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つつくほっぺ、触れる命

「はあ……はあ……帰ったよー……響也くん?」

「デズたちは今帰りました!」


虚子たちは、服と教材と、分解されてギターケースに入れられた鎌を持ったまま家に帰ってきた。


「………鍵を開けたままにしておくなんて、不用心だねえ……私じゃなかったら、この家漁ってるよ……」

「その割にはニヤついてますね……マスター、まさか……」

「そんなことしないよ……そう言うのは許可もらわないと正々堂々じゃないもんね!」

「物色に正々堂々も何もあるのかはわかりませんが、そうですね……おや?」


デズは持ってきた荷物の軽い整理をしながら響也を探していると、布団の布団の敷かれた部屋と、そこにばたりと倒れた響也をみつけた。


「どうしたの?………?!」

「………寝てますね……ん?マスター」

「…………つんつん、つんつん」

「こらこらやめなさい、マスター。寝てる人のほっぺはつつかないで下さい…」


「………ぷにぷにしてる!すごく………デズもしてみる?」

「……………つんつん……これは上質な……まるで赤子のようです……」


二人は、寝落ちするまでつついていた。


翌日


「………んんん?……あれ、寝てた?………講義は……一限目ある!時間は?………あ、まだ2時間はある……起きて準備しよう………ん?」


響也がうつ伏せの状態から起き上がると、両脇にパジャマの虚子とデズがいた。

 ふと、響也は、虚子がパジャマで荷物を取りに行っていたと言うことを思い出す。


「………何してるんだろう?………あ!お風呂入らないと……二人とも起こさないように……」


響也は、二人を踏まないように慎重にそこからでて、冷蔵庫のお茶を飲んだ。


「………ぷはぁ……ふう、最近、ほんとに暑いなあ……」


そう言って風呂に入り、浴槽の水を抜いて体を洗った。あまりの暑さに、浴槽の水がぬるかったことに驚きと暑さへの怒りを感じる、そのまま全身を洗い始めた。


風呂から上がると、体を拭いて服を着る。


1日で汗まみれになった服の代わりに、別の紺色のじんべいに今日は、青い浴衣を着ることにした。スマホと財布と鍵を入れるために、高校時代使っていた体操ズボンをはいた。


「……ふう……さっぱりした……さて、喉乾いたから何かのも……」


そうして袴をつける前に、響也は冷蔵庫を開けて、スポーツドリンクをコップに入れて飲む。


そうして、袴を帯びに則して紐を結んでいく。そして、最後に結ぶ紐を一文字型に結ぶと、二人を起こそうと寝室に向かう。


「虚子さーん……早く起きてくださーい」

「…………むにゃ……やわらかぁい……」

「……どんな夢を見てるんだ?……まあいいか、もうちょっと寝かせても問題はないでしょ……」


その後、響也は朝ごはんのために冷やご飯を温めようと思ったが、残っていなかったので、4人分のうどんをゆがくことにした。


「………ん?おはよう、響也くん……いま、何してるの?」

「おはよう!虚子さん。今うどんゆがいてるんだけど、朝ごはんそれで大丈夫?」

「うん……全然大丈夫だよ…つんつんしてたら寝ちゃったんだ………あ、デズもだ…」


「ん?何をつんつんしてたの?………まさか私のほっぺを?」

「…ばれちゃった…………勘が鋭いのって、嫌だね」

「………そんなに魅力的かな?私のほっぺって」

「うん、そりゃね」

「……私の親戚とか親もつんつんしてたな……はあ」

「やっぱり、そうだよ!響也くんのほっぺは一級品!」

「やめてほしいな……………うどんあったかいのと冷たいの、どっちがいい?」

「冷たいの!」


そうして、響也と虚子はうどんができると、響也はたらこスパゲッティのソースを、虚子はめんつゆをかけた。


「いただきまーす」

「いただきます……」

「……ねえ、響也くん。その、パスタソースとうどんって、合うの?」

「合うよ!そりゃ、炭水化物と塩っ気があれば大体は合うでしょ?」

「……うーん、まあ、それはそうなんだけど………」


虚子は納得がいかないままうどんを食べ終えて、洗い物を響也がすると言ったため、軽くシャワーを浴びた後、服を着替えた。


その後、いいぐらいの時間になるまでぼやーっと過ごして、その後玄関に向かった。


「響也くん、準備できた?」

「うん……あ、デズは?」

「そうだね、私の中で寝ててもらおっかな」


そう言って、玄関にいた虚子の元に、黒い煙が彼女の体に入って行った。


「じゃ、いこっか!」

