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レベル??のダンジョン〜最強の剣士と戦った件〜

ショウが城へ着いた時には、もう夜になっていた。

城の中へ入ると聖女の部屋へ向かう、とりあえず倒したことを報告しよう。

ドアをノックすると中から返事が返ってきた、まだ起きているようだ。

中へ入ると聖女は薄いネグリジェ一枚でベッドに座っていた。

カーテンの隙間から差し込む光を受けて桃色の髪がキラキラと輝いている。

まるで絵画のような光景だ。

スライムちゃん一筋のショウでなければ惚れていただろう。


「おかえりなさい、こんな夜に訪ねてくるってことは期待していいですよね?私達婚約してるんですから、そうですよね?」


相変わらずの暴走具合だ、気にせず話を続けるか。


「とりあえずゴーレムキングは倒したよ。調べてもらった情報通りの場所にダンジョンみたいな物があって、その奥にいたよ。倒した後に気づいたんだけど、ゴーレムキングの体が俺の持ってるカタナにそっくりでさ。どうにか加工できないかな?」


ショウは今日の戦果を伝えると共に結晶を聖女に渡した。

ショウが無反応だったことに怒っているのか聖女は頬を膨らませていた。

聖女はショウから結晶をうけとると不思議そうに眺めていた。


「できるかは分かりませんが騎士団の鍛冶師に頼んでみましょう。さぁ今日はもう寝ましょう。私は準備万端ですよ?」


聖女がベッドに倒れ込み熱っぽい目でショウを見つめている。

夜も遅い、確かに今日はもう寝てしまうのが良いだろう。


「じゃあ明日も倒しに行こうと思うから俺も寝るよ。結晶の加工と魔王の調査頼んだよ。あ、睡眠はちゃんと取るんだぞ。倒れたら大変だからな」


ショウは部屋を出ていく、聖女は不満そうだったがどこか嬉しそうな顔をしていた。


「大変だからな・・・私のことちゃんと心配してくださるんですね。今はそれで十分です。あなたの力になれるように、私は頑張ります」


ショウが魔王を倒して結婚した後のことを夢見て、聖女は眠りにつくのだった。


ショウはいつものようにテント・・・の中ではなく今日はゲストルームにいた。


「最悪だ・・・」


ショウは聖女の部屋を出た後、いつものようにテントを広げようと中庭へと向かった。

だが中庭にはミノタウロスキングの死体が文字通りバラバラに置かれていた。

調査のためにバラしたのだろうか、そのせいでテントをはるスペースなどなかったのだ。

ショウは仕方なくゲストルームで寝ることになったのだ。

スライムちゃんを箱から出すと、ふかふかのベッドの上で抱きしめる。


「明日も別のモンスターを倒しに行こうと思うけど、ちゃんと休めるか不安だよ・・・」


冒険者としてがんばってきたショウにとって、お城の快適な環境は敵だったのだ。

体調が悪かったら倒しに行くのはやめよう・・・

明日のことに不安を覚えながら眠りに着くのだった。


翌朝

ショウはふかふかのベッドの上で目を覚ました。

精神的には嫌だったが体は正直だったようだ。

町の宿やテントで寝たときよりもすこぶる体が軽かった。

ステータスはもちろん万全だ、スライムちゃんも呪いにはかかっていなかった。


「今度からこっちで寝るのもいいかな・・・」


寝る前とは真逆の、そんなことを思いながら外へ向かった。

ショウは城の外へ出ると、地図を広げて今日の目的地を確認する。


「これなら夜には帰ってこれそうだな」


今日向かう場所へは4時間も走れば着くだろう。

ショウは地図をしまうと、目的地へ向けて早速走り出した。


ショウは目的の場所へ着くと、昨日と同じようにあたりを散策する。


「やっぱりあったな」


少し探すとダンジョンの入り口のようなものを見つけた、恐らくここで間違いないだろう。

