38. 5日目の犠牲者
その夜、大神満は考えをまとめた。
シューゴが正占い師の場合、
金田さんと龍造寺さんが人狼。
神阪先生が狂人。
犬飼さんが妖狐の場合でも、犬飼さんは占われて死ぬことはない。
明日生きていても、処刑裁判にかけた方がいいかもしれない。
神阪先生が正占い師の場合、
金田さんは人間。龍造寺さんは霊能力者。シューゴは、、、狂人?
人狼は…誰だ?
まだ1人も処刑できていないかもしれない。
犬飼さんが明日の朝、占いによって死んでいたら、犬飼さんは妖狐。
犬飼さんは人狼の可能性だってある。
何度も何度も状況を整理しているうちに、大神満は眠りについた。
翌朝。
「満くん!有姫ちゃんが!!」
田原葉月の声で大神満は目覚めた。
「早く来て!」
急かす田原葉月の背をぼんやりと追う。寝起きの大神満にはまだ現実が飲み込めていなかった。磯谷有姫の部屋にたどり着くまでは。
「有姫さん!しっかりしろ!おい!」
「有姫ちゃん!有姫ちゃんっっ!!」
草野克則と田原葉月の大きな声で、大神満はやっと我に返った。
そこには、首から大量の血を流した磯谷有姫が横たわっていた。
「え…?ゆ、ゆきちゃん?何で?」
磯谷周吾に続き、磯谷有姫もいなくなってしまったことで、大神満の精神状態はぼろぼろだった。
小さい頃、磯谷周吾や有姫と一緒に遊んだ頃の思い出。
本気で喧嘩したときの思い出。
磯谷有姫の誕生日会をしたときの思い出。
田原葉月を磯谷周吾や磯谷有姫に紹介したときの思い出。
いろんな思い出が走馬灯のように頭の中を駆け巡る。
隣にいる田原葉月も泣いていた。
(何で、こんなことに…。)
「草野さん!犬飼も息がありません。」
山崎信一が大慌てで草野克則に報告しに来た。
「え?犬飼さんが?そんな馬鹿な…。シューゴが狂人な訳ない!」
「しっかりしろ!大神くん!今日こそ、人狼を捕まえるときだ!
しっかり現実を受け止めて、前に進むんだ!!」
大神満は何が何だか訳が分からなくなり、がくりとうなだれた。
「広場にみんなを集めてくれ。9時から会議をしよう。」
そう言い残し、草野克則は山崎信一と共に犬飼陽子の部屋に向かって行った。




