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37.プレーンウルフと再戦です!

 ハイネさんは庭の確認が終わると帰っていきました。

 なんでもこれから各種素材を集めて家具を作るらしいのですよ。

 ちなみに、庭に置くアイテムも家具らしいです。


「ハイネ爺さん、火がついちまったな。ありゃ本気で止まらねえぞ」

「あまりがんばりすぎないといいんだよ」

「そこまで行く前に家族が止めてくれるだろ」


 そこはかとなく不安ですが、ボクが心配しても仕方がないですね。

 ともかく、庭はしばらく出しっぱなしにしておきましょう。


 ボクの庭に用事はなくなったのでガイルさんと一緒にギルドの中庭に戻るとアプリがいましたよ。


「あれ、ガイルさんとお姉ちゃんだ。どうしたんですか、こんなところで」

「ん? リーンの庭に用事があってな」

「お姉ちゃんの庭?」

「ボクの庭を買ったんですよ」

「……よくわからないけど、まあいいか」


 アプリはボクよりもこのゲームに詳しいのですが、さすがに庭のことまでは知らなかったみたいですね。

 いまは説明しなくてもいいので、また今度にしましょう。


「お姉ちゃん、少しレベル上げに行かない?」

「レベル上げです? サーシャはいないんだよ?」

「サーシャさんがいなくてもなんとかなるって。一緒に行ってみようよ」


 ふむ、ボクひとりだと火力面で不安定ですが、アプリがいればかなり違いますね。


「わかったんだよ。それじゃあ、準備をしたら行くことにしよう」

「やったぁ。私のほうの準備はできてるからギルドの入り口で待ってるね」


 それだけ言い残すとアプリは駆け出していってしまったんだよ。

 本当に行動が早い子ですね。


「ふむ、今度は狩りに行くのか」

「そうなりますね。それじゃあ、ガイルさん。またなんだよ」

「あーちょっと待て。試作品になるが、お前らに新しい装備をやるよ」


 そう言ってガイルさんが取り出したのは槍と盾でした。


「盾はお前用。槍はアプリ用だ」

「了解なんだよ。使い方の注意点はありますか?」

「そうさなぁ……盾は防御力が低めな代わりに毒を無効化できる。槍は攻撃力が高めだが少しもろい。そんなところか。もし壊れたら俺のところに持ってこい。そいつは試作品だから無料で直してやるよ」

「わかったんだよ。それでは、狩りに行ってくるんだよ」

「おう、気をつけてな」


 今度こそガイルさんと別れ、アプリと合流です。

 アプリに新しい槍を渡すととても喜んでましたね。

 なんでも、いま使っている槍に比べて攻撃力が五割増しだとか。

 代わりに耐久値が三割低いので注意しないと、と言ってました。


 ボクの盾ですが……耐久力はそんなに変わりませんね。

 ただ、防御力は前の盾より少し低いです。

 代わりに毒無効が付いているので、毒を使ってくる敵には有効なのでしょう。

 いままでそんな敵にはであったことがありませんが。


「とりあえずの目標はプレーンウルフ狩りだね、お姉ちゃん」

「プレーンウルフですか? サーシャなしで大丈夫です?」

「大丈夫だって。いけるいける」


 あまり反対する理由もないので、プレーンウルフ退治のクエストを受けて街を出発ですよ。

 道中、ファーラビットの群れやワイルドドッグの群れを見かけましたが、それと戦っている人はほとんどいませんでしたね。


「ふむ、今日は人が少ないんですかね?」

「お姉ちゃん、今日は平日だよ。まだ夕方なのにそんなに人がいるわけないじゃない」

「ああ、なるほど。……それじゃあ、さっき戦ってた人たちは?」

「私たちと同じ学生じゃないかな? よくわからないけど」


 そこのところあまり気にしても仕方がありませんよね。

 プレーンウルフの生息地に向かいましょう。


「うーん、プレーンウルフのとこにも人がいないね」

「今までを考えれば当然なんだよ」

「確かに」


 プレーンウルフはそこそこの数がいるのに、ほかのプレイヤーは見かけません。

 完全に独占ですよ。


「……ここまで人がいないと逆に事故りそうで恐い」

「たくさん襲ってきたらシズクちゃんの出番なんだよ」

「オンオン!」


 今日のボクの布陣はいつものシズクちゃん、黒号、プリムです。

 星兎は……レベルも低いですし戦闘能力も低いのでボクたちが強くなってから育てましょう。


「お姉ちゃん、前衛とバックアップは任せるからね!」

「普通両方やるものなんですかね?」

「従魔使いならできるって!」


 よくわかりませんが、やれと言われましたからやります。

 いつもどおり黒号が攻撃を受け止め、その間に一匹ずつ倒していくのですよ。


「さあ、黒号。ゴー!」

「ワフン!」


 黒号は勢いよく飛び出していきましたよ。

 でも、それがよくなかったようですね。

 先にプレーンウルフの警戒網に引っかかったようです。

 八匹ほどのプレーンウルフがまとめて襲ってきたので、シズクちゃんに吹き飛ばしてもらいました。


「うーん、勢いよく飛び出すのはダメみたいだね」

「そうなんだよ。黒号、今度は慎重に一匹だけ釣り出すんだよ」

「オン」


 今回はゆっくりと黒号が忍び寄っていきます。

 そして、うまく群れの端にいたプレーンウルフを引っ張ることに成功しました。

 でも、そのほかにも三匹ほど一緒についてきたんだよ。


「全部で四匹か……大丈夫、私たちならやれる!」

「ちょっと心配ですがシズクちゃんは温存だね。プリムよろしく頼みますよ」

「プー!」


 十分に引きつけたところで黒号が四匹を釘付けにして足を止めます。

 そこにアプリとプリムも襲いかかって一気に戦闘が激しくなってきましたよ!

 ボクですか?

 ボクは黒号の回復で手一杯なんだよ。


 さて、そんな戦闘ですが、四匹相手にかろうじて勝てたという感じだったんだよ……。


「……アプリ」

「お姉ちゃん、言わなくてもわかってるから」


 四匹相手にこの消耗は厳しいのですよ。

 ボクのMPは半分以上減っていますし、黒号も完全回復はしていないのです。

 プリムやアプリも多少の手傷は負っていますし、どう考えてもこれ以上は無理ですね。


「仕方がないので、シズクちゃんにがんばってもらってクエスト分だけは倒しますよ」

「そうしようか。残りの時間はワイルドドッグを狩って経験値を貯めよう」


 そう言うことですので、シズクちゃんのサンダーボルトで十数匹ほどプレーンウルフを倒しました。

 そのあとは、ワイルドドッグのところまで引き返してひたすら戦ったんだよ。


 ワイルドドッグ相手だったら四匹同時でも余裕があるのですから、プレーンウルフはやっぱり強かったのです。

 敗北もアプリにはいい経験だったんじゃないですかね。

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