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ウルフ  作者: やなぎの裕流莉
19/54

19. 提案

田中次郎に引き続き、真目正義も死んだ。全員がショックを受けていた。

人狼と妖狐以外は…。


「龍造寺さん、すまない。

念のため、真目さんのご遺体も写真に撮っておいてもらいたい。」

「…。そぎゃんこつばしてから意味があるとですかね?」

龍造寺猛虎はため息をつきながら渋々了解した。

「まぁ、よかですよ。」

「…すまない。」

草野克則は謝りながら、山崎信一と共に遺体に怪しい箇所がないか調べていた。


どれくらい経っただろう。

その場は長くも短くも感じられ、全員がぐったりとしていた。



―15時


「皆、広場に集まってくれ。」

草野克則の呼びかけで、全員が広場へと集まった。


「念のため、我々の方で真目さんの遺体を調べては見たが、やはり真目さんが人狼や妖狐というような跡は見つけられなかった。」

「そうですか…。」

皆、がっくりと項垂れた。

「草野サン。恐らく、処刑された人間が人狼かどうかわかるのは、霊能力者の能力を授かった人だけだと思いますよ?」

「何だと!?」

「沖田!」

磯谷周吾の意見に沖田鉄平が噛み付く。しかし、山崎信一がそれを制した。

警察官の3人は寝不足も重なってイライラしている様子だった。

「すみません。皆サンの体力も心配ですし…。それに…。」

「それに…何だ?」

「はい。ここから脱出するためには、もっと会話に時間を費やした方がいいと思います。」

「会話…ねぇ。」

山崎信一がため息を漏らす。


「僕もそう思います。」

大神満が磯谷周吾の意見に賛同する。

「さっきの投票について、よく考えたら真目さんは妖狐の容疑だった訳で人狼だったとは誰も予想していなかった。」

「だから、何だって言うんだよ?」

文句を付ける金田一を尻目に、大神満は説明を続ける。

「つまり、今夜真目さんを占っていれば、真目さんが妖狐だった場合、死んでいただろうし、もし生きていたら人間確定です。

 今朝、人狼を見つけられたら、人狼に投票できました。」

「なるほど。確かに。大神くんが言う通りかもしれない。」

天童真理夫が大神満の意見に賛同する。

いや、しかし、と、万永琢朗が口を開いた。

「あの時点で真目君に入れるのは仕方なかった。人狼候補がいなかったから、と言うのもあるけど、私【万永】たちは人狼を淘汰する前に妖狐を殺さなければいけないことも覚えておかなければ。」

犬飼陽子が俯きながらポツンと言った。

「そう考えないと、真目さんが無駄死にしたみたいになっちゃうもんね…。」

辺りは少しずつ暗くなり始めていた。

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