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ウルフ  作者: やなぎの裕流莉
24/54

24. 処刑投票 + 占い先投票(2日目)

「おい!磯谷周吾!神阪さん!あんたらどっちが偽物なんだよ!」

「…。」

(シューゴが本物に決まってるだろ!)

大神満にとっては、今までの付き合い上、磯谷周吾ほど正義感に溢れて、頼りになる人間はいなかった。

大神満が叫び出したい思いをグッと堪えたときだった。金田一がとんでもないことを言い始めた。

「今日はもう、2人のどっちかを処刑するしかねーだろ!」

「いや、それはいかんばい。嘘でん何でん、情報ば出してもらわんと、リスクば冒してまで名乗り出てもらった意味がなかけん。」

磯谷有姫はキッと金田一を睨んで反撃する。

「金田さんが怪しくないですか?昨日から、皆の話し合いを混乱させるような発言が多いと思うんですけど?」

「はぁ?冗談も休み休み言え!馬鹿野郎!」

「ミツルくんが言ったみたいに、人の話に乗っかってばっかだし。

そもそも金田さんは占い師カミングアウトに賛成してましたよね?アタシ覚えてますよ。

占い師候補が2人になっても名乗り出るべきだっていう意見だったはず。

だけど今は、どっちかを処刑しようとしている…。」

「確かに。その通りだな…。」

磯谷有姫の言葉に皆が納得しかける。

「おい!どうなんだ!?金田?」

山崎信一も金田一を問い詰める。沖田鉄平が殺されたことを引きずっているようでもあった。

「ま、ま、待ってくれ!

お、おれは、大神満が怪しいと思ったからだ。」

「はぁ?」

「…金田さん?」

大神満が疑問の声を上げ、田原葉月も顔を上げた。

「そうやって、また混乱させようとしてる!アンタ何なの?マジ信じられない!」

磯谷有姫が金田一への疑いを露わにする中、万永琢朗が質問する。

「何処大神君が怪しいんだ?言ってみてくれ。それが、何かのヒントになるかもしれない…。」

「万永先生!何言ってるんですか?

そんなの聞く必要はないです!

どうせまた混乱を招くような弁明をするだけです。」

「有姫君、果たしてそうだろうか?金田君の弁明により大神君が処刑されるのを恐れてないか?」

さっきまで威勢がよかった磯谷有姫は、反論できないでいる。恐らく図星だったのだろう。


「そもそも、私は金田君を人狼だとは思っていない。なぜならば、彼は、周囲をかき乱しすぎてるから。こんなに目立つ程議論をかき乱す人は、人狼じゃないだろう。人狼なら、ここまで目立つ様なことはしない。」


万永琢朗は金田一に理由を話すよう促した。

少し間を空けた後、金度一は話し出した。

「大神満…。お前はなぜ占い師が2人もカミングアウトしていると思う?」

「それは、僕にはわからないです。

2人のどちらかが、意図して偽の占い師を名乗っているとしか…。

人間のためかもしれないし、人狼のためかもしれない。」

「俺【金田】は、お前がそうなってもおかしくないよう誘導したんだと思っている。違うか?」

「え?」

「もし占い師が2人名乗り出たら、と言い出したのは大神満、お前だ。

お前はそういう発言をすることにより、占い師が2人名乗り出る状況が不自然にならないよう誘導したんだ。」

「そんなことはない!だって自身がカミングアウトしてないじゃないですか!」

「それは、お前ともう一人の人狼とがグルになればいいことだ。」

「でも、ワシも磯谷くんも占いの結果は人間やで?」

「狂人だったら?大神満は狂人に対して、占い師カミングアウトするようにサインを送ったんだ。」

「そんな…。」

言葉に詰まる大神満を田原葉月がフォローする。

「満くんは、単純に占い師カミングアウトのリスクを指摘しただけですよ。

そもそも満くんは、共有者カミングアウト案に手を挙げたんですから。」

「葉月ちゃん…。」

田原葉月の反論に金田一は多少面食らったが、尚、推理の続きを語った。

「実は、それでも占い師カミングアウト論が多数を占めることを大神満は計算してたんだ。」

「占い師案も共有者案も僅差だった。計算できっこないですよ!話が強引過ぎます!」

「そうだべ。金田くん。いくら何でも強引じゃね?

