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四話 がんばったら、ほめられちゃった

レイナ視点に戻りました

【レイナ】

(おかしい。ビビアナとはずっと仲良しのままだわ)


王子とクラスで親しく話すようになってもう数ヶ月がたった。

気がつけば、夏休みも近い。

だというのに。


王子といくら話し込んでも、ビビアナは笑顔で見ているだけ。

その笑みは本物で、とても嫉妬に狂っているようには見えない。


【レイナ】

(そりゃあ、表面上はビビアナに困っているというアピールをしているけど)


ビビアナをないがしろにしていないアピールで、ビビアナにも話題を振るけれど。


【レイナ】

(でも、だからこそ、ビビアナにとっては面白くないんじゃないの?)


だって、私にその気はなくとも、王子は私の元にやってくるのだ。

普通に考えて、いやだろう。


けれどビビアナは楽しそうに笑っているのだ。


【レイナ】

(王子と毎日話すようになった頃には、ビビアナのいじめが始まるはずなのに)


何もないのがおかしい。

ビビアナと仲良くできるのは嬉しいけれど、でも困るのよ。


私をいじめ抜いて王子の不興を買わないと、婚約破棄までいかないじゃない。

そうしたら、私が王妃になれない。


【レイナ】

(ゲームと違って、私達が仲良くしてるから、いじめの発生が遅いのかしら?)


まだ、私とビビアナの距離が近くて、王子との距離が遠いのか。


ならば、もっと頑張らなくては。

王子と二人きりでお茶を飲むぐらいに親しくなれば、ビビアナはきっと私をいじめ出す。


そうでなくては困るのだ。


【レイナ】

(夏休みも勉強して、王子の成績を抜いてみよう。王子はますます私に興味を持つはずだ)


賢いクラスメイトとしてだけではなく、一人の女の子として。

そうなったら、ビビアナも変わる。私の望むルートに入れる。


――夏休みに勉学に励み、夏休み明けの実力テスト。

私は全教科満点で、学年首位になった。


今までは王子に負けてずっと二位だったのだが、初めて学年首位になったのだ。


全科目の答案用紙を見つめて、胸が震えた。

こんなこと、前世でもなかった。

授業中もいじめられて、勉強に集中できなかったし、バイト三昧で家で勉強する時間もなかったから。


今の両親に最大限の感謝を――。

勉強する私を見守ってくれて、温かい食事を作ってくれて。


【レイナ】

(私、やればできるんだ)


静かに勉強する時間さえあれば、ちゃんといい結果が出るんだ。

そのことが嬉しくて、目に涙がにじむ。


【ビビアナ】

「おめでとう、レイナ」


ビビアナが頭を撫でて微笑んでくれる。


【ベアトリス】

「すごいけど……すごいんだけれどね、大声でおめでとうが言えないわ」


ベアトリスが小声で言い、アンナが頷く。


言いたいことは分かる。

王子を抜いたのだ。

それを手放しでは喜びにくいだろう。

王子のメンツ的に。


【ビビアナ】

「あら、手放しで喜べばいいのよ。貴方の努力の結果なのだから。ねえ、トリニダード王子?」


【トリニダード】

「ああ。まさか全教科満点とはな。さすがに勝てない。よくやったなレイナ」


【レイナ】

「トリニダード王子……」


トリニダード王子に悔しそうな様子はない。

いつもの彫刻のような冷たい表情が少しだけ優しく感じた。


【レイナ】

「みんな……ありがとう、ございます……」


気を抜けば涙が出そうで、私は答案用紙に顔を埋める。


【アンナ】

「おめでとうレイナ!」


【ベアトリス】

「貴方と友達でとても誇らしいわ! おめでとうレイナ!」


ベアトリスとアンナも、今度は手放しで褒めてくれる。

ビビアナが泣いてもいいと言うように、何度も優しく頭をなでてくれる。


嬉しくて幸せで、胸がいっぱいだった――

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