30. 占い先投票(3日目) 2
30分後、全員が広場に集まった。
「磯谷くん。さっきはすまなかった。ただ、君が俺【草野】たちの運命を握っていることだけは、わかって欲しい。」
「…はい。ボクも甘かったです。
こんなに覚悟がいる能力だなんて、考えてもいなかった…。」
磯谷周吾は頷いた。
「俺【草野】がこのまま議長をやると、威圧的になってしまうので、今回は山崎に代わりをお願いしたい。」
「わかりました。」
山崎信一はしっかりと頷いた。
「ちょっと待ってください!何で山崎さんなんですか?」
犬飼陽子の質問に草野克則は少し困った顔をしたが、続けた。
「個人的なことですまないが、山崎は今まで俺【草野】が一番よく見てきて、信頼できる男だからだ。
人間と確定している人間が、俺【草野】か占い師候補の2人しかいないから、この場だけは山崎に預けたい。頼む。」
そう言って皆に頭を下げた。
「もう一人の共有者じゃいかんとね?」
龍造寺猛虎の質問に草野克則が答えた。
「それも考えたんだが、今はまだ、もう一人がカミングアウトするときではないと判断した。」
「いいんじゃない?山崎さんで。」
犬飼陽子が言った。
「磯谷くんも、草野さんがまとめるよりはやりやすいに?」
的を得た犬飼陽子の言葉に、皆、何も言葉を発することができなかった。
その無言を賛成と捉え、山崎信一が後を引き継いだ。
「では、先程の議論の続きから。
占い先を誰にするか、という議論だが、何か案がある人は?
さっき出た話では、大神くんか磯谷有姫さんのどちらかが候補だが。」
「おいは石原先生の考えに賛成ばい。妹さんば占うとがよかと思います。」
「そうですか…。」
「アタシ、全然占ってもらってもいいですよ。」
「いや、待て、ユキ。」
「何?」
磯谷周吾は次の言葉を言えず、唇を噛んだ。
「占われると人狼に狙われる可能性が増える、と言いたいんですね…?」
石原兼続が先回りをして来る。
磯谷周吾は、無言でキッと石原兼続を睨んだ。
「人間と確定してしまった人を狙う方が情報量を抑えられますからね。
人狼サイドにとっては占った人を狙うのは定石でしょう。」
(石原先生ってかなりキレ者だな。敵に回すとかなり厄介だ。。。
なぜこんな人物が今まで黙っていたのだろう?)
「他に意見は?」
「ちょっと待ってください。ゆきちゃんと僕以外にも選択肢はあるはずです。」
「誰を占うんだ?」
「…僕は、山崎さんか犬飼さんがいいと思います。」
「お、俺【山崎】!?」
「あたし?」
驚く山崎信一と犬飼陽子をよそに、大神満は続けた。
「はい。2人とも占い師カミングアウトに賛同していたからです。」
「それだけでは、磯谷有姫さんと理由が変わらないのでは?」
「…。」
石原兼続の的を得た指摘に、大神満は返す言葉が出てこない。
「個人的な感情だけで、他人を庇わない方が身のためです。大神くん自身が疑われることになりますよ?」
「他人じゃないですよ!ゆきちゃんは。」
「そうです!他人じゃない!」
磯谷周吾も加わって説得を試みる。
「気持ちはわかりますが、人間と判断されれば、処刑裁判の対象から外れることができる。占われる利点もあります。」
「お兄ちゃん。ミツルくん。大丈夫だよ。アタシを占ってください。」
最後は磯谷有姫本人が、2人を説得する形で、その場が収まった。
「では、占い先は磯谷有姫さんで…。」
「山崎、待ってくれ。念のため、各々から占い先の希望を聞いておきたい。
後で何かのヒントになるかもしれない。」
草野克則の提案に従い、各々が占い先の希望を述べ、この日は解散になった。
【3日目】占い希望先投票結果:
磯谷有姫:8票
犬飼陽子:2票
山崎信一:1票
山崎信一 → 磯谷有姫
神阪甲太郎 → 磯谷有姫
石原兼続 → 磯谷有姫
天童真理夫 → 磯谷有姫
犬飼陽子 → 磯谷有姫
大神満 → 犬飼陽子
田原葉月 → 山崎信一
磯谷周吾 → 犬飼陽子
磯谷有姫 → 磯谷有姫
草野克則 → 磯谷有姫
龍造寺猛虎 → 磯谷有姫




