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レベル??のダンジョン〜ボス級のモンスターばかり出てくる件〜

城の消火と騎士たちの手当が終わったときにはすっかり日が暮れていた。

中庭だけでなく城の廊下など至るところに騎士が横たわっていた。

けが人の数が多すぎてベッドの数が足りていないのだ。


「今日はつかれたな・・・」


ショウは以前泊まったゲストルームのベッドで横になっていた。

本来ならベッドはけが人が優先されるのだが、竜を倒したショウは特別待遇だった。

人間側の最終戦力として期待されているのだろう。

ショウはスライムちゃんを箱から出し、ベッドで寝たまま抱きしめる。


「これで魔王の配下は全て倒したはずだよね。あとは魔王を倒せば終わりだ。はやく居場所がわかると良いのだけど」


そういえば今日はあれから聖女と会っていない、騎士たちの手当で忙しかったのだろうか。

朝になったら聖女のもとを訪ねて一緒に探してみよう。

そう思いながら眠りに着くのだった。


翌朝

ショウは激しいノックの音で目を覚ました、ドアの向こうからかなり焦ったようすの声が聞こえた。

ショウはとりあえずスライムちゃんのステータスを確認することにした。

呪いにかかっていないことを確認し箱に戻すと、まだ叩かれ続けているドアを開けた。


「ショウ様!姫様はこちらではないですか!?」


ドアを叩き続けた人物は完全にドアが開くのも待たずに質問をぶつけてくる。

この子は確か聖女のお付の侍女だ。何をそんなに焦っているのだろう。


「ここにはいないよ、聖女に何かあったのか?」


ショウの答えを聞いた侍女が顔を青ざめて床に座り込む。


「姫様が・・・姫様がどこにもいらっしゃらないんです!昨日竜が城を襲ったときからお姿が見えないんです!」



ショウは侍女と共に聖女を探して城の中を探し回った。

だがどこにもいない、騎士たちも使用人たちも見かけていないようだ。

ショウは侍女と分かれて書庫に来ていた。


「ここもいないか・・・」


昼まで探し続けたが聖女の姿はどこにもなかった。

これは何かあったと見て間違いないだろう。

どうしようかと悩んでいると、昨日この部屋での聖女との会話を思い出した。


「二人の居場所がわかるように魔法をかけてもらいました・・・」


ショウは聖女からもらった指輪を取り出しはめてみる。

しばらくしても何も起きなかった、何か条件があるのだろうか。

魔法・・・ショウは思いつきで魔力を込めてみた。

指輪はショウの魔力を吸収すると、淡い光を放ち始めた。

すると突然指輪から赤い糸が伸び始めた、どうやら魔力を糸に変換しているようだ。

糸は城の壁を貫通しても伸びていく、人も貫通していたがショウ以外には見えていないようだった。


「運命の赤い糸か・・・」


さすがは姫様が考える魔法だ、まるで絵本の物語みたいだな。

とりあえずこの糸を辿っていくとしよう。


ショウは糸が伸びる方向を目指し走っていく、まだまだ先は見えない。

このタイミングでいなくなったことを考えると、魔王が関わっている可能性が高い。

聖女と共に魔王がいることを願いながら、走り続けるのだった。


「この中か」


城から3時間以上走り続けたショウは、人里離れた深い森の中に来ていた。

ショウの目の前には町でよく見かけるダンジョンの入り口が建っていた。

指輪から伸びる糸はダンジョンの中まで伸びていた、どうやら進むしか無さそうだ。

ショウはカタナを抜くと中へ入っていった。


中は町にあるダンジョンと変わらない作りだった。

ダンジョンと変わらない・・・ということは、モンスターもいるということだ。

ショウの行く手を20体以上の大量のオークが塞いでいた。

最初のダンジョンでボスとしてショウが倒したモンスターだ。

今回は木の棍棒ではなく鉄でできた剣や斧などを持って、鎧を身に着けていた。


「いくら武装したところで俺の敵じゃないな」


ショウはオークの大群に向けて魔力1000を込めて真空刃を飛ばす。

真空刃は立ちふさがるオークたちを鎧ごと両断し、一撃で灰へと変えていった。

