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窓のお話

ある女の子の苦労話。

作者: 咲野 音葉

最初は好奇心。

なにをやっているのか、なんでそこにいるのか、どんな人なのか、ただただ気になって見ていた。


その次はよくわからない。

けど多分好奇心の続きだろうと思っていた。ずっと気になっていた人と喋れたから、また喋れないかと見ていたのかもしれない。


…それじゃあ、今は?

どんな人か少しわかって、会うと少し言葉を交わす事が出来るようになった今も…なんで無意識に目で追ってしまうんだろう




桜の葉が緑に色づいて、少しだけ過ごしやすくなってきた。そんな頃…


あのメロンパンの一件以来、私は少しだけど碧くんと話すようになっていた。

話す、といっても大抵私がお昼を食べている時にたまたま何かをしている碧くんと会って世間話をしたり、たまに一緒に碧くんもご飯を食べたりする程度だけど…


ガサガサ


「こんにちは」


「あ、こんにちは」


と、そんな事を考えていたら碧くんが茂みからひょこっと顔を出した。


茂みから出てくるって…碧くんなにしてたんだろ??


「あ、えーと、ネコでも居たんですか?」


「?」


あ、しまった。質問がいきなり飛びすぎた


「ええと、今碧くんが茂みから出てきたので、ネコでも追ってきたのかなーと…」


毎回思うんだけど、私の日本語力はどうにかならないのかな…。はぁ


すると碧くんは、あぁなるほど、という顔をして首を横に振った。


「いいえ、今日は向こうでコマをやっていたのですが…ここに来る北村さんがみえたので近道をしてきたんです。」


「うぇっ?!」


ふふっ、とちょっと碧くんは得意気に笑った。


落ち着け私。とりあえず落ち着こう。これは、あれだ、碧くん特有の天然な発言だ。そうだそうだ。


「……え…ぇと、わ、私に何か用事があ、ありましたか??」


うわー!やっぱりダメだ!!動揺丸出しじゃないかこれじゃあ!ぽ、ポーカーフェイスでいこうよ私!ポーカーフェイス!!


「いえ、特にはないです。ただなんとなくで…」


と、碧くんはふと考える仕草をして、いつものように少し考えてから言葉を続けた。


「…最近、いつもより少しだけはやく時間が過ぎるんです。」


「え?」


サアァっと心地よい風が吹いて碧くんの髪がふわっと揺れる


そしてそのまま私の隣に座った


「自分の中に新しいものがどんどん増えていくんです。好きなものも、そうでないものも。それが僕には始めての事で…」


碧くんが少し顔を伏せる


…なんだろう、今…少し悲しそうに見えた気がした…


と思ったけれど、次の瞬間にはもう普通の表情に戻っていた。そしてそのままこちらを向く


「多分、こんなに色々な事を知れたのは、北村さんのおかげだと思うんです。」


「へ?!」


え?!はい?わ、私?!


「いつも北村さんが楽しい話や物を教えてくれたから、今こんなに楽しいんです。…だから、特に用事も無かったけれど今日も北村さんに会いにきました。」


ふわっと碧くんが笑う


あぁ、そこの理由を説明するためにその話を続けていたのかーとか思っている余裕もなく、私は


「〜〜っっ。」


「……?北村さん?」


耐えられなくなって碧くんから顔を背けた。


いや、だってあれだもん…私今、絶対


「…あの、北村さん?耳があか…」


「き、今日は…あついですね!!」


だあああ/////!!!除きこまないで!!というか耳までそんななの私っっ!?


「…?今日は割と過ごしやすい気候だと思いますけど…。」


そんな私をみて碧くんは不思議そうに首をかしげる。


そんな不思議そうな顔でみないでー!考えないでーっ!!


「…〜っ碧くんが、悪いんですからね、知りませんよ私は。」


あー…もう…。やだ。本当にこの人は…。


「…なにがですか??」


碧くんは、本当にわからない、というようにさっきから首を傾げっぱなしだ。


うん、でも本当に碧くんが悪い。

今私の顔が人に見せれた物じゃない事になっているのも、ずっと悩んでいた答えをあっさりと出してしまったのも、全部全部碧くんが悪い。



…あとで後悔したって、私は知らないんだから。



そんな事を考えながら私は火照ったうえに緩んでしまった顔に、パン!と喝をいれたのでした。

まさかの3本目…。

いやもう自分でも書いてしまった後出そうか迷ったのですが、結局出してしまいました(。ω。;)


もうこれをいっそ短めに終わる連載にしてしまおうか、考え中です。

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