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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

短編集

オムライスもどき

作者: _

※残酷な描写あり







 カンカンと卵を叩いてヒビを入れる。


 そこに指を差して割り、中身をお椀に落とした。


 白い部分は嫌いだから箸で綺麗に退けて、簡単にカチャカチャ混ぜる。


 味付けはしないタイプなのでこのままご飯と軽く混ぜて放置。



 もう一つのお椀に卵を入れ、今度は真剣にカツカツ混ぜていく。


 この卵は後で使う、しかも主役。



 フライパンをコンロの上に置き、中火で温めて油を広げる。


 適当なタイミングで卵を混ぜたご飯を入れた。


 カチカチとお椀の端に逃げた米を落として、水分が抜けるまで炒める。


 必殺のフライ返しで効率よく。


 ふんわりと蒸気が昇って溶けた。


 そろそろかと、粉末のチキンライスの元を入れて混ぜていく。


 赤くなって美味しそうな香りが広がる。


 パラパラにしたら皿にチキンライスを移してもう一度油をたらす。



 チリリと消えていく油。



 溶かした卵を混ぜるルーティンをプロ選手のように組み、深呼吸を二回。


 すー、はー、すー、はー。


 卵を注ぐとジュワジュワと歪に卵が広がっていく。


 なんで下手なんだろう、綺麗にならない。


 薄くなくて、まるで揚げてるような卵焼き。


 味は悪くないけど彼女が居たら、笑うだろうな。


 無理やり広げた卵焼きは空気も含んで大きく見える。



 ひっくり返す自信がないので、火を止めた俺はフライパンを揺すって冷めそうなチキンライスに被せた。


 味はいいから、いいんだよこれで。


 ケチャップをバランス良く垂らして。



 スプーンでカチッと卵焼きを割いた。






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