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ウルフ  作者: やなぎの裕流莉
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12. 扉を開く条件

「この中で、狼のことを頻繁に話していた人はどれくらいいますか?」

草野克則の質問にばらばらと手が挙がった。しかし、全員ではないようだ。

田原葉月、金田一、真目正義の3人は特にそんな記憶はないらしい。


そうですか、とつぶやき、草野克則は続けて質問をした。

「では、身近に死を感じた人はどれくらいいますか?」

今度は挙手しない人の方が多かった。

石原兼続、天堂真理夫、犬飼陽子、大神満、田原葉月、磯谷周吾、磯谷有姫、金田一、真目正義は身に覚えがないらしい。

”身近”と言っても、どのくらいを指すのだろうか…。


「失礼だが…大神くん…だったね?

 君はおじいさんが倒れた、と言うことだったけど、危険な状態じゃなかったかい?」

田中次郎が申し訳なさそうに聞いた。

(なぜ、警察でも何でもないオッサンにこんなこと聞かれないといけないんだ!)

ムッとしながらも大神満は答えた。

「わかりません。ただ、電話してきた母親の口調はかなり慌てた感じでした。」

「え?そうなの?ミツルのじいちゃん、さっき病院にって聞いたけど、そんなだったのか…。」

磯谷周吾が驚いている。

「変なことを聞いてすまない。

 もしかしたら、我々のこの状況の原因が掴めるかと思ったもので…。」

田中次郎は恐縮しながらも、人狼の存在や狼村に誘われるための条件を丁寧に説明した。

その様子を草野克則は渋い顔をして見ていた。


「その”身近に死が存在する”っていう条件にミツルのじいちゃんが当てはまるとしたら、きっとボクとユキもそれに当てはまると思います。」

「”死が存在”って言えるかはわからないけど、オイラが携わってるゲームは狼を殺すシューティングゲームなんすよ。それも、”死が存在”に当たるのかどうか…。」

磯谷周吾だけでなく、天堂真理夫にも”死が存在”する可能性があるようだ。

こういう細かいケースも含めると、やはり、各々の身近に死が存在し、狼村に来てしまったのかもしれない。


幽霊の類のものは決して信じられない質の山崎信一、沖田鉄平、金田一、真目正義は今目の前で行われている議論をうんざりした表情で聞いていた。

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