13. 人狼の仕業か
「やはり、考えたくはなかったのですが、この16人の中に人狼がいると思って間違いないです。」
「いや、何かトリックがあるはずです。突然暗闇に巻き込むトリックが。」
金田一が我慢できずに口を挟んだが、それを草野克則が一蹴する。
「一体どんなトリックなんだ?関東圏でも複数箇所あるのに、愛知、京都、福岡の人が一箇所に集められてるんだぞ?」
金田一が一瞬で黙り込んだ。
口調が強かったか、と思いながら、草野克則は少しトーンを下げて続けた。
「納得できない方もいるとは思うが、人狼が存在し事件に巻き込まれてしまった、という前提で話を進めたい。」
「それがいいと思います。」
同意したのは意外にも、石原兼続だ。
大学教授の賛成表明に他の皆も納得せざるを得なかった。
「では、田中。続きを頼む。」
「残念ながら私の力では人狼を暴くこと、退治することはできません。」
コクリ、と誰かの喉か鳴った。
「しかし、この中に人狼が何人いるか調べることと、6人の人に特別な力を与えることはできる。ただし、誰に何の力を与えるかは選べない。」
「それは、人狼にも力を与えてしまうこともあるんですか?」
磯谷周吾がすかさず突っ込む。
「いや、それはないです。
私の技術次第ですが、よっぽどイレギュラーなことが起こらない限り大丈夫でしょう。」
田中次郎はマイルドセブンを取り出すと、準備に少し時間がかかる、と言った。
「恐らく、皆さんが身につけている腕時計や携帯電話の時計は狂っているでしょう。
村の真ん中に1つだけ時計がありますね?準備に1時間ください。
今、14:00を指しているので、15:00にここに集まりましょう。
そのとき、儀式を行います。」
「よし、わかった。」
「しかし、草野警部!」
草野克則が合意したが、沖田鉄平が反論する。
「やはり、おれ【沖田】は納得がいきません!人狼だなんて…。」
草野克則は一つため息をついた。
「まぁ、その意見もわからんではないが…。あと1時間で反論材料を揃えろ。それがダメならもう後戻りはしない。
人狼がこの中にいなければ、それが一番だ。」
「はい、絶対に揃えて見せます!」
沖田鉄平は意気込んで返事をした。




