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8. 狼村での出会い
さっきまで降っていた豪雨は、いつの間にか止んでいた。
草野克則は目が覚めた。
(ん?ここはどこだ?)
気づけば草野克則は森の中にいた。
(確か、田中に話を聞いた後、帰ろうとして、店のドアを開けたときに…)
草野克則はかぶりを振った。
(思い出せない…。暗闇に引きずり込まれたような…。)
「あ、人がいる!すみません!」
遠くから学生風の男が小走りで近づいてくる。
「あの…。ここ、どこだかわかりますか?道に迷ってしまって…。」
「私もだ。気づいたらここにいたんだが…」
「え?」
学生風の男が驚いた顔をした。
(まさか…。)
「もしかして、君もそうなのか?」
「は、はい。」
「私も困っている。2人で協力してここが何処か調べよう。」
「はい!僕、おじいちゃんが倒れて…それで、病院に向かってたんです。ケータイもずっと圏外だし…。」
とっさに草野克則は自分の携帯電話を見たが、やはり圏外だった。
「私は草野克則。君の名前は?」
「大神満です。」
「近くに人がいないか探してみよう!大神くん、よろしく!」




