したいのは山々ですが、その……私にはその、案内しかねます」


「ん? それはどういう……」


「准将。ここにいたんですかー。わたしとヒック!遊びましょうぜー」


「あらあら准将。どこに行こうと仰られるのですか? 私というものがいるのに、あんまりですわ」


背後で沸き立つ鬼の気配に、オガタはそっと振り返る。


「えっと、だな……」


そこには黒髪を綺麗に結い上げ黒いビキニ姿が眩しいサイジョウと、金髪を下してその美しい白肌よりも白いモノキニビキニ姿のミッシェルが、二人揃って仁王立ちで立っていた。

しどろもどろに答えるオガタを尻目に、二人の鬼は目元がまったく笑ってない素敵な笑顔でオガタに迫まる。

この時にはマッカランは機械化空間機動歩兵の中隊長に相応しく、的確な状況判断を下し、一目散に自分達の部下の元に駆け出していた。

それは50mという距離を砂浜にも拘わらず、わずか5.5秒という快速で走り抜く。

その鬼気迫る様子で走るマッカランに真っ先に気付いたのは、ニア軍曹であった。

そのニア軍曹は視線をマッカランの奥に向け、オガタがいるのを確認した。と同時に、彼女もまた、走り出す。


「えっとがなんですぜ?」

「えっとがなんですわ?」


二人のタイプの異なる美女に迫られたオガタだが、嬉しさなどびた一文も持ち合わせてなどいない。

全包囲された上に自艦が大破状態の状況の方がまだマシのように思えるほど、ただ恐ろしいというのが本

音だった。

その恐ろしい雰囲気は周囲10m内にいた人間がそうそうに立ち退き、さらには誰もオガタに目も合わせようともしない。

皆、わかっているのだ。

「触らぬ神に祟りなし」と。


「准将ー! オガタ准将ー!」


そんな状況にもかかわらず、一人の少女が駆け寄ってくる。

二人の美女は視線をそちらに一瞬移すと同時に、それをみて両者揃って本能がこう告げていた。


((こいつは敵だ!))


別段、脳通を使ったわけでもない。だが二人は理解したのだ。共通の敵が現れたという事実に。


「ニア軍曹だったかな。走ると危ないぞ」


「これくらいはへい……きゃっ!」


オガタの声に気を取られたのか、ニアは砂浜で盛大にこけてしまう。

これ幸いとばかりにニアを心配する素振りで、死地から抜け出す口実を得たオガタはニアに近寄る。


「すいません。運動神経は良いんですけど、はしゃぎすぎたみたいです」


「ははは。気にするな。若い子は元気な位が丁度いい」


そういって手を差し出しニアを立たせる。

するとどうだろうか。彼女の胸元から青色の布切れが砂浜に落下していくではないか。

もちろん、オガタはそれを至近距離で見てしまった。


「きゃああああ!!!」


悲鳴が上がる。それだけならオガタの運はまだよかったかもしれない。

だが、オガタにとって今日の運は殊更悪かった。最悪だったと言い換えても過言ではない。

気が動転したニアはその類まれな運動神経を発揮して、空中廻し蹴りをオガタの顎に見事に決めたからだ。さらに、膝から崩れ落ちていくオガタの後頭部に向け、空中回転踵落としまで決めるという見事な2連撃を決める。

オガタは軍隊格闘のエキスパートであり、ニアの次の挙動を無駄にハイスペックな生体コンピューターの脳で予測できた。そのため一撃目を食らった直後に、後頭部を片手で保護しながら空いた片手で受け身を取るという、ある種の凄技により大事には至らなかった。悪運がよかったのは、下が柔らかい砂浜であり、衝撃を逃がしやすかったことであろう。

サイジョウとミッシェルはその達人レベルの動きを見て、ニアという少女を敵に回さないことを誓う。

オガタ自身は不可抗力とはいえ見たのは事実であるため、このことを不問にすることで相殺することにした。

尤も、一撃目の顎への強打で一時記憶データは吹っ飛んだために、本人からすれば納得いかないものであったが……。


気を抜いていたとはいえ、艦内随一の軍隊格闘のエキスパートであるオガタから見事一本を勝ち取った少女には、後に「空中の殺人者」という異名が付けられたのは半ば必然かも知れない。その名付け親である2名の美女は「あれほど鮮やかな攻撃はいままでみたことがない」と口を揃えて評するほどだ。


余談だが、オガタはそのまま緊急搬送され即検査入院となった。

オガタの休暇はたった1日で終わったのである。

会社の先輩に言われること。

「女と付き合うと、女は怖い生き物だって思うようになるぞ。女の感は8割当たるし、嘘をついてもすぐばれる。そして追及が怖いぞぉ(笑)」

……それを私風に解釈してこの回にぶっこんでみました。

お楽しみいただけたなら、嬉しいです。


次話更新予定は少し空いて5月1日予定です。次回もサービスサービスゥ!

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