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ウルフ  作者: やなぎの裕流莉
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2. 奇妙な事件

警察署の中で「霊媒師に事件解決の助言を求めた」と聞かれては立つ瀬がない。

周囲を警戒しながら、草野克則は電話を切った。もちろん痕がつかないよう、プライベートの携帯電話を使用した。


それにしても奇妙な事件に当たってしまっものだ…。

この数日間で狼に喰われた遺体が3体も発見された。動物に襲われて亡くなる人はほんの稀にいる。それが頻繁に起こっているだけでも気味が悪いのに、加えて遺体から推定される歯形や周りに散らばっている毛のDNA鑑定がどれも同じなのだ。

鑑識からは8割の確率で狼の仕業だという連絡が入っている。


しかも、1人目は埼玉、2人目は千葉、そして3人目は大阪…。

離れた場所にいる狼が何の意思疎通もなく同じ時期に次々と人を襲っている?

狼を飼っている人間の仕業か?

いやしかし、それではすぐに足が着いてしまうのは、わかりきったことだ…。

今のところ、殺された3人に接点はない。正直なところ、現場で狼の目撃情報を集めるので精一杯だ。


そんな中、知り合いの霊媒師 中林重蔵が昔、人食い狼のことを話していたことをふと思い出したのだった。

中林に連絡がつかないが、霊媒師専門高校出身の田中なら何か知ってるかもしれない。

藁にも縋る思いだった。


草野克則は溜め息を誤魔化すように、セブンスターに火を付けた。


「草野さん!」

慌てた素振りで顔を現したのは、4つ下の部下、沖田鉄平巡査だ。


「狼の飼育申請をしている人物を探したところ、1人いました。

 大阪に住んでいる神阪甲太郎という男です。」

「大阪か…。わかった。大阪府警に連絡を取ってみる。」

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