ショウはカタナを抜いて中へと入っていった。


少し進むと、中から金属同士がこすれる音が聞こえてきた。


「はぁ・・・やっぱいるのか」


ショウの目の前には銀色の鎧が立っていた、その手には鉄の剣と盾が握られている。

鎧の中は夜空のように真っ黒だ、以前遭遇したゴーストナイトとそっくりだった。


ショウは振り下ろされる剣を片手で掴んで止めると、もう片方の手でカタナを振り下ろす。

ゴーストナイトは盾を構えていたが関係なかった、ショウはその盾ごと両断した。

その後も現れるゴーストナイトを次々と両断していった。

弓矢を飛ばしてくる個体には真空刃をお見舞いした、最早ショウにとって距離など問題にならなかった。

ショウは無傷で最深部へ着いた、ダンジョンの探索もだいぶ楽になったものだ。


「さてと、やつはどこにいるかな」


聖女の情報によればかなりの剣技の使い手らしい、注意しなければ。

ショウはカタナを手に慎重にあたりを探索した。

しばらくすると、ガシャガシャという金属同士がぶつかる音が聞こえてきた。

音のする方へ向かうと青紫色のゴーストナイトが立っていた。

手には切れ味の尖そうなキレイな剣を握っていた、盾は持っていないようだ。

恐らくこいつがナイトキングだろう。


ショウに気づいたのか剣を手にこちらへと向かってくる。

ショウのカタナとナイトキングの剣がぎりぎり届くところへ立つと、胸の前で剣を構えた。

ショウもカタナを構え直す、二人(?)を取り巻く空気が変わった。

二人は向き合っているだけだが、ダンジョンの中に金属同士がぶつかる音が響く。

よく見ると二人の間には火花が飛び散っていた。

実はショウとナイトキングは超高速でカタナと剣をぶつけ合っていたのだ。


『なんて速さだよ!』


ショウは腕がちぎれるかと思うほどの速さでカタナを振るい続ける。

高速で迫り来る剣に防戦一方になってしまった。

ナイトキングはゴースト系のモンスターだろうから体力に限界は無い。

このままで切り合い続ければ体力に限界のあるショウが負けてしまう。

打開策を考えながらカタナをふるい続ける、魔力を込めて真空刃をとばそうにもそんなことをする余裕はなかった。

考えている間にも猛攻は続く、ショウの頭にあるアイデアが思いついた。

上手く行く保証はないが、このままでは死ぬだけだ。


『やるしか無いか!』


火花を散らしながら戦い続ける二人、終わりの瞬間は突然現れた。

ナイトキングの剣がショウのカタナによって切り落とされ、つづけてその鎧も両断される。

ナイトキングが崩れ落ちたのを確認するとショウも地面に仰向けに倒れた。

肉体的にも精神的にも疲れすぎて立つことすらきつかった。


「疲れた・・・」


何とか勝てたかもう二度と戦いたくはなかった。

ショウはナイトキングの剣を弾く時に、同じ場所にカタナを当て続けた。

少しづつではあるが剣にダメージを与え、ついには斬り落とすことに成功したのだ。

ショウの体力がなくなるのが先か剣が折れるのが先かの勝負ではあったが、今回はショウの勝ちだ。

少しだけ休んで呼吸を整えた後、ショウは外へと向かった。


ダンジョンの外へ出ると、ショウはお城に向かって走り出す。

ここまでは順調だった、残る敵は後1体だ。

直属の配下を失った魔王がどんな反応をするか楽しみだ。

聖女にお願いした文献の調査も進んでいることだろう、早く居場所が分かれば良いのだが。


「そろそろ魔王を倒した後のことを考えなきゃな」


スライムちゃんと二人で冒険に出るのは確定だが、その前には大きな問題が待ち構えている。

魔王を倒した後どうやって聖女から逃げるか考えながら、城を目指し走るのだった。

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