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フォレスト

 夕刻、ソドムら男達が宿場に到着した。


 今夜の宿は老舗「フォレスト」


 築20年、二階建てのガッシリとした造りで、一階は食堂、二階は客室、野外には塀で囲われた露天風呂が併設されている。


 主要街道ではなくなったため客足は減り、大幅な改装はできずにいるものの、掃除が行き届いているため、古くても居心地は悪くない。


 何とか成り立っているのは、自慢の大露天風呂(源泉かけ流し)と、名物トリプルチーズチキンカツ定食があるからだという。この二大看板を目当てに、遠回りを承知でリピーターが旧街道を旅するらしい。



 この宿場より東が、悪名高いハンドレッド伯爵領、さらに東に行くとゼイター侯爵領、その先がソドム公爵領ギオン公国となっている。


 余談ながら、連邦王国では連邦王に次いで位が高いのが公爵。以下、侯爵・伯爵~となっていて、公爵のみが公国という形で独立国にして連邦王の同盟者なのだ。



 さて、問題のコウモリ伯の民はしわい・・領内の宿全体が相場の二倍の割高料金をふっかけてくるので有名だった。


 そのため慣れた旅人は、その前の宿場に泊っておき、できるだけ伯爵領内には泊まらないようにするのだという。

 

 泊まる部屋を確保して、サッと入浴を済ませたレウルーラと傭兵達が手を振って出迎えてくれたので、すんなり合流したソドム。


 深紅の眼を怪しまれないように、山賊から譲り受けた(奪いとった)茶色い薄汚れたバンダナを深めにかぶり、多少は正体を隠してるつもりだった。


 ドロスは元々いざという時、一般人に紛れ込めるよう普通の服装をしているので、ソドムの方が胡散臭く見えるかもしれない。



 部屋割りは、護衛の関係上 一番奥がソドム公爵夫妻、隣がシュラと旭日傭兵団、向かい側がドロスとトリスの部屋になっている。



 男達は自室に荷物を置き、温泉にはあまり浸からず、汚れを落とす程度で直ぐ食堂に現れた。

 緊急時にも対処できるように、服装は元のまま、下着は旅人用のレンタルに交換しただけだ。


 

 メンバーは合流したものの、勢揃いとはいかず、シュラ姉妹だけが、食堂にいない。



 聞けば、緊張の糸が切れたラセツは、温泉でシュラと話し込んだり、泳いだりして長風呂になっているそうな。


 丸腰の護衛対象を抱えて緊張しっぱなしだったので無理もない。フタを開けてみれば、護衛の必要すらない怪物達・・・一気に楽な任務になって完全に安堵しているようだった。


 

 食堂である一階は、ソドム一行ほどの集団はおらず、客はまばらだ。  


 ソドムの方針で、身分の上下なく同じ食卓を囲むのが常とわかってきた傭兵達は、あらかじめ4人がけテーブル二つをつなげて、段取りよく準備していた。



 シュラが まだ入浴中と確認したソドムは、レウルーラと目を合わせる。


 そして、二人は同じことを思った。

(ようやく、二人っきりになれる!)


 レウルーラ復帰後、冷戦状態だったり、シュラが寝室に居座ったりで、なかなか二人になれずにいた。

 ソドムは、毎日まさぐるだけで、お預けをくらっていたようなもので、限界を超えていたし、レウルーラとて 好きな男と したかった。


 席に案内してくれた傭兵アズサに一言、

「ちと、レウルーラと込み入った話と、魔法検証をしてくる。皆は先に食べていてくれ。遠慮せず、好きなものを注文していいぞ~」そう言ってソドム夫妻は、そそくさと二階の寝室に姿を消した。


 すぐさまアテネが反応し、護衛のため二階に上がろうとしたが、ドロスに引き止められる。


「まあまあ、夫婦水入らず・・ここは察するところですな」


「それに、二階への階段は一カ所・・そこを監視しておけば問題ない」と、席に座りながら言った。


 ドロスは、二人の落ち着きのなさから、目的はわかったが、ソドムの一言が気になった。

(魔法の・・?無意味な嘘ではなさそうだが。まあ、いいか・・)


