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変人日記-黒薔薇の夢

作者: A

読書と言う物は私が老いてからの唯一の楽しみである。

ある日、薄暗い中ランタンの元に小説を読み耽っていた私は唐突に真っ赤な薔薇をその本の上に吐いた。

吐いてしばらく私はそれをじっと見つめていたが、喉に違和感を覚えた。

薔薇は段段と黒くなっている。

私は胃に持病がある。

要するにこれは血なのであろう。

常人なら焦っていただろうが私は極めて変人であるためそれの姿を薔薇に仕上げる事を考えた。

まず丁寧に一枚一枚を切り抜いた。

幸いその小説はすぐに手に入るであろう物であったため、私は躊躇い無く切り抜いていった。

そして毛筆を手に取り、墨を吸わせ縁を塗った。

そうしてできたのは、見事な黒薔薇であった。


その作業が終わると、私は倒れた。


私が目を開けると、そこには一面に白が広がっていた。

病院であった。

「そうだ。俺は手術を受けたのだ。」

事実男は昨日手術を受けていた。

男が起き上がり、窓を見ると『永い夢』『愛憎物語 江戸編』といつた彼の愛読書と共に黒い薔薇が置かれていた。

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