表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ウルフ  作者: やなぎの裕流莉
32/54

32. 不安な夜と4日目の朝

帰り際、磯谷有姫がずっと俯いていることに、磯谷周吾が気づいた。

「ユキ。大丈夫か?ごめんな、結局占い先を変えれなくて…。」

「お兄ちゃん…。アタシ、怖いよ…。」

磯谷有姫は顔色が悪く、薄っすらと涙目になっていた。

「ユキ…。」「有姫ちゃん…。」

「大丈夫。石原先生の言葉を信じよう。明日、絶対に人狼と妖狐を探し出す。」

「そうだね…。みんな、頼むよ。」

磯谷有姫は涙を拭いながら深く頷いた後、にっこりと笑った。

それは、不安を隠すような作り笑顔だった。

磯谷周吾は磯谷有姫の肩に手を置き、大丈夫、ともう一度力強く言った。

大神満も田原葉月も、顔を見合わせて頷いた。


気づけば、辺りは薄暗くなっていた。

磯谷有姫は不安を紛らわすかのように、小石を蹴った。

小石は何処か遠くまで転がり、草むらの中に消えてしまった。

何か重要なものが隠れてしまったかのように。


この日も、大神満はなかなか眠りに就けなかった。

(石原先生が言ってた霊能力者って誰だろう?本人と石原先生しかわからないって…。誰だ?

僕はわからなかった。他の人もわからなかった。だけど、石原先生は霊能力者がいることを確信している…。

もしかして、石原先生本人か?


人狼は誰を狙うんだろう?ん?妖狐は3日に1回人か人狼を喰べるんじゃなかったっけ?

占い師を狙うはず…。シュ、シューゴが危ない!

だから、石原先生は今日はゆきちゃんは狙われないって…。

あんまりだ…。


シューゴ生きててくれ!)


その日、大神満は夢を見た。

(小さい頃、シューゴと遊んでいる夢。小さい頃よく行った公園で走り回っていたら、シューゴだけが大きくなって。僕は小さいままで。

シューゴに追いつけなくなって…シューゴの姿が消えてしまった…)

ところで、大神満は目覚めた。


「シューゴ!!」

大神満はすぐに磯谷周吾の部屋へ全速力で駆けつけた。

風は止み、朝日が少しずつ登り始めていた。


磯谷周吾の部屋に着くと、部屋のドアが壊れていた。

すごく嫌な予感がし、部屋の中に入った。磯谷周吾はベットの上ではなく、床の上にうつ伏せに倒れていた。

「シューゴ!!シューゴっっ!!」

大神満は磯谷周吾の肩を揺すった。

何回呼びかけたことだろう…。

磯谷周吾は目を覚ました。

「ん?ミツル?」

磯谷周吾は無傷だったが、ドアも壊れ、窓ガラスは割れ、辺りに青みがかった毛が散乱していた。

「何かあった?」

普段と変わらずマイペースな友の姿に大神満は胸を撫で下ろしたと同時に、震えが止まらなかった。


「ユキは?」

「まだ見に行ってない。」

「行こう。」

大神満は深く頷き、磯谷周吾と共に、磯谷有姫の部屋に向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