「あ、俺はビール」と、手を挙げて注文し始める。

 

 シュラとは女子同士打ち解けてきた旭日傭兵団。だが、さっきまで命のやりとりをしていた敵・ドロスだけは許せないでいたので、その図太さに彼女らはイラついている。



 ドロスは、どこ吹く風・・旨そうにビールを飲み始めた。



 吟遊詩人トリスは険悪な雰囲気に閉口し、場を和ませるため店主の許可を得て、穏やかなな曲を歌い始めた。痩せこけた幸薄さちうすそうな店主は、まれにしか現れない吟遊詩人の歌を聴けて、ささやかな幸せを感じているようだった。



 この銀髪の青年は、余計なことを喋らなければ、とても魅力的であり、女子達の目をくぎ付けにした。


 そして、さり気なく「昨日の敵は今日の友」と歌詞に織り交ぜ場の沈静化を願った。



 一杯目のビールを飲み干し、ドロスは真面目な顔になって傭兵達に話しかける。


「そうそう!昨日の敵は今日の友。恨む気持ちもわかるが、こっちは200人近く死んでるんだから、水に流してもらえんかな」、ひとりひとりの顔を見ながら言う。


 傭兵達も仕事柄、敵味方になったりするわけなので理解はできる。ただ、ほんの数時間前に敵対していたのに、酒を酌み交わすほど器用ではない。


「それはさておき、あんたらを追い立てる役だった騎馬三人が惨殺されていてな。退却の切り札でもあったから、戦闘は避けるよう言い含めたはずが、交戦したらしい」、ビールのおかわりをしながら問いただす。


 軽装兵のアテネは、騎馬とは戦っていないと答えた。

「私達は、後方からの攻撃を遅らせるために木々にロープを張ったけど、せいぜい転倒させる程度のものよ」


「いや、疑ってるわけじゃない。足跡からするに、男達の可能性が高いようだった。部下たちの死因は、鉤爪のようなもので切り裂かれたり、刺されたり・・しかも、あざやかな仕事だったようで、防御創ぼうぎょそうがないときたもんだ・・」



「ウチらで、そんな武器を使うのはいないね」と、重装兵アズサが断言した。



 確かに武器種が違う、ドロスは納得した。



 少しは気をゆるしたのか、傭兵達はそれぞれ飲み物を注文し始める。


 ドロスが身を乗り出して、

「足跡からして、およそ10人。暗殺慣れした者が、気配を消して近くにいたのかもしれん」

 だいぶ警戒を解いたと判断したドロスは、名物トリプルチーズチキンカツ定食を人数分注文した。


「10人も?我々以外に・・?」侍・芦間が青ざめる。

 それほどの集団が付近にいれば、絶対気づくはず。・・となると、忍びだろうか。


 だとしたら、かなりやっかいな相手だと、大和出身の芦間は思った。



 ソドム達が馬車でしていた会話を思い出したアズサ。

「そういえば襲撃前に、シュラちゃんが10人の気配がするって馬車で言ってたような・・」



 芦間も判断材料になればと、前日に小耳に挟んだことを話しだした。


「関連性があるかはわからないが、前の宿で早朝鍛錬をしていたときに、旅人が魔王出没どうこう言ってはいたが」



「魔王出現ですかい・・。はぁ~・・、状況を整理すると・・魔王が近隣にいて、殺気を消せるほどの玄人プロ10人につけられてるかもしれない、か」と、おどけるドロス。


 内心は、ソドム達 怪物クラスと一緒なので、何の心配もしていない。


 ドロスは勝手に仕切り、今後の方針を示した。

「十人の刺客は、恐らく魔王の手先とみていい。乱戦に乗じて公爵様を亡き者にしようとしたに違いない。なんせ、ギオン公国は東の要、公王が死んだら混乱が生じて、連邦王国の注意がそれる。