「持っていかないといけないもの、全部持った?」

「うん!えーっと……教材入れたカバン!鎌を入れたギターケース!うん!全部入れたよ」

「私も、カバンと妖刀持って行くために竹刀袋持った!よし、行こう」


そうして、大学までつくと、同じ教室に向かった。


基本的に響也と虚子のとっている講義はだいたち同じだったので、二人並んで座ることが続き、講義を全て終えると、部室に向かった。


「……これでよし!じゃあ、事務所いこっか」

「了解!」


響也は部室の扉に紙をはり、その紙には本日剣劇研究会休みと書いていた。


「ん?あ、来たんだね……おや、うろちゃんも一緒なんだ……」

「うん……私、響也くんと同棲してるからね」

「あ、そっか……うろちゃん務所暮らしだったもんね」

「せんぱーい…その言い方だと刑務所みたいですよ……」


響也と虚子が事務所に入った時、由紀乃とそんなやりとりをした。よく周りを見てみると、飲み物を入れている小町、少し汗を垂らしながらソワソワとしている彼方、知らない双子の女子高生、十字架のペンダントを首に掛けたシスターがいた。

「……ヒユノ、この人、虚子さんの彼氏さんかな?」

「いやあ……違うと思うよ?お姉ちゃん」

「………運命の人は一生のうち、一人しか出会えません……そのように簡単に彼氏だとか、言うものではありませんよ」


その時、村正が響也から出てきた。

「そうそう、こんな奴と響也が彼氏だなんて、僕がごめんだね!」


「おやおやおやおやおや?……どうやら村正くんは死にたいようだねぇ?……いいよ、いま鎌組み立てるからねえ……」


「こらこら……むだな殺生はよろしくありませんよ」

「もう……アズサさんはいつもそんなの。亡霊に会ったら真っ先に殺すのに……」


「殺めるのではありません……救済するのです……」

「救済ですか……でもアズサさん…いざ戦い始めると殺意高い攻撃してきていませんでしたっけ?」


その時、デズも出てきてそんなことを言った。


「うふふ……私はできるだけ早く救ってあげたいだけですよデズさん……」

「あ…デズ、そんなところにいたんだ」

「お姉ちゃん、デズはさっきまで寝てたらしいよ?」

「そっか…あたしもねむたくなってきた……」

「はいはい君たちー……うちの新入り、山崎 響也くんが全然あなたらのこと知らないから、自己紹介してくれる?」


「わかりました……では(わたくし)から………私は入間(いりま) アズサでございます………見ての通り、かつては教会のシスターをしておりました………今は、より人の魂を救済でかる祓探偵(このしごと)をしております……以後、お見知り置きを……」

「よろしくお願いします」


「ん……ふゎぁ〜〜……じゃあ、次はあたしが……あたしは夜神(やがみ) タナ……あー……お兄さん、どうぞよろしく」

「ええー……お姉ちゃん、何かないのー?あ、私は夜神(やがみ) ヒユノです。お姉ちゃんとは双子で、どっちも高校2年生です。よろしくお願いします。響也お兄さん」


「どうぞ、こちらこそよろしくお願いします」

「はいはーい!僕、童斬村正でーす!よろしくネ☆」

「おや……あなたが例の融質の……」

「……あたしより幼い」

「お姉ちゃん……この子呪いだから見た目通りじゃないよ……ごめんね、村正くん」

「いやいや、どう見てもらっても問題ないヨ☆」

「よし!じゃあ、自己紹介は、終わり!今からは、稚児斬り捜査のミーティングを始めます!」


「おお……すごくタイミングが良かったです……丁度紅茶が用意し終わった所なんですが……あ、響也さんたちの分は、用意出来ていませんでした……すみません」


そう言って、このタイミングで小町は響也と村正、虚子以外の事務所内全員分の紅茶を渡していった。


「いや、大丈夫ですよ…今は紅茶の気分じゃなかったしので」

「そう?私は欲しかったなあ……」

「では、私の分をあげましょう」

「え?いいのー……ありがとう、小町ちゃん!」

「ええ……これくらいお構いなく……」


「……それじゃ、今度こそ話し合うわよ……」


話し合いののち、響也は、初任務につかされていた。


「さて……依頼人は…確か名前は、田中さんだっけ……」


響也たちは、ミーティングで話し合ったことにより、まずは小さな痕跡からコツコツと捜査していきつつ、他の依頼もこなす事にした。大体の依頼は稚児斬りの呪いに当てられて活性化し、例の被害が大きくなってきたことが考えられて、人助けの面からも、稚児斬り捜査の観点からも良いと思える物で、今は、響也が住んでいるところから二駅離れたところの人からの依頼を受ける事になった。