オークたちの灰を踏み越えながらショウは先を急ぐ。


次に現れたのはクリスタルゴーレムの群れだ。

眩しいほどの光を放ちながら迫る群れにショウはカタナを抜いて突っ込んでいく。

ゴーレムたちの動きは遅い、近づいてきたやつから一体ずつ切り倒していく。

オークたちのように真空刃でも良かったが、魔力を温存するべきだと思ったのだ。


ゴーレムを倒して先に進んだショウは今度はラミアクイーンと対峙していた。

一体だけではない10体以上のラミアクイーンがショウを見ていた。

ショウはわずかだが体がしびれている気がした、石化の瞳の効果だろうか。

以前ショウが戦った時は全く効かなかったが、数がいると効果が上がるのだろう。

動きづらいが戦えないほどではない、それに石化の瞳以外こいつらに大した力はないのだ。

ショウはカタナを抜いて突っ込むと、ラミアクイーンの首を一体ずつ斬り落としていった。


体のしびれが取れたショウが先へ進んでいると、今度はキングウルフの群れに周りを囲まれていた。

キングウルフたちはショウに飛びかからず距離を取り、襲うタイミングを待っているようだ。

しびれを切らしたショウは一番近くにいた一体に斬りかかる、飛びかかったショウの背後から残ったキングウルフたちが一斉に飛びかかってきた。

ショウは振り返ると同時にカタナを横薙ぎに振るう、飛びかかってきたキングウルフたちの殆どを切り倒す。運良く生き残ったやつらは逃げ出してしまったようだ。


ショウはカタナをしまうと地面に座って少しだけ休憩を取ることにした。


「今までのダンジョンのボスモンスターがこんなにいるなんて、このダンジョンは当たりかもしれないな」


これだけのモンスターがいるのは異常だ、魔王の居場所としてふさわしい守りだと思った。

指輪から伸びた赤い糸はまだまだ奥へ続いている、体力も回復したし先へ進むとしよう。


ショウが進んでいると今度は銀色の鎧を身に着けた30体以上のゴーストナイトの群れが現れた。

まるで軍隊のように整列して進行してくる・・・騎士団よりも強そうだ。

その手には剣や槍、弓矢など様々な武器を握っている。

ショウはカタナを抜いて群れへと突っ込んでいく。

飛んでくる矢をカタナで斬り落とし、突き出される槍をかわして距離を詰める。

振り下ろされる剣ごとゴーストナイトを切り倒していくと、ものの数分で全滅させた。


カタナをしまう暇もなく今度は羽ばたく音が聞こえてきた。

近づいてくるのは黒い鱗で全身を覆われたワイバーンだ。

まるでダンジョンの中を闇が覆い尽くすような大群だった。

ショウはワイバーンが吐く炎をものともせずにカタナを構える。

こいつらを相手にするのは真空刃を使うしか無い。

ショウは魔力500を込めて真空刃を6発飛ばした。

上空を飛び回るワイバーンを全て地面に落とすと、まだ生きがあるものには追加でカタナを振るってやった。


ワイバーンを倒して先に進むと、何だか生臭いニオイがしてきた。

ショウが鼻を抑えながら先に進むと20体以上のサハギンが待ち構えていた。

サハギン達は一斉に口を開くと、ショウに向けて勢いよく水を放ってきた。

ダンジョンの壁や床を削りながら進む水に向けて、ショウは真空刃を繰り出す。

水が切り裂かれると同時にショウもその隙間に飛び込むと、目の前の状況が飲み込めずうろたえているサハギンたちを次々と灰へ変えていった。


「だいぶ倒したな・・・」


ショウはカタナを杖代わりにして呼吸を整える、だいぶ体力を消耗してしまった。

ステータスを確認するとレベルがマイナス362まで上がってしまっていた。

ボス級のモンスターを何十体と倒しているのだ、ここまで上がっても仕方ないだろう。


「どこがでスライムちゃんを抱きしめないとな・・・」


ショウが休めそうな場所を探していると背後から嫌な音が聞こえてきた。

背筋に冷や汗を感じながら振り返ると、ダンジョンの床を滑るようにこちらに向かってくる白い影が見える。

こんな弱った状態じゃなくても、もう二度と会いたくないと思ったモンスター・・・それは白い蛇だった。

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