 そうすれば、連邦王国による魔王討伐は延期され、その間に地盤を固めることができると考えたはずだ」


「だが、公爵様達の強さを目の当たりにして、今は遠巻きに監視しているとみた。仮に、その刺客達を【魔王十爪まおうじゅっそう】として・・・、次の襲撃は皆が寝静まり無防備な深夜、・・俺ならそうする。故に夜は交代で見張りをすべきだ」と、目をギラつかせた。



「いいね~!魔王十爪!なんか強そうだ!アッハハ」と言いながら、ビールを飲むアズサ。完全に できあがっている。重装鎧と鉄盾に鉄球という豪快な武装のわりに、酒には弱いらしい。

 他のメンバーも、酒を酌み交わし、ただの宴会と化している。


 やはりドロス同様、護衛対象が守る必要がないほど強いので、肩の荷が下りたのだろう。アルコールが入って、気が緩みまくっていた。


 ソドムやシュラの人間離れした強さには驚いたが、巨大竜召喚のインパクトが凄まじく、邪教徒を通報しようなどという考えは、彼女達の頭からは吹き飛んでいる。もっとも、守秘義務があるので誰にも話すわけにはいかないのであるが。



 補足ながら、竜と人間は棲み分けしており、わざわざ人間から討伐に行かない限り、そうそう遭うものではない。ましてや、先ほど召喚されたゴモラのような巨竜とは まみえることはないだろう。



「なになに~?魔王十爪?やっぱ10人いた?」、風呂上りのシュラが白いバスローブのまま現れて言った。ロングでないため、髪にタオルは巻かず、水気を拭くだけで そのままだ。王の護衛が、ただの観光客になったかのようなラフさなのだが、誰一人ツッコまない。


 ドロスは、成長した娘を眺めるように、シュラの全身を見た。

(女らしくなったもんだ・・引き締まった躰もいい。少し胸のボリュームが欲しいが、及第点といったところか)



 ラセツがシュラに続いてやって来た。こちらもバスローブ姿で、もはや任務を忘れたかのような油断っぷり。酔って羽目を外している団員ですら、目を疑う光景であった。

 

「お姉ちゃん、10人の気配に気づいて、待ち伏せの200人に気がつかないってウケる」と、笑いながら席に座る。


 確かに、と皆が思った。


「そ、それは・・待ち伏せしてる山賊が緊張感どころか殺気すらないのが悪いの!」と、抗議しながらシュラはラセツの隣に座り、ビールを注文した。

 