「はい、響也さん……たしか、住宅街の小さな公園で待ってると言われていたようで……」

「……そうですね……おや、あちらにいらっしゃるのが田中さんではないでしょうか?」


響也は、敬語使いが二人揃った事に困惑しつつも、よくみると二人の敬語はちょっと違うところを感じた。今日受ける依頼は、じゃんけんで別れ基本4人一組で行動する事になったのだ。

響也は、あみだくじの結果、小町、アズサ、村正(響也から離れられないので基本常時同行)と共に行動することになったのだ。


そして今、依頼人の田中が公園のベンチに座っているのを見た。


「すみませーん、田中さんでしょうか?」

「はい……わたしは田中ですが…(うわ、侍みたいな人と、教会のシスターみたいな人と……なんか綺麗な人と………なに?お、女の子供?へ、変な組み合わせだな……)…な、なんでしょうか?」

「私、こういうものでして……」


そういうと、響也はつきぎりの名刺を渡した。


「つきぎり探偵事務所の響也さん……じゃあ、やっぱり本当に霊はいるんだ!」

「まずは、DMで送っていただいたことも含めて、ご説明していただけますでしょうか?」


「はい……わたしの住んでいるところでは、最近神隠しが多発しているのですが……わたしの弟も、攫われてしまいました……どうか、助けてください!」


「もちろんですよ………それで、いなくなった場所に、心当たりはありませんか?」

「………弟は高校生で、塾に通っています……3日前、いつも通り塾に行っていました………しかし、帰ってこなかったんです………おそらくその塾までの道で、攫われたんだと思います………」


依頼人の顔には、涙が出ていた。


「……辛かったでしょう……ですが、私たちがあればもう安心です。大船に乗った気でいてください!」

「?!……ありがとう…ございます……実は、わたし……大輝と……喧嘩をしてしまったんです……弟のことなんて大嫌いだと、言ってしまいました。本当は、そんなこと思っていなかったのに……どうか、弟を、見つけてください!」

「もちろんです」


大輝という高校生の特徴をを聞いた後、響也たちはその塾の近くの道を捜索していた。その最中、ふと、アズサが響也にこんなことを問いかけてきた。


「あの…響也さん」

「はい、なんでしょうか」

「あなたにとって、救済とはなんだと思いますか?」

「………困っている善人を助けることですかね…」

「それを全員にするのですか?」

「……それは出来ませんね……色んな意味で。でも私の出来ること、出来る範囲で助けようとは思います」

「……そうですか」

「………あの、どうして急にそんなことを聞いてくるのですか?」

「あなたが信頼するに値するかを見定めています」

「……なるほど、そう言うことですか……」

「……よかった、私はおかしくは無かったんですね………普通、こんないつ死ぬか分からない業界に進んで入ろうとするなんて異常です」

「……小町さんも、響也さんが祓探偵をすることに反対なのですか?」

「ええ、こんな不幸に巻き込みたくないので」

「それはそうですね。響也さん、なぜこんな危険な世界に入ろうとしたいのですか?」

「………人を助けたいからです」

「他にも人を助ける方法はあります。それなのに、どうして?」

「……それは」


「あー!!……だめだ、人の知覚は専門外だし、霊に攫われた痕跡もない……おそらく、異次元タイプだね」


その時、村正の叫びが響也の声を遮った。


「……話は、依頼が終わった後にしましょう……死なないように気をつけて下さい。(わたくし)、あなたを見極めます……本当に祓探偵としてやっていけるかどうかを」

「………わかりました。それで村正、異次元タイプって?」


「あれ、ほら……ある場所のある時間に、あるはずのない道が出てくるみたいな奴」

「ああ!……そういうのか」


「……なるほど、村正さん、その可能性は高そうです」

「小町さん……それはどういう根拠で?」


「アズサさん……さっき、依頼人がこの辺で神隠しが多発していると言っていました……ここまで歩いてくる間に、気になって調べたところ……ほとんどの被害者と思われる方の親族の供述によると、全て、この時間にこのあたりを歩いている計算です」


