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ウルフ  作者: やなぎの裕流莉
33/54

33. 4日目の犠牲者

磯谷有姫の部屋に向かう途中、大神満は1つの疑問を磯谷周吾にぶつけた。

「シューゴ、多分昨日の夜、人狼に狙われたのはシューゴだよ。

 部屋のドアが壊れてたし。多分、狩人に守られたんじゃないかな?」

「うん。ボクもそうだと思う。」

「だから、ゆきちゃんは大丈夫じゃないかな?」

「うん。だけど・・・妖狐がもし生きてたら、狙われるのは2人。ボクを襲ったのが妖狐だった場合、ユキが狙われてる可能性が高い。」

「あ・・・。妖狐か・・・。」

「妖狐が狙う可能性が高いのは、おそらく占い師。

 つまりボクか神阪センセーが狙われる可能性が高い。一方で人狼が狙うとしたら・・・。」

「・・・。占い対象のゆきちゃんの可能性も十分にある・・・ってことか。。」


大きな不安が大神満と磯谷周吾を襲い、2人は全力で走った。

「ユキ!ユキ!」「ゆきちゃん!」

磯谷有姫の部屋に到着した2人はドアを何度も叩きながら名前を呼んだが、部屋から出てくる様子はない。

磯谷周吾の部屋と違い、部屋のドアは壊れた形跡はなかったが、それでも嫌な予感は消えなかった。


「周吾くん!満くん!有姫ちゃんは?」

同じく不安に感じたのか、田原葉月も磯谷有姫の部屋に駆けつけてきた。

「何度も呼んでるんだけど、返事がないんだ。」

「ユキ!ユキ!!」

ドンドンドンドン!何度もドアをノックをする。


「お兄ちゃん?何?

 え?ミツルくん?ハヅキちゃんも?どうしたの?」

何が起こっているのか理解できていなかったのか、慌てた様子で出てきた。

3人は胸を撫で下ろし、その場にへたりこんだ。

「ユキ・・・。無事でよかった・・・。」

「ごめん。昨日不安すぎて寝れなくて・・・。気付いたらちょっと前に眠っちゃってたみたい。」

「石原先生が言ってた通りになったな。ユキが狙われなくてよかった・・・。」



「うわぁぁぁ!!」

ホッとしていた矢先、何処かで叫び声が聞こえた。


声のする方に近づくと、山崎信一と龍造寺猛虎が大きな声を出していた。

大神満たちと同じタイミングで草野克則も駆けつけてきた。

そこには、石原兼続の無残な亡骸が横たわっていた。

時刻は7時を回ったところだった。


「石原さん!しっかりしてくれ!!」

「おい!聞こえるか!?」


石原兼続は首元にくっきりと歯型が残っており、大量に流れた血は既に固まった状態だった。

息を確認する山崎も悔しそうに、首を横に振った。


(人狼は一晩に一人しか人間を襲わないはず。

シューゴは、狩人に守られていたみたいだけど、石原先生がやられている…。

妖狐か…。人狼と妖狐がシューゴと石原先生を狙ったということか…。)

まだ妖狐は生きている、と大神満は思いながら、ぐっと唇を噛みしめた。

草野克則や山崎信一が現場検証を始めるのを、ただボーッと眺めることしかできなかった。

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