52. 6日目の振り返り
6日目:
・犠牲者:神阪甲太郎(人間 / 占い師)
・処刑:龍造寺猛虎
処刑投票:
・田原葉月 → 龍造寺猛虎
・天童真理夫 → 龍造寺猛虎
「では、6日目。神阪先生が狙われた日。君たちが人狼なら誰を狙う?」
「オイラなら、田原さんを狙います。
本当は神阪先生を狙いたいところですけど、狩人が生きている可能性があった…。」
「わたし…ですか?」
天童真理夫は頷いた。
「以降、占われたら人狼に狙われる、という印象を与えて、占い対象になった場合に拒否する口実を作ります。」
「なるほど。田原さんはどうだろう?」
田原葉月は少し躊躇った後、ゆっくりと口を開いた。
「わたしが人狼なら、神阪先生を狙うしかありません。だってこの日、わたしは占われていたから。」
「もし、君が占い対象じゃなかったら?」
「わたしは草野さんを狙います。
あのとき、神阪先生が狙われてなければ、わたしは人間と確定していたのに…。」
田原葉月は深いため息をついた。
「なぜ、神阪先生だったんだと思う?」
「そりゃ、占い師だからだと思いますけど…。」
「しかし、前々日に磯谷くんが狩人に守られ、処刑裁判にかけられたのは、人狼と狂人。まだ狩人が生きている可能性が高かった。」
「確かに。妙ですね…。」
「何が妙なんですか?」
草野克則の言葉に天童真理夫が同調したが、田原葉月はよくわかっていないようだ。
「あまり深く考えてなかったが、あのタイミングで占い師が守られてなかったと言うことは、有姫さんは狩人だった可能性が高い。」
「そうですよね…。」
「狩人が他の人を守った可能性もあるんじゃ…。」
「いや、残りは君たち2人と共有者の俺、霊能力者の龍造寺さんに、昨日被害にあった大神くんだ。
君たち2人の中に狩人がいるなら、今日の時点でとっくにカミングアウトしてるはず。」
「人狼は狩人が有姫さんだと知っていた、とも考えられる。
田原さんは、有姫さんが狩人って知ってたんじゃないの?」
「知ってる訳ないじゃないですか!
そんなことを言う天童さんはどうなんですか?」
「オイラが知ってるわけないべ!」
「そうか…。」
兎に角、あのとき人狼は何らかの手段を用いて、磯谷有姫が狩人だということを知ったんじゃないだろうか?
それは意図的だったかもしれないし、偶然だったかもしれない。
「あの日の処刑投票は、龍造寺さんだった。」
「龍造寺さんには、完全に濡れ衣を着せてしまった…。龍造寺さんが山崎さんに疑いをかけて、その張本人が山崎さんの霊能力結果を人狼だったと言っても、信憑性に欠けると思ったから…。」
「そうですよね。わたしも。
山崎さんが人間で、龍造寺さんが人狼の場合が怖いと思ってしまいました。」
「俺もだ…。」
この日に関しては、議論の余地がないな。そう、草野克則が思ったときだった。
「あの…。」
田原葉月が何かを思い出したかのように口を開いた。
「昨日、龍造寺さんが処刑裁判のときに言ってましたよね?昨夜は人間とわかっている草野さんが狙われる可能性が高いって。」
「確かに。言ってたな。」
「何で人狼は、草野さんじゃなくて満くんを狙ったんでしょうか?」
森の中から、鳥のさえずりが聞こえてくる。
「草野さんを狙ったら、満くんとわたしの票が天童さんに集まる可能性が高い。だから、満くんかわたしのどちらかを狙わざるを得なかった。
そうですよね?天童さん?」
疑いの眼差しが、天童真理夫に注がれる。天童真理夫は渋い顔をした。
「ちょっと待ってくれ。
オイラが人狼だったら、確かに草野さんは狙えない。でも、大神くんよりは田原さんを狙ってたと思う。」
「そう言うしかないですよね。」
「いや、だって、田原さんは占い先投票で、自分自身や山崎さんに票を入れてる。どけど、大神くんは入れてない。」
「でも、満くんは、占い師カミングアウトの発案に対して、偽占い師カミングアウトの可能性を示唆しました。
それに、山崎さんが処刑された日、山崎さんは満くんを疑う発言をした。人狼が人狼を疑うなんてあり得ない。
だから、満くんが怪しいとは全く思えません。」
「ちょっと待った。論点がズレている。大神くんが怪しいかどうかはどっちでもいい。」
草野克則が話を元に戻す。
「つまり、俺ではなく大神くんが狙われた点から、天童くんが怪しいと、そう言うことだな?」
「はい。その通りです。」
田原葉月は強くはっきりと頷いた。
なるほど、と草野克則は思った。
「そうやって、オイラへの疑いを強める作戦だべ?」
「わたしが人狼だったら、草野さんを狙ってます。満くんはわたしのことを信じてくれてるから、確実に勝てます!」
「そんな事を言われても、オイラの中では田原さんしか人狼がいないんだよ。
大神くんに疑われるのが怖かったんじゃないの?」
「わたしが満くんを殺すわけないじゃない!
わたしも一緒です!わたしの中では人狼は天童さんしかいません。」
満くんを返してよ…と田原葉月が呟く。かなり弱り果てているようだった。
恐らく、ここで人狼を淘汰できなければ、また新たな人狼の被害者が各地で現れるだろう。
草野克則は迷っていたが、先程、自分の中である事が引っかかっていた。それに賭けよう。草野克則はどちらに投票するか決断した。




