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ウルフ  作者: やなぎの裕流莉
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4. オオカミ委員会

「急に集まっていただき、すみません。」

西東京大学 獣医学部教授 兼 日本獣医学会役員の石原兼続は深々と頭を下げた。

西東京大学 研究棟3F ミーティングルームには錚々たるメンバーが揃った。

西東京大学 獣医学部 副学部長 松井真澄

東京都(ひがし きょうと)大学 獣医学部 学部長 神阪甲太郎

東京都(ひがし きょうと)大学 獣医学部 教授 兼 日本オオカミ研究所 名誉研究員 久慈進次郎

警視庁刑事局鑑識課 動物鑑定専門 佐々木元信

山梨動物病院 病院長 兼 動物精神科博士号取得者 万永琢朗

日本オオカミ研究所 所長 佐伯尚典


「今回皆様にお集まりいただいたのは、日本に生息している狼に関する情報を集めたいからです。」

「ほう。野生の狼は絶滅していて、今いるのは動物園か、特別に狼飼育申請をしているかしかないんじゃないですか?

 まさか、西東京大学の石原先生がそんなことをおっしゃるとは…。」

これ見よがしに嫌味を言ってくるのは、東京都大学 久慈進次郎教授。すぐに他大学教授の揚げ足を取ろうとする男性版のお局のような輩だ。

「私が説明しましょう。」

すっと立ち上がったのは、警視庁刑事局鑑識課の佐々木元信だ。

「じ、事件ですか?」

久慈進次郎のため息と同時に、周囲が一瞬騒ついた。

「静粛に。ご察しの通り。

 ここ数週間のうちに、狼に襲われた形跡がある3人の遺体が見つかっています。」

”遺体”というワードが飛び出した瞬間、全員が言葉を失った。

恐ろしい程静まり返った部屋の中に佐々木元信の声と地面を打ち付ける雨音だけが響いた。


そう言えば、今日は雨だったな、と石原兼続は思った。

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