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ウルフ  作者: やなぎの裕流莉
39/54

39. 人狼の容疑者

―9:00。

全員が広場に集まった。

「今朝、磯谷有姫さんと、犬飼さんが遺体で発見された。」

「犬飼はやはり妖狐だった可能性が高いですね。」

隣にいる山崎が確信したように言った。

「神阪先生、占いの結果を教えていただけますか?」

「犬飼さんは人間やったで。」

「妖狐も確か結果は人間になるって田中さんが言ってたべ。」

「犠牲者が2人出ているということは、犬飼さんは妖狐、神阪先生は占い師確定だな。」

「…シューゴは…シューゴは狂人じゃないっっ!」

「大神くん。現実を見てくれ。

 とにかく、磯谷くんは占い師ではなかったということで理解してくれ。」

「そうだべ。何か事情があってワザと嘘をついてたのかもしれないべ?」

「…。」

「未だに狂人を庇うってことは何か裏があるんじゃないか?大神くんも怪しく思えてくるな。」

山崎信一が細い目をしながら、大神満の方を眺めていた。

「兎に角、話を先に進める。龍造寺さん。磯谷くんの結果はどうでしたか?」

「磯谷くんは、神阪先生が言うたごつ、人間だったばい。」

「なるほど。ありがとうございます。一旦状況を整理しよう。」

草野克則が丁寧に状況をまとめていく。


草野克則:人間(共有者)

神阪甲太郎:人間(占い師)

龍造寺猛虎:人間(霊能力者) or 人狼※


他4人:(人間 1※〜2人/人狼 1※〜2人/狂人 0〜1人)

大神満:不明

田原葉月:不明

山崎信一:不明

天童真理夫:不明


死者

沖田鉄平:人間

田中次郎:人間

真目正義:人間

万永琢朗:人間

金田一:人間

石原兼続:人間(共有者)

磯谷周吾:人間(一般人 or 狂人)

磯谷有姫:人間

犬飼陽子:妖狐


※沖田鉄平が霊能力者の場合


「人間と確定していないのは山崎、大神くん、田原さん、天童くんの4人。この中から怪しいと思う人を処刑するしかない…。」

「そ、そんな…。」

「大神くんはずっと磯谷くんを庇っていて怪しくないか?」

山崎信一の一言に対し、龍造寺猛虎が反撃する。

「いや、俺は山崎さんが怪しかと思っとります。

 ところで、山崎さんは昨日なんで犬飼さんが妖狐と断言したとですか?」

「え?それは、昨日説明した通り、犬飼さんが、占い師カミングアウトの提案者だし、常に占われないように占い先を提案していた…」

「いや、そうじゃなくてですね、何で人狼じゃなくて妖狐だと断言したとですか?

 占い師が誰か知りたかとか、占われたくなかとは、人狼も一緒。だけん、犬飼さんには人狼の疑いもあった思うとですけど。」

「そう言えば…。」

「そして、山崎さんが言うとった通り、犬飼さんは妖狐だった…。山崎さん。あんた、犬飼さんが妖狐だって元々知っとったとじゃなかですか?」

「俺は昨日、石原先生の遺体現場を見たからだ。人狼のものと思われる青みがかった黒い毛が落ちていた。磯谷くんの部屋にはそんなものなかったんじゃないか?」

「あの…。ありました。青みがかった黒い毛。シューゴの部屋に落ちてました。」

「そ、そうなのか?」

山崎信一は驚いた表情を見せたが、話を続けた。

「それは知らなかったが、妖狐は占われたら、そこで終わりだ。人狼は占われても、その夜に占い師を襲えばいい。人狼より妖狐の方が占われることに対する都合が悪い。みんな、それは同意するはずだ。

 だから、妖狐が占い師候補の一人である磯谷くんを狙ったんじゃないか、と推測してたからな…。」

「結局、占い師を消したいのは人狼も同じ。妖狐と言い切るには早かとじゃなかですか?」

「もう一つは犬飼さんに鎌を掛けたのもある…。」

山崎信一は言葉に詰まった。表情は曇り、焦りが滲んでいた。

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