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ウルフ  作者: やなぎの裕流莉
38/54

38. 5日目の犠牲者

その夜、大神満は考えをまとめた。

シューゴが正占い師の場合、

金田さんと龍造寺さんが人狼。

神阪先生が狂人。

犬飼さんが妖狐の場合でも、犬飼さんは占われて死ぬことはない。

明日生きていても、処刑裁判にかけた方がいいかもしれない。


神阪先生が正占い師の場合、

金田さんは人間。龍造寺さんは霊能力者。シューゴは、、、狂人?

人狼は…誰だ?

まだ1人も処刑できていないかもしれない。

犬飼さんが明日の朝、占いによって死んでいたら、犬飼さんは妖狐。

犬飼さんは人狼の可能性だってある。


何度も何度も状況を整理しているうちに、大神満は眠りについた。



翌朝。

「満くん!有姫ちゃんが!!」

田原葉月の声で大神満は目覚めた。

「早く来て!」

急かす田原葉月の背をぼんやりと追う。寝起きの大神満にはまだ現実が飲み込めていなかった。磯谷有姫の部屋にたどり着くまでは。


「有姫さん!しっかりしろ!おい!」

「有姫ちゃん!有姫ちゃんっっ!!」

草野克則と田原葉月の大きな声で、大神満はやっと我に返った。

そこには、首から大量の血を流した磯谷有姫が横たわっていた。


「え…?ゆ、ゆきちゃん?何で?」


磯谷周吾に続き、磯谷有姫もいなくなってしまったことで、大神満の精神状態はぼろぼろだった。

小さい頃、磯谷周吾や有姫と一緒に遊んだ頃の思い出。

本気で喧嘩したときの思い出。

磯谷有姫の誕生日会をしたときの思い出。

田原葉月を磯谷周吾や磯谷有姫に紹介したときの思い出。


いろんな思い出が走馬灯のように頭の中を駆け巡る。

隣にいる田原葉月も泣いていた。

(何で、こんなことに…。)


「草野さん!犬飼も息がありません。」

山崎信一が大慌てで草野克則に報告しに来た。

「え?犬飼さんが?そんな馬鹿な…。シューゴが狂人な訳ない!」

「しっかりしろ!大神くん!今日こそ、人狼を捕まえるときだ!

 しっかり現実を受け止めて、前に進むんだ!!」

大神満は何が何だか訳が分からなくなり、がくりとうなだれた。

「広場にみんなを集めてくれ。9時から会議をしよう。」

そう言い残し、草野克則は山崎信一と共に犬飼陽子の部屋に向かって行った。

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