41. 占い先投票(5日目)
「山崎…。」
草野克則はただただ残念そうに俯いた。
「草野さん…?大丈夫ですか?」
「あぁ。大丈夫だ。ありがとう。」
草野克則は割とあっさりと答えた。
強がっているのか、同僚が殉職した経験を何度か持っているのか。
いずれにせよ、草野克則はいつも通り落ち着いているように見えた。
「では、占い先を決めよう。」
「僕は龍造寺さんがいいと思います。」
「それは何でね?おいが霊能力者なのば信じてもらえれば、大神くんと田原さんと天童くんの中から選べばよかと思うばってん。」
「ワシも同意見やね。
仮に龍造寺くんが人狼だとすると、金田くんの占い結果は、磯谷くんと同じになると思うねん。でも実際は、ワシと同じ結果だった。
磯谷くんが処刑された後の占いで、妖狐が死んだわけやさかい、客観的にワシが正占い師になるやろ?
わざわざ正占い師を助けるようなことを人狼がしますかいな?」
龍造寺猛虎の意見を神阪甲太郎が援護する。
「神阪先生が正占い師というのは理解しました。だけど、龍造寺さんが神阪先生を味方につけようとしているように見えて、信じられないんです。」
「そうだべ。オイラもそう思うべ。」
「信じすぎたら危ないって言うか、龍造寺さんを人間だと確定しておきたいんです。」
「そぎゃん必要はなかと思うばってん。もっとシンプルに考えたらよかとじゃなかね?」
龍造寺猛虎を占うか、大神満、田原葉月、天童真理夫の中の誰かを占うか、議論が白熱してくる中、田原葉月が手を挙げた。
「あの…。わたしを占ってください。」
「え?葉月?」
「え?田原さん?」
「確かに、龍造寺さんが神阪先生に便乗しているように感じるのもわからなくはないけど、わたしは龍造寺さんが怪しいとは思えないから。
単純に龍造寺さんは霊能力者で占い師である神阪先生と同じ答えが出たとんじゃないかな。
満くんと天童さんとわたしの3人の中で誰かを占う必要があるなら…」
田原葉月は少し深呼吸をした後、はっきりと言った。
「わたしを占ってください。」
「なるほど。異論がある人?」
「ちょっと待ってください。だったら僕を占ってください!」
「満くん?」
「今までの傾向からすると、占われたら人狼に狙われる。…だから。」
「だから、自分を占え、か。龍造寺さんじゃなくていいのか?」
「葉月が占われて人狼に殺されるくらいなら、僕を占い対象にしてください。」
「龍造寺さんなら死んでもよかという風に聞こえるばってん、まぁそこは大目にみるかね。」
「田原さんがそうやって龍造寺さんから目を反らそうとしてる可能性があるべ?」
「そんなこと、ある訳ない!」
「ごめん、ごめん。」
天童真理夫が謝りながらも、持論を展開する。
「大神くん。人の意見に左右されているようなら、疑われるよ?
もし自分が人間だったとして、占われるのは人間サイドにとってプラスかどうかだべ。
この人数が減ってきた時に、占いたい人がいるのに対象を変えるのは間違ってるべ。」
「その通りやね。」
神阪甲太郎も頷いた。
「…でも。」
渋る大神満に申し訳なさそうな顔をしながらも、田原葉月は続けた。
「龍造寺さんは霊能力者だと思うので、わたしを占ってください。お願いします。」
「田原さんはあんまり発言しとらんけん、人間とも人狼ともよくわからん。占ってもよかとじゃなかね?」
「僕は龍造寺さんを占いたい。」
「水掛け論だな。今日の議論はここまでにしよう。皆、占い希望先を投票してくれ。」
全員が次々と投票していく。
票がかなり割れたが、この日は田原葉月を占うことに決定した。
【5日目】占い希望先投票結果:
田原葉月:3票
龍造寺猛虎:2票
天童真理夫:1票
神阪甲太郎 → 田原葉月
天童真理夫 → 龍造寺猛虎
大神満 → 龍造寺猛虎
田原葉月 → 田原葉月
草野克則 → 天童真理夫
龍造寺猛虎 → 田原葉月




