35. 必死の反論
「考えてみてくれ。」
尚も草野克則は続ける。
「人狼が狙う優先順位は、恐らく
1.狩人の可能性がある人間
2.占い師と確定した人間
3.霊能力者と確定した人間
4.人間と確定した人間
5.人間と確定していない人間
と、こんな感じになるはず。
人によって多少前後するとしても、そんなに開きはないだろう。
石原先生は昨日時点で人間とは確定していなかった。
確定した占い師や人間が生きているのに確定していない人間が狙われるのはおかしいと思わないか?」
「あ。確かにそうっすね。言われてみればおかしいべ。」
「人狼がなぜ石原先生を狙ったか。それは霊能力者の可能性が高いと見込んだからだ。
なぜ霊能力者を狙ったかというと…」
「磯谷くんの昨日の占い結果が嘘だと公表させないため…やな。」
もう一人の占い師候補、神阪甲太郎が先回りする。
「え?ちょっと待ってください。
皆さんが言ってることが飲み込めなくなってきました。」
大神満は困惑の色を浮かべた。
つまり、と草野克則は続ける。
「昨日の磯谷くんの占い結果は嘘である可能性が極めて高い。その嘘によって金田くんが殺された。
従って、磯谷くんは人狼側の人間で、狂人だと思われる。」
「え?」
(シ、シューゴが狂人?まさか。。。)
「お兄ちゃんが狂人な訳ないでしょ!」
「待ってください!周吾くんは昨夜人狼に狙われてるんですよ?狩人に守られたから生きてますけど。」
「そうだよ!もしお兄ちゃんが狂人だったら、人狼がお兄ちゃんを襲うはずがないでしょ!」
「磯谷くんを襲ったのが妖狐だからだ。」
山崎信一が反論を一刀両断する。
「妖狐?」
「確か3日に1回人間か人狼を襲うって、田中さんが言ってたな…。」
「妖狐の立場としては一番に占い師を狙いに行く。おそらく有姫さんを人狼とは言えない、という反応を見て、磯谷くんが本物だと感じ、狙おうと決めたんだろう。」
「そんな…。」
「石原先生と磯谷くんの2人が狙われとる訳だけん。1人は人狼に、もう1人は妖狐に狙われとるのは確かばい。」
「待ってください。龍造寺さんが人狼で、本物の占い師であるシューゴを処刑しようとしてる可能性は?」
「そうです!沖田サンが霊能力者だった場合、龍造寺サンはボクに罪をなすりつけようとしてることになりますよ!?」
「それに、万永先生が言ってましたけど、2人占い師が出た場合、偽占い師は占い結果を人狼と言えないって…。」
「磯谷くんなら、それを逆手に取ることも考えとったとじゃなかね?」
「もしボクが狂人で、占い結果を人狼と言うならば、金田サンを人狼とは言わないですよ。もうちょっと人狼にとって恐怖感がある人を人狼に仕立て上げます。」
「そうよ。そもそも、お兄ちゃんが狂人だったら、神阪先生の占い結果を人狼って言うはずでしょ!」
「それはワシかて同じやで。もしワシが狂人なら、磯谷くんの占い結果を人狼と言うとるはずや。」
「静粛に。みんな一旦落ち着いてくれ。」
ヒートアップする議論を草野克則が落ち着かせる。
時刻は11時30分を回った。
刻一刻と投票の時間に近づいていた。




