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ウルフ  作者: やなぎの裕流莉
45/54

45. 6日目の犠牲者

「龍造寺さん、自分に投票しちゃったね…。人狼じゃないのかな…?」

「葉月。もうみんなの前で”わたしが人狼です”なんて嘘つくの止めろよ!」

この日は晴天で広場に広がっている芝が青々と光っている。大神満と田原葉月は投票会議の後、芝に腰を下ろし、話をしていた。


「…うん。ごめん。」

「あんなこと言うと、葉月が疑われる可能性だって出てくるんだぞ?」

「だって!ああ言っとかないと、満くんが処刑の対象になったかもしれないじゃない!?」

「そんな、僕のために自分を犠牲にするなよ!」

「わたしは満くんに生きて欲しいの!わたしなりに考えたんだよ?」

「だけど、葉月が危なくなるような真似はしないでくれよ!」


下を向いた田原葉月に大神満は小さな声で言った。

「ありがと。葉月。」

田原葉月は小さく頷いた。



大神満は床に就いていた。

今が何時かは全くわからない。

ただ、暴風雨の音が部屋の壁を叩きつける。


(今日も誰かが狙われるんだろうか…?葉月が無事ならいいけど…。)

そう思いながら、この日もなかなか寝付けないでいた。


どれくらい時間が経ったのだろう。

大神満は、部屋のドアを誰かがノックしていることに気付いた。

それは暴風雨の音に混ざり込んでいた。

(だ、誰だろう!?)

大神満はドアを開けるため、立ち上がろうとしたが、体が動かない。

どうやら、金縛りにあっているようだった。


ドアを叩く音は、恐怖心と比例して大きくなった。

ドン!と大きな音がし、ドアが破られる音がした。

そして、1つの黒い影が現れた。


うあああぁぁぁぁ!!!

今すぐ叫び出したいが、声も出せないこの状況。

影がゆっくりと近づいてくる。


影は大神満に馬乗りになった。

影の正体は、狼?のようだ。

3m程ありそうな大きな体に、ギラッとした目が光っていた。

影は大きな口を開けた。



―翌朝…

「大神くん!おい!しっかりしろ!!」

草野克則の声が大神満の部屋から響き渡っていた。

その声を聞きつけて、田原葉月が息を切らして駆けつけた。部屋に着くと、田原葉月は、その場で泣き崩れた。

その部屋には、大量の血を流し、グッタリと大神満が横たわっていた…。

大神満は、人狼によって命を絶たれた。

この状況に似つかわしくない青空が村中に広がっていた。



―さて、読者の皆さんは人狼が誰だかわかっただろうか?

恋人の田原葉月か。たまに的を得た発言をし、のらりくらりと処刑裁判を逃れてきた天童真理夫か。

なぜ、人狼は草野克則を含むこの3人で最終日を迎えることを決めたのか。


後にも先にもこの日が最後。

この処刑裁判で人狼を探し当てられたら人間サイドの勝利。そうでなければ、人狼サイドの勝利である。

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