金田くんは大神くんに恨みを持ってるようにすら思える。キミら、ここに来る前から何かあったべ?」

「僕はこの狼村にやってきて初めてお会いしましたけど…。」

「俺【金田】もだよ!何もねーよ!」

「ほら!やっぱり、アタシは金田さんが話をかき乱してる感じするんですけど?」

「確かに。金田君は賛成していたはずの占い師カミングアウトに異を唱えている。

しかし、人間誰しもがそういう部分を持っているんじゃないだろうか?」

「万永先生は何故そこまで金田くんを擁護するんですか?」

「それはだね、石原教授。先程も述べたが、金田君の発言が議論をかき乱し過ぎていて、人狼だとは、とても思えないからだよ。

他の人狼っぽい人を探すべきだ。」

「万永先生は金田くんば執拗に擁護しとるように感じるとばってん、そぎゃん思わんですか?」

「確かに。昨日の占い師カミングアウト論も、元々金田サンが言い出したことを万永センセーが擁護した。」

「金田と万永先生は何かで繋がってんじゃないのか?どうなんですか?」

山崎信一が圧力をかける。

「そんなつもりは毛頭ない!」

「失礼ですが、万永先生、金田くん。ここに来る前に会ったことは?」

山崎信一を落ち着かせるように、草野克則が間に入った。

「いや、ない…。ただ、別の病院で一緒に働いていた同期の獣医師と金田君が似ていてね…。

その獣医師は滅茶苦茶なことを言って周囲を混乱させていたが、結局は彼が言うことが正しかった。

昔はわからなかったが、今はわかる。それで…。」

「それでも、万永先生も金田くんも人狼で、2人が繋がってる可能性は否定できないべ?」

「あぁ。俺【山崎】もそう思う。」

山崎信一も同調する。

「あたしは万永先生に票を入れます。」

「な、何を言っとるんだ、犬飼君!」

「万永先生と金田さんとを比べたときに、万永先生の方が発言力があるし、周囲をかき乱していると感じたので。

それと、今日は金田さんを占ってもらいたいです。」

犬飼陽子の一言を皮切りに皆、投票先を決めていく。

「ボクも万永センセーに入れます。ただ、占い先はあまり話さない人の方がいいと思います。石原センセーとか。」

「私【石原】は構いませんよ。むしろ人間と確定してもらう方が有難い。」

「それならば、俺【草野】は天堂くんを占いたいが…。」

「オイラも占ってもらって全く問題ないべ。」

「いや、やっぱり金田くんば占った方がよかと思いますばってん。」

「お、俺【金田】を占ってもらえれば、俺【金田】が人狼じゃないことがわかる!」


「やめろ!私【万永】は人狼じゃない!やめてくれ!」

反対する万永琢朗をよそに、皆、処刑対象者と占い先を挙げた。

万永琢朗が処刑され、金田一が占われることが決定した。


【2日目】各自の処刑投票結果:

万永琢朗:7票

金田一:4票

大神満:1票

犬飼陽子:1票


山崎信一 → 万永琢朗

神阪甲太郎 → 金田一

石原兼続 → 金田一

万永琢朗 → 犬飼陽子

天童真理夫 → 万永琢朗

犬飼陽子 → 万永琢朗

大神満 → 万永琢朗

田原葉月 → 万永琢朗

磯谷周吾 → 万永琢朗

磯谷有姫 → 金田一

草野克則 → 金田一

金田一 → 大神満

龍造寺猛虎 → 万永琢朗


【2日目】占い希望先投票結果:

金田一:5票

石原兼続:3票

天堂真理夫:3票

犬飼陽子:1票

田原葉月:1票


山崎信一 → 田原葉月

神阪甲太郎 → 天堂真理夫

石原兼続 → 石原兼続

万永琢朗 → 犬飼陽子

天童真理夫 → 天堂真理夫

犬飼陽子 → 金田一

大神満 → 金田一

田原葉月 → 石原兼続

磯谷周吾 → 石原兼続

磯谷有姫 → 金田一

草野克則 → 天堂真理夫

金田一 → 金田一

龍造寺猛虎 → 金田一

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