 店主は、注文に返事はしたものの、8人分の定食を仕上げながらで、手が足りなそうであった。

 まさか、閑散期に団体客が来るのは想定外で、今日は たまたま従業員達に連休を与えてワンオペの日だから堪らない。


※ワンオペレーションとは、接客・調理など全般を一人でやることを指す。暇なら人件費削減になるが、心身の消耗は激しい。

 ましてや、来店が多い場合、本人も大変だし、提供が遅れてクレームになりやすい。

 クレーム対処していると、更に提供が遅れて悪循環に陥る。もちろん、食い逃げや強盗には無防備なので、飲食店の悪手だ。


 シュラが気をつかい、カウンターまでビールを取りにいくと、店主は力無い笑みを浮かべ手渡した。



「はっはは、酒飲みをして殺気を消す作戦でしてね」と、ドロスは適当なことを言う。


「なるほどね~」、頷きながら真に受けるシュラ。


「それはさておき、魔王の手先が夜陰に紛れて襲撃してくる可能性が高いという話をしておりましてなぁ・・」、ドロスはさり気なく階段に視線を送る。


 ラセツとシュラは、一カ所しかない階段と出入口、あとは寝室前を警戒しなくてはならないと理解した。


「まあ、侵入者を知らせてくれれば、あたしらで始末するからさ」と軽く言うシュラ。


「あの夫婦には護衛なんていらないんだろうけどね」、乾杯してビールを飲み干すラセツ。楽に稼げて、飲食代は雇い主もちなので、格別に旨い。


「違いねぇ」、ドロスも頭目という重圧から解放され、酒が旨い。


 しばらくして、夫婦が降りてきて、ソドムがカウンターで自分の酒を受け取り席に着く。ドロスから、料理は注文済みであることと、魔王十爪などの報告を受ける。


 レウルーラは、放心状態で汗を流すため、再び浴場へ向かった。



「ルーラっち、またお風呂?」、シュラがフラつき歩くレウルーラの後ろ姿を見ながら呟く。



 ソドムは ずるい。自分で説明することを避けるため、ドロスに深紅の眼で合図を送った。


 意図を察したドロス。

(えっ?そこまで鈍いんですかい、この嬢ちゃん)


「あれですわ、枕を交わし男女が汗を流す って言えばわかりますかな?」と、チラリとシュラを見た。



「あっ!ゴメン、今わかった!だから、あたしがいない隙を狙って・・。言ってくれれば、いいのに」


 シュラはジットリとした視線でソドムを見る。


「ふ~ん、お楽しみだったわけねぇ」



 気まずさが、空間の支配者になったようで、先ほどまでの陽気さは息を潜めた。

 そして、ソドムは下ネタが好きではない。男同士なら多少はするが、女を交えると盛り上がらないタイプだった。



 ソドムの魔獣変身を見てから、すっかり心を入れ替えたトリスは、ご機嫌をとるため明るい冒険譚を歌いだす。

 

 タイミング良く、料理も仕上がったので、話題は名物料理になって、場は和やかになった。


 顔より大きめの皿に千切りキャベツが敷かれ、もっさりとフライが乗っかってて一人前。フライは鳥胸肉一枚分をスライスしてから揚げ、チーズソースと粉チーズをかけたもので、ボリュームは認めるが見た目は普通の一品。



 ドロスは、自分が作ったわけでもないのに、得意気に料理を語る。


「とにかく、絶品ですぜ。トリムネのフライにチーズピューレ(二種類のチーズ)とパウダーチーズが振りかけられてますんで、最初は そのまま味わってください。折り重なって、チーズがあまりついていないところは後回しにして食べ進み、残ったカツに辛子と卓上ソースをぶっかけると、これまた旨いんでさぁ!飯がすすみますぜ」、と満面の笑みでカウンターに走り、皆の料理を受け取る。

 両手に二皿持ったドロスは、いの一番にソドム王に渡す・・と思いきや、妻であるレウルーラの席に置いて、次にソドム王に渡した。

 なかなか、さとい判断で、ソドムが大切にしている者を優先したのだ。ソドムも最初は疑問を抱いたが、直ぐに納得してうないた。


 お前は店員かよ と、ツッコミたくなるほどのドロスの料理説明を聞かされた傭兵達は、これがさっき戦った山賊首領と同一人物なのかと…呆気あっけにとられたものだ。


 傭兵達は、つい客としてリラックスしていたが、雇われの身分だと思いだし、御飯や味噌汁をカウンターに取りにいく。


 定食が皆に行き渡る。


「これが、名物なのだな・・」、食べるのを心底待ちきれない表情のソドム。


 だが、内心は期待していない。たかが、揚げ物・・あくまでも疲れて腹を空かせた旅人が、量が多いので喜ぶ料理にすぎないだろう。

 ただ、せっかく皆が楽しみにしているのだから、合わせてみただけであった。

(はぁ、城に帰って焼肉したいもんだ)

 

「では、いただきます・・」、ソドムは箸をとり、トリプルチーズチキンカツを、口に運んだ。

 宮廷ではないので、光の神なんぞに祈りなど捧げはしない。



[サクッ!シャキシャキ]と不思議な食感、そして淡泊な鳥胸肉と濃厚なチーズとの相性が非常に良い。いや、なにより美味かった。


 期待してなかっただけに、驚きはひとしおだ。

 例えるなら、パッとしない町娘が、髪型を変えてドレスアップしたような・・宮廷でドレスを着た時のシュラのように、いい意味で期待を裏切ってくれた。


「なぜだ!?」、ソドムの第一声は賛美ではなく、疑問であった。なんの変哲も無いフライが旨いなどとあり得ない。ブツブツ言いながら、箸が止まらないソドム。


 シュラ達も「美味しい」と言って夢中で食べている。


「どうです?旨いでしょう?」、したり顔でドロスが聞いてきた。


 なんだか、負けたような悔しさがあるが、


「うん、旨い」と短く答える。鮮度なのか、切り方なのか下処理なのかは結局わからない。辛子を塗り、ソースをかけて食べてみたが・・これもまた旨い。


 味の秘けつが気になるが、元料理人のプライドが邪魔して素直になれないソドムは、考えるのをやめた。


 わからないことは、いくら考えても わからないものだから、時間の無駄なので打ち切ったのだった。

 


 今夜の晩餐はささやかなれど、女子に囲まれ、飯は旨く、大変満足なソドム。話題を直面している問題に戻した。


「それで、魔王とやらの正式呼称は発表されたのか?」


「それが、まだでして」


「どうあれ、温暖な南部が発祥では締まりがない。やはり、魔王とかは厳しい環境がよく似合うとおもうのだが」と、魔王とやらを小馬鹿にする。


「確かに。[南の魔王]では、なんだか弱そうですからな」


「いずれにせよ、立ちはだかるなら踏みつぶす。だが、仕掛けられない限り、わざわざ挑まない。それが、基本方針とする。深夜は交代で見張りをして、刺客を見つけたら撃退、できれば生け捕りにして、情報を吐かせるように」そう、命を下した。


 

 皆が返事をする中、シュラだけは考えごとをしているのか、生返事して遠くの壁を見つめている。

(――――魔王かぁ。強いんだろうな!倒せば有名になれるし、懸賞金も莫大に決まってる・・。しかも、公王コイツ狙いなら、捜す手間がないわね。待っていれば、お宝が舞い込んでくるなんて、ツイてるわ)

 シュラは、次第にニヤけだした。


 わかりやすい反応に、ソドムは頭を抱えた。

(絶対・・トラブるな・・。何かと悪名高いハンドレッド領を通過するのに、目立つのは得策ではないのだが)



 壁の一点を見つめていたシュラが、「ガタリ」と席を立った。


「漏れるのか?」と、デリカシーの欠片もない発言をするソドム。結婚してからというもの、妻の前では ふざけた言動を控えているだけに、シュラをからかいたくて仕方がない。


「アホ!敵だよ!二階に複数の気配」そう言って、腰に手をまわし愛用の手斧ハンドアックスを探るも、持っていないことを思い出したシュラは、痒くてかいたフリをした。


「思ったより、早く仕掛けてきましたな」ドロスは、ビールジョッキを静かに置いた。

(リスクを承知で窓から来たか)


 臨戦態勢の傭兵達は、武器を手に取る。傭兵隊長のラセツは、丸腰ながら指示を出した。酔っていようが、仕事は仕事。皆、割り切って行動している。


 陽動と逃走の可能性を考えて守りを固めつつ、二階には戦闘力のあるシュラと、軽装兵で弓が得意なアテネ、侍の芦間の三人が突入することにして、配置についた。

 

 念の為、入浴中のレウルーラにはラセツが報せに走る。万が一、敵と遭遇しても、詠唱時間を稼げば楽に撃退できるはずだ。


 

 恐らく二階は陽動で、本体は正面から強襲してくるだろう。かといって、二階を放置するわけにもいかない。苦しい二択を迫られたソドム達。


 二階を制圧後、一階メンバーが階下で逃げる輩を捕らえる。  

 もし、一階に敵主力が来た場合、二階制圧後のメンバーが駆けつけるまで防戦することにした。

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