31. 占い先の変更
大神満は磯谷周吾や磯谷有姫、田原葉月と話し合った。
「ユキ。ごめん。何とかユキが占われないようにしたかったんだけど…。」
「いいよ。人間に処刑されるよりは、人狼に殺される方がマシよ。」
「お前はほんと強がりだな。」
「まだ間に合うよ。他に人狼か妖狐っぽい人を見つけるんだ。」
「そうね。」
「僕はやっぱり、占い師カミングアウト論を唱えていた人は怪しいと思うんだ。」
「じゃあ、アタシも怪しいよね。」
「いや、ゆきちゃんは人間だよ。僕は疑ってない。」
「うん。ありがとう。」
磯谷有姫は笑った。
「ミツル的には山崎サンか犬飼サンが怪しいと思ってる?」
「うん。マークはしてるんだけど…。山崎さんが今日の議論をゆきちゃんを占うってことで締めたがってたように感じた…くらいかな。」
「あぁ。確かに。草野サンが一応全員の希望を聞きたいって言う前に山崎サンは議論を終わらせようとしてたね。」
「うん。あれは、自分が占われないように終わらせようとした…とかね。」
「ん〜。ただ議論のまとめに慣れてないだけかもしれないしな…。」
「そうだね…。」
「犬飼さんは?何か怪しいところなかった?」
「今、思い出したけど、犬飼さんは占い師カミングアウトの発案者よね。」
「あ。」
田原葉月の言葉に全員が顔を見合わせた。
4人は急いで、草野克則の下へ向かった。草野克則は金田一の現場検証を終え、何やら石原兼続と話し込んでいた。
「それで…。はい…。」
大神満たちが近づいていくと、石原兼続が声をかけた。
「大神くんたち。みんな揃ってどうしたんだい?」
「あの。やっぱり占い先を変えてもらいたくて…。ゆきちゃんより怪しい人を見つけたんです。」
「占われないように必死ですね。」
「そんなことないわよ!」
「違います。本当にユキより怪しいんです。」
はっはっは、と石原兼続は笑った。
隣にいる草野克則は困惑している。
「冗談です。私も有姫さんが人狼か妖狐だなんて、思ってないですよ。」
ただ、と石原兼続は続けた。
「あまり、そういう行動を取ると、有姫さんや、有姫さんを庇う大神くんと田原さんまで怪しく見えると思いますよ。周吾くんはもう占われているから別ですが…。
そう思う人も少なからず出てくる。」
「じゃあ、どうすれば…。」
「占うしかないですよ。金田くんは人狼だったんでしょ?
明日必ず人狼と妖狐を探し出すことです。」
「でも、今日狙われるかもしれない…。」
「可能性はありますが…。今日は恐らく大丈夫でしょう。」
「え?」
「人狼はもっと狙いたい人がいると思います。」
「ちなみに、怪しい人って誰だい?」
草野克則が少しだけ難しい顔を見せた後、口を開いた。
口を挟むのを我慢していたのだろう、貧乏揺すりをしている。
「犬飼さんです。」
「ほぅ、それはまたどうして?」
「占い師カミングアウトの言い出しっぺだからです。」
草野克則も石原兼続も少し考え込んだ後に、思い出したようだ。
「そう言えば確かに。有姫さんよりは怪しいな…。」
「今後もマークすることです。何かボロを出すかもしれない。」
「今日の占い先を変える提案はできないですか?」
「やらない方がいいでしょう。本当に君たちが処刑の対象にされかねない。」
「明日、占い先として提案するしかないな。」
「…はい。」
因みにですが、と石原兼続は付け加える。
「私は人狼は2人いるので、占い師カミングアウト案に1人、共有者カミングアウト案に1人と分けて挙手した可能性も視野に入れておいた方がいいと思います。」
「確かに。その方が最悪1人は疑いを反らすことができる…。」
「はい。それに加え、狂人と妖狐も占い師カミングアウトに賛成する可能性が高いため、占い師カミングアウトに2票多く入ることが予想されます。
人狼が2匹とも占い師カミングアウトに賛成する方がリスクが大きい。」
「確かに…。その通りですね…。」
「石原先生、すごいですね!」
「いえいえ。とんでもない。私【石原】の考えていることはもしかしたら的外れかもしれませんし、一意見として参考にしてもらえれば嬉しいです。」
「金田さんが人狼だから、残る人狼1人は共有者カミングアウト案賛成者の可能性が高いですね。」
「私【石原】はそう思っていますが、この村の中では同意するのにも勇気が要ります。
簡単に感化されないよう、ご注意を。」
「…はい。」
大神満はごくりと唾を飲んで頷いた。




