33. 4日目の犠牲者
磯谷有姫の部屋に向かう途中、大神満は1つの疑問を磯谷周吾にぶつけた。
「シューゴ、多分昨日の夜、人狼に狙われたのはシューゴだよ。
部屋のドアが壊れてたし。多分、狩人に守られたんじゃないかな?」
「うん。ボクもそうだと思う。」
「だから、ゆきちゃんは大丈夫じゃないかな?」
「うん。だけど・・・妖狐がもし生きてたら、狙われるのは2人。ボクを襲ったのが妖狐だった場合、ユキが狙われてる可能性が高い。」
「あ・・・。妖狐か・・・。」
「妖狐が狙う可能性が高いのは、おそらく占い師。
つまりボクか神阪センセーが狙われる可能性が高い。一方で人狼が狙うとしたら・・・。」
「・・・。占い対象のゆきちゃんの可能性も十分にある・・・ってことか。。」
大きな不安が大神満と磯谷周吾を襲い、2人は全力で走った。
「ユキ!ユキ!」「ゆきちゃん!」
磯谷有姫の部屋に到着した2人はドアを何度も叩きながら名前を呼んだが、部屋から出てくる様子はない。
磯谷周吾の部屋と違い、部屋のドアは壊れた形跡はなかったが、それでも嫌な予感は消えなかった。
「周吾くん!満くん!有姫ちゃんは?」
同じく不安に感じたのか、田原葉月も磯谷有姫の部屋に駆けつけてきた。
「何度も呼んでるんだけど、返事がないんだ。」
「ユキ!ユキ!!」
ドンドンドンドン!何度もドアをノックをする。
「お兄ちゃん?何?
え?ミツルくん?ハヅキちゃんも?どうしたの?」
何が起こっているのか理解できていなかったのか、慌てた様子で出てきた。
3人は胸を撫で下ろし、その場にへたりこんだ。
「ユキ・・・。無事でよかった・・・。」
「ごめん。昨日不安すぎて寝れなくて・・・。気付いたらちょっと前に眠っちゃってたみたい。」
「石原先生が言ってた通りになったな。ユキが狙われなくてよかった・・・。」
「うわぁぁぁ!!」
ホッとしていた矢先、何処かで叫び声が聞こえた。
声のする方に近づくと、山崎信一と龍造寺猛虎が大きな声を出していた。
大神満たちと同じタイミングで草野克則も駆けつけてきた。
そこには、石原兼続の無残な亡骸が横たわっていた。
時刻は7時を回ったところだった。
「石原さん!しっかりしてくれ!!」
「おい!聞こえるか!?」
石原兼続は首元にくっきりと歯型が残っており、大量に流れた血は既に固まった状態だった。
息を確認する山崎も悔しそうに、首を横に振った。
(人狼は一晩に一人しか人間を襲わないはず。
シューゴは、狩人に守られていたみたいだけど、石原先生がやられている…。
妖狐か…。人狼と妖狐がシューゴと石原先生を狙ったということか…。)
まだ妖狐は生きている、と大神満は思いながら、ぐっと唇を噛みしめた。
草野克則や山崎信一が現場検証を始めるのを、ただボーッと眺めることしかできなかった。




