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蛇足的ないわゆるざまぁパート④

「…。状況を整理しろ。」

頭を抱えた国王が命じた。その一言に、司祭や一部の魔導士たちと高位貴族が動き出す。しばしの間、私語も移動も禁じられ奇妙な沈黙が聖堂内を支配する。状況が不明なまま、不安を煽る内容を触れ回られては国内が混乱するのが簡単に予測できたからだが、下位貴族はともかく市民たちは冷静さを失う一歩手前まで不安と不信と恐怖に追い詰められていた。彼らの不安定な状態に気付いた司祭がケアをしつつ、次の指示を待つよう宥める。

 別室に移動していた司祭と高位貴族が戻ってきたのは、どれくらいの時間が経ってからだろうか。

「ご報告申し上げます。」

筆頭公爵が国王に発言の許可を得、報告を続けるには、

「先ほどの水鏡の術によって判明した事項は以下となります。

一つ、王太子が聖女の名を呼んだことが何らかの術のトリガーとなったこと。

一つ、その何らかの術によって魔王と聖女が水と思われる液体となって崩れ落ちたこと。

一つ、魔王がおそらく消失しているにもかかわらず瘴気も魔物も減らないこと。

一つ、魔王が崩れ落ちると同時に何らかの術が新たに発動していること。

一つ、これらの事実に関連は不明ですが、聖女召喚に関する知識が文献含め消失していること。

以上を踏まえ推測できることは、魔王が聖女召喚の消失に係わっている可能性です。魔王が崩れ落ちると同時に発動している術は呪いの可能性もあるとのこと。呪いの中には消失の呪いがあるとも言われているそうです。

事実については魔王城を探索する以外、現状では打つ手は無いかと思われます。」

誰ともなく、深い溜め息を漏らす。


 国民には詳細を確認するためには魔王城を探索する必要が出たことが公表された。水鏡の術でも何も分からなかったとあり、国内の雰囲気はさらに落ち込む。荒んだ気配が一層増し、不穏な状態が長引くことが予測できた。

 国王は魔王城の探索を正式に決定し隊長には筆頭公爵を任じた。また通信の術に長けた魔導士を同行させ、何か発見した場合にはリアルタイムで報告することを命じた。王太子たち、以前の勇者御一行も同行を求め認められた。彼らは、前回の討伐時の不備による汚名を少しでも返上したい一心でのことだった。


 魔物を討伐しながら、魔王城までの道程を一気に駆け抜ける。野宿も厭わない強行軍だったこともあり勇者御一行が必要とした日程より遥かに短い期間で魔王城まで辿り着いた。

 公爵は即、王座の間に向かう。まずは魔王と聖女が最後に立っていた場所、水と成り果てた場所だ。半年以上も経った今、術の痕跡が残っているとも思えないが何らかのヒントがあれば御の字と、公爵は同行している魔導士に調査を命じる。


 あの日、魔王と聖女が立っていた場所にはもう、何もない。水は既に蒸発したのだろう、跡形もない。

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