「………そういうことですか」


「………?!」

「?デズ、どうしたの?」

「………ある、今、何かすごい怨念を感じたよ……こっちだ!」

「あ、待って村正!」

「私たちもいきましょう」

「わかりました、アズサさん」


一向は、村正が走る方向に着いて行った。それを後ろから見ていた、依頼人、田中(たなか) 紫苑(しおん)はそれを追いかけた。捜査をしてくれることへの嬉しさ、ただ見ているだけであることに申し訳なさを感じたため後を付けていたのだ。


「…………!あった、ここだ!」


「ここ?……普通の道に見えるけど…」

「……響也さん、今のうちに帯刀しておいて下さい」

「……わかりました……あれ?そういえば、小町さんは武器ないんですか?」

「……そんなもの、私にはいりません」

「………武器は己が身一つってこと?度胸あるね……僕も見習わないと……」

「村正さんも、裏切らないでくださいね」

「そんな心配は要らないんだけど……まあ、僕も呪いだからね……何しでかすか分からないから頼むよー」


「お三方、そろそろいきましょう?」


そういうと、アズサはスーツケースの中から鎖付きモーニングスターを取り出した。


「………これは、モーニングスター?」

「ええ、アズサさんはシスターなので霊相手でもモーニングスターを使っています」

「当てないように努力しますので、頑張って避けてくださいね……」

「怖?!」

「お、恐ろしい……笑いがより恐怖を引き立たせてるね、響也」

「それじゃあ、行きましょうか……響也さん、アズサさん、村正さん」

「あ、うん」

「はい」

「問題ありません」

「じゃあ、入りましょうか……」


そう言って、一向はほ"本来はなかった道"に入って行った。

少しして、後を追っていた紫苑も、その道の前に来ていた。


「こ、ここは……こんな道、無かったような?」

「そうだよ………ここはかつて、孤独死した中年男性の住んでいた家があった空き地だよ」

「き、君は?……どことなくさっきの探偵の子供に似ているけど……兄弟か何か?」

「うーん……そうだね……確かに、あの子はぼくの弟と言っても差し支えないな……ありがとう、今度会った時は兄として接してみるよ………ところで、お姉さん」

「な、何?」

「………幽霊って、信じてる?」


その目は、笑顔に似合わぬほど邪悪なものだと、紫苑は感じた。


「………今の所、空の色以外、違和感はないね………霊の気配は……こっちだ」


響也たちは、道を進んでいる最中、怪しげな空色、妙な雰囲気に息を飲んでいた。


「…………?!」

「ん、村正………どうし…た?……え」


村正が急に立ち止まったことを気づいて彼が見たものを、響也も見ることとなった。


そこには、扉も家も無かったはずなのに散らかったゴミ部屋の中に、迷いこんだであろう人たちがある一人の男の周りを囲んでいた。

 その男がただの男ならなんとも思わなかったであろうが、その男はこの世のものとは思えないほど醜かった。


「あ"?き"み"た"ち"も"ほ"く"と"あ"そ"ん"て"く"て"ふ"の"?…て"ゅふ"ふ"………」


「うわあ?!な、なんだこのこどおじLV100なやつは」

「……おそらく、この男が原因です……小町さん、ほら、見て」

「………あれは、田中 大輝さんですね。写真の通りです」


男は、目を開けたまま全く動かない人たちに囲まれていて、その中に依頼人からもらった写真の高校生がいた。


「み"ーん"な"……お"に"こ"っこ"て"あ"ーそ"ーほ"!」

「うわ?!く、来る…….響也、解放するよ!」


「………良いのかな?このままこいつを倒しても、この人たちは、意識を戻すのかな?……それに、呪解放(あれ)使えば力が溢れすぎて、あの人たちまで傷つけてしまうと思う……」


「じゃあ、どうすれば」


「は"ーい"つ"か"ま"え"た"」

「っぐ?!……き、響也逃げて!こいつに触れらたらやばい!おそらく、あの人たちみたいになあんなのにされる」

「む、無理だってぇ〜〜うわぁぁぁぁあ?!…………って、あれ?まだ生きてる?


人に囲まれていた男は人の円から、響也たちの方へ向かってきて、響也を触ろうとした……しかし、それを小町がかばった。


「大丈夫…っです…こんなんじゃ、私はしにま……せ…」

「小町さぁぁぁああん!!!!」

「んな?!」


響也と村正が、触れられそうになった時、小町が庇って前にでた。するとたちまち、体から生気が抜けた。


「………ごめん、小町さん」

「……ごめんなさい……逃げてなくて、私は、なんてことを………」

「……ああ、こんなところで、死んでしまうとは、情けないです……あなたが生き返るまで、時間を稼がせていただきましょう……」


自分の過ちを後悔する響也と村正とは裏腹に、アズサらは、モーニングスターを構え男へと飛び込んだ。


「え?いま、何をしたの?」


アズサは瞬時に男を攻撃し、響也が瞬きする間には、アズサは男の後ろにいた。


「……なんともまあ、哀れなものですね……あなた」

「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"?!?!?!」


すぐさま、男の脂肪だらけの体は、ぶるぶると揺れていた。そして、男の頭から白い何かが出てきて、円の中の一人に入って行った。


「……今、出てきたのは、人の魂のようです……どうやら、かなり強い打撃を繰り出すと魂が抜け出ていくようです……響也さん、出来ますか?」

「……はい!村正!!」

「打撃だねー……了解!」


響也は、呪解放をした。刀に呪いを纏い、斬れないようにして冗談に構えた。


「……もう、怖恐は捨てた……今は、あなたから生者を救う!」


響也とアズサは、初めてとは思えないほど素晴らしい連携でどんどんと魂を解放していった。


「く"そ"か"………な"め"や"か"って"な"め"や"か"って"………て"め"え"ら"し"に"さ"ら"せ"え"え"え"え"!!!!」


「………やあぁぁぁぁあ!!!」

「……?!小町さん!……よかった、生きてた!」


小町は、近づいた響也を触ろうとしたが、それを小町に腕を掴まれながら空中回転され、腕をもがれた。

男は、もがき苦しんで、腕の断面から全ての魂を出した。


「今なら、もう斬っても良いですよね?……いきます!……」

「……ええ、行ってください!私も行きます……」

「……私は喰らわないようににげますか……死なないと言っても、痛みは感じますし」


そう言った後、響也は、力を込めて呪いの嵐を刀の周りに起こさせ、アズサは、モーニングスターを振り回して遠心力を稼いでいた。


「………うぉぉぉぉおおおお!!!!!」

「………どうかやすらに……やあ!」


二人は、その攻撃を男に直撃させ、あたりに煙が起こった。


「……うわっ……前が……」

「響也さん!……大丈夫ですか?」

「……お二方、落ち着いてください!……そして、用心を……まだ倒し切ったとは限りません。目を開けられるようになったら、すぐに攻撃できる準備を」


アズサがそう言ったことで、響也は落ち着き、深呼吸してから目を開ける。そこには、二人立っていた。


「……やあ、この前の借り、返しにきたよ」

「…君は、稚児斬りか」

「……そこの二人はお久しぶり……おや?見ない顔だけど……そこのシスターは、誰?」

「……(わたくし)は、アズサです……あなたのことは、聞いてあります、稚児斬り……どうぞ以後お見知り置きを……そして、隣にいらっしゃるのは、田中様でしょうか?……何をしたんですか?」


稚児斬りの隣には、刀を持って禍々しい呪いを纏った紫苑がいた。


「田中……ああ、確かそんな名前だったね……そうだよ」

「……稚児斬り、君の目的は?」

「はは……そんなことを言うほど、ぼくは単細胞ではないよ………さて、異能を他人に貸与するのは初めてだから…うまくいくと良いけど、じゃあ、あとはよろしく」

「待て!稚児斬り」

「あ……お兄さんみて思い出したよ……ぼくの弟によろしく」

「弟……ちょっとま……消えた……」

「響也さん、それより今は、この場の対応が必要となります。田中さんを、止めましょう」

(わたくし)も賛成です」

「私が、ここの人たちを守っていますので、二人でお願いします」

「………分かったよ、早くケリをつける……合わせましょう、殺さないように……ね、アズサさん?」

「……たまには、死なき救済も必要ですね……用心して下さい、やはり私はぶつけてしまうでしょうから」

「………が、がんばります……」


響也たちは、第二ラウンドに突入するのであった。





〜人物紹介〜

入間(いりま) アズサ23歳……良いところのお嬢様で、日本の教会のシスターをしていた経歴を持つ。常に救済とは何か、救済することこそ正義と考えている。霊的界隈の殺し屋と呼ばれるほど精鋭集団である『たまかり探偵事務所』のNO.3実力がある。

 使用武器はモーニングスター。シスターなので、流血は良くないからと言う理由らしい。なお、鎖で繋がれたモーニングスターを使っているが未だなれておらず、時々自分や仲間に当てることがある。

服は常時シスター服である。

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