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ウルフ  作者: やなぎの裕流莉
15/54

15. 能力付与の儀式

田中次郎の説明が終わっても、全員が、どこかぼんやりしていた。

人狼、妖狐、処刑投票…。目の前に突きつけられた、非現実的な現実を、皆どうしても受け止めることができなかった。


しかし、、、

「やりましょう。

 リスクは大きいですが、皆で人狼と妖狐を退治しましょう。大事な人に同じ思いをさせないために。」

石原兼続が言うと、草野克則や万永琢朗が続いた。

「俺も、妻や娘に同じ思いはさせたくない。」

「私【万永】もだ。」


「あの…本当に人狼は存在するんですか?」

「草野さん、おれ【沖田】はどうしても信じられないです。」

真目正義や沖田鉄平、山崎信一が反論する。

「やはり、何かトリックが…」

金田一が口を開きかけたところで、田中次郎が言った。

「もし、人狼がいなければ、人が死ぬことはありません。

 どうか、私が皆さんに能力を与えた後、明日まで待ってもらえませんか?

 今日の夜、被害者が出なければ、私の勘違いということで済みますから。」

「なるほど。それならば、田中さんにお任せしたい。」


「あの…。」

大神満が言いづらそうに手を上げた。

「早くおじいちゃんの病院に行きたいので、ここから離れて、森を抜けるまで歩き続けようと思ってるんですけど…。」

「それは危険だ。もう直暗くなる。

 そうなると、森の中にいるより、この村で過ごした方がいい。」

「そうですか…。」

草野克則の助言に大神満は渋々頷いた。


「では、これから皆さんに能力を付与します。

 皆さん、輪になってください。」

田中次郎が能力付与の儀式を行った。

全員、目をつぶって立っていただけで、能力を与えられた人の身に何か起こるわけでもなく、儀式は終了した。

「今皆さんに付与した能力は明日から使うことができます。」

説明する田中次郎は少し寂しそうな目をしていた。


幸いこの村には一人用のコテージが20棟程あった。

皆それぞれの部屋に入り、各自眠りに就いた。

そして、次の日の朝がやってきた。

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