42. 6日目の犠牲者
「葉月!」
大神満は田原葉月に声をかけた。
「何で占ってくれ、なんて言ったんだよ。」
「だって、占われたら人狼に狙われるんでしょ?周吾くんが言ってたし。」
「だから、尚更自分を占うなんて…。」
田原葉月は首を横に振った。
「言ったでしょ?わたしが満くんを守るって。」
そう言って田原葉月はニコッと笑った。
この村に来て1日目。田原葉月と話した会話を大神満は思い出した。
「だって、僕が守るって…。」
「大丈夫よ。わたしが人狼に狙われる可能性が上がっただけ。処刑される可能性は減るから。」
「そうだけど…。」
「明日、人狼がボロを出さなければ、満くんか天童さんのどっちかが処刑の対象になる可能性が高いよね…。」
「…そうか。」
「そう言う意味だと、わたしは満くんに守られたことになるね。」
心地よい風がふわっと通り抜ける。
「だって、わたしは明日から処刑の対象じゃなくなるから。」
「大丈夫か?葉月?」
田原葉月は少し震えていた。
「大丈夫。ありがとう。」
「きっと山崎さんは人狼だ。それで全てが終わる。だから、明日はきっと来るよ。」
「そうね。」
明日はきっと来る。大神満はそう自分自身にも言い聞かせた。
辺りは少しずつ暗くなり始めていた。
部屋に戻った大神満は、平和な朝が来るのを願った。
(恐らく、山崎さんは人狼だ。もう1人は誰だ?龍造寺さんか?天童さん?
待てよ。山崎さんを疑い出したのは龍造寺さんだよな…。
明日、龍造寺さんが「山崎さんは人狼だった」って言っても、信じ難いな…。
誰なんだよ!くそっ!!)
いろいろな可能性を模索しながら、大神満は眠りについた。
次の日の朝、大神満は目覚めた。
まだ狼村にいるということは、人狼はまだ生きてる、ということだ。
(葉月!!)
大神満は田原葉月の安否を心配し、田原葉月の部屋へ駆けつけた。
「おはよう。」
田原葉月は大神満が来ると同時に部屋から顔を出した。
人狼に狙われなかったことにホッとしたが、彼女も少し寝不足のようだ。
当然だ。この状況でぐっすりと寝れる訳がない。
「おい!しっかりしろ!!」
遠くから声が聞こえてくる。
大神満と田原葉月はお互い目を合わせて頷くと、恐る恐る声のする方向へと歩いた。
そこには、神阪甲太郎が首から大量の血を流して倒れていた。
そして、草野克則と龍造寺猛虎、天童真理夫が既に現場に居合わせていた。
「広場に9時に集まってくれ。」
草野克則は全員にそう言うと、龍造寺猛虎のカメラを借り、現場検証を始めた。




