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ウルフ  作者: やなぎの裕流莉
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16. 最初の被害者

大神満が朝起きたとき、外が騒がしかった。

近づいてみると、草野克則、山崎信一、沖田鉄平、石原兼続、神阪甲太郎、天童真理夫、磯谷周吾、犬飼陽子、龍造寺猛虎、真目正義の姿があった。


草野克則や沖田鉄平が大きな声を出している。


そこには、、、

首元から大量の血を流して横たわっている田中次郎の遺体があった…。


「田中!」

「田中さん!!田中さん!!」


山崎信一も近くで脈をとっているが、首を横に振った。

「残念ですが、田中次郎さんは亡くなってます…。」

「…。皆さん、ここの現場検証を行いたいと思いますので、一旦、ここから離れてください。」


とりあえず、全員が広場へと移動したが、しばらくして沖田鉄平が小走りに近づいてきた。

「そうだ。龍造寺さん。あんた、カメラ持ってなかったか?

申し訳ないが、現場の写真、撮らせてもらってもいいかな?」

「…。はぁ…。仕方んなかですね。」


龍造寺猛虎は自室に戻りかけたが、ふと沖田鉄平に質問した。

「あの…。カメラ、いつおいの手元に戻ってきますかね?

 撮影したら、一旦返してもらってもよかですか?

 返してもらえなんなら、お断りしますばい。」

「協力してもらわないと困るんだけどね。」

沖田鉄平は語気を強めたが、龍造寺猛虎はひるまなかった。

「いや、でも、おいにとったら商売道具だけん…。長期間離れるのはちょっと…。」

「わかった。いいですよ。撮ったらすぐ返します。

 但し、またお借りするかもしれませんが、ご協力お願いします。」

「わかりました。」


沖田鉄平が現場に戻ると、草野克則と山崎信一が何やら話していた。

「狼に噛まれたような歯型の後が首元にある…。

 近くには青みがかった毛が数本…。ですか…。」

「ああ…。」

「草野さん、カメラ借りてきました。」

「おお。御苦労さん。現場の写真撮っておいてくれ。」

「はい。…やっぱり狼ですか?」

「恐らくな。」

「…。」


3人ともため息をついた。

あ、と沖田鉄平が声をもらした。何かに気付いたようだった。

「何だ?」

「田中さんの遺書があります。」

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