ぶりぶりワールドの王・ウンコ大王現る!
ハッサクはぶりぶり探偵ウンソちゃんと名乗る謎の白髪美少女の助手として働く事になった。
トイレに流れた失ったチンコを探して、元のソードワールドに帰るにはこの女の相棒を務めていた方がいいと判断したのである。決して、ウンソの尻から出たソフトクリームを食べて変な性癖に目覚めたわけでは……無い。
そのハッサクはぶりぶり探偵事務所にて、ウンソと共にソフトクリームを食べながら話していた。
「ぶりぶり、ぶりぶり。珍獣とはソードワールドではモンスターというのか。そして相棒にはなってくれない……女のモンスター以外は……」
「そうそう。って、なるほど、なるほどがぶりぶり、ぶりぶりなのか。面白いな。まぁ、ソードワールドはレディハントしねーと女を抱けないからな。ハントしないとずっと童貞だし。今の俺は勇者で最強だけど、チンコ無いから童貞卒業出来ねーし。つーか、モンスターとか倒されて当然だし。それがダンジョンだし……って言っても理解してくれさなそうだな