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ウルフ  作者: やなぎの裕流莉
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18. 処刑投票(1日目)

「処刑って何だ!そんなこと許されると思ってるのか!」

真目正義は処刑投票に猛反対していた。

「しかし、投票しないと皆死んでしまいますよ?」

「そんなことはない。私【真目】は断固反対だ!人を殺すために投票などできる訳がない。」

尚も真目正義は異を唱える。

「何が霊能力だ!そんなもの、私【真目】は信じないぞ!」


・・・草野克則や磯谷周吾には、真目正義の投票しないことへのこだわりがとても不自然に映った。

「…とりあえず、誰かに票を入れないと、みんな死んでしまったら元も子もないのでは…?」

石原兼続が説得しても、真目正義は取り合わない。

「なぜ、そんなことが言える?お前ら皆、人間じゃないっっ!」


「…真目サン。アンタまさか、妖狐なんじゃ…?」

磯谷周吾の一言に周囲が一瞬静まり返った。

「はぁ!?な、何を言ってるんだ?」

「これは推論だけど、田中サンの霊媒力だけでは、人狼や妖狐は倒せないのかもしれない。皆の票という、多人数の力があってこそのものだったら?

 もしこの推論が正しければ、票を入れなかった場合、人間は全滅し、人狼と妖狐だけが生き残る…。」

「…そうか!妖狐は人狼も喰べるから…妖狐の一人勝ちか!」

沖田鉄平が磯谷周吾の後を引き取って説明すると、金田一も同調した。さも、自分で推理したかのように。

「俺【金田】もさっきからそう考えていた。真目さん、あんた善人ぶっているが、実は妖狐だったんだ。」

「そんな訳ないだろ!」

「じゃあ、妖狐じゃないっていう証拠を見せて…」

「皆さん、ちょっと落ち着きましょう。」

激昂する真目正義や磯谷周吾をなだめるように、石原兼続が割って入る。

「投票しない場合、人狼と妖狐だけ助かるというのは磯谷くんの仮説に過ぎません。」

「そうだぞ!このクソガキ!」

真目正義は怒りが収まらないらしい。

磯谷周吾はクスッと笑った。

「12時まで、あと30分しかない。

 他の可能性を考え直すなら今のうちです。でも…」

少し考えた後、磯谷周吾は続けた。

「真目サン。アナタが全員投票したらダメだという偽善ぶった考えを周りに押し付ける限り、ボクの疑念は晴れない。

 ボクは、今のところ真目サンに投票します。

 皆サンの命がかかっているから、自分の票に悔いを残したくない。」

「お兄ちゃん?」

「シューゴ!?」

いつにない磯谷周吾の強い口調に、妹の磯谷有姫も幼馴染の大神満も戸惑いを隠せなかった。


「ユキ。ミツル。皆サンも。真剣に考えた方がいい。自分が投じる一票に人の生死がかかっているんだから。」

この一言は、数人に影響を与えた。


「俺【金田】も真目さんに投票する。俺【金田】の推理が正しければ、真目さんは妖狐だ。」

金田一も同調した。

「…ちょっと待ってくれ!処刑投票を否定しただけで、私【真目】が疑われるのか?

 他にもいたはずだ!処刑投票に反対してたヤツが!」

「確かに。おれ【沖田】も反対していました。」

沖田鉄平が渋い顔つきで言った。


「僕は…金田さんは怪しいと思います…。

 昨日までは投票に反対していたのに、今は同意見だったはずの真目さんに投票しようとしている。

 さっきのシューゴの意見を聞いて、それに便乗するような感じで…。」

「満くん…。」

田原葉月が止めるように促したが、大神満は続けた。

「ネットゲームの話で申し訳ないですけど、僕は普段、集団の中から嘘つきを探すゲームをやっていました。

 金田さんみたいに、人の言葉に便乗して自分の本当の姿を隠す人を沢山見てきた。」

「ミツルくん?ああ、君、葉月ちゃんの彼氏か。あれ?別れたんだっけ?」

「おい!金田サン、今そんな話はカンケーない…」

「そうやって、話の方向を反らそうとしてるってことは、何か心当たりがあるってことじゃないですか?」

「これだから、シロートは…。おれの高等な推理に着いてこられない。」

金田一は不愉快そうに顔を歪めた。


「話の途中で済まない。12時まであと10分しかない。

 他の人も皆、意思表明をして欲しい。俺の中では意思表明をされないのが、一番怖い。

 俺は真目さんが投票しないなら、真目さんに投票する。

 充分金田くんも怪しいが、投票しないことによって、真目さんが死んでしまうのなら、今日の昼に死ぬ人数を2人にするべきじゃない。

 それは、人狼に対してのアシストにもなってしまうからだ。それに…」

草野克則は全員に意思表示を促して、更に続けた。


「俺は、真目さんの投票拒否の仕方があまりにも不自然に映った。」

「わ、私【真目】は…、死にたくない!

 投票されて殺されるくらいなら、投票する!

 き、君は私【真目】が投票するならば、私【真目】には投票しないんだよな?」

「ボクですか?ボクも草野サンと同じで、ちょっと真目サンの拒否の仕方に違和感がありました。

 なので、ボクも真目サンに投票します。

 いいんじゃないですか?信じてないんでしょ?田中サンの霊媒力。」

「ごめんなさい。わたしも真目さんに入れます。

 草野さんや周吾くんが言ってることに納得しちゃって…。」

田原葉月も遂に意思表明をした。


「僕は金田さんに票を入れます。

 真目さんは、死にたくないから投票するとおっしゃった。

 素直な気持ちが凄く伝わってくる。それに、心の底から誰かを殺すための投票なんかしたくないし、皆にして欲しくないと思っての発言だったんじゃないでしょうか。

 金田さんは人の話に便乗し過ぎてるように感じます。何か隠してるんじゃないですか?」

大神満が言うと、

「意味わかんねー!俺【金田】は大神満に一票だ!」

金田一が対抗した。

「ゴメンナサイ。アタシも…。

 金田さんはさっきまで真目さんに投票するって言ってましたよね?だけどミツルくんに即座に変えた。意見に一貫性がないし、周囲をかき乱そうとしてるように見えます。

 なので、アタシも金田さんに投票します。」

「え…?」

磯谷有姫の一言に金田一が絶句した。


全員意思表示をし投票は12時直前に完了した。

票は真目正義と金田一の2つに割れた。

が、結局、真目正義に多くの票が集まった。

時計の針が12時を刺した時、真目正義がガタガタと震えだした。

「真目さん!」

「おいっ!真目さん!」

各々が真目正義に正気を取り戻すよう呼びかけたが、暫くするとガックリと頭を垂れて倒れこんだ。

何人かの悲鳴が森の中を木霊する。

真目正義は、田中次郎の霊媒能力によって命を落とした。


【1日目】各自の処刑投票結果:

真目正義 8票

金田一 6票

大神満 1票


山崎信一 → 真目正義

沖田鉄平 → 金田一

神阪甲太郎 → 真目正義

石原兼続 → 真目正義

万永琢朗 → 真目正義

天童真理夫 → 金田一

犬飼陽子 → 真目正義

大神満 → 金田一

田原葉月 → 真目正義

磯谷周吾 → 真目正義

磯谷有姫 → 金田一

草野克則 → 真目正義

金田一 → 大神満

真目正義 → 金田一

龍造寺猛虎 → 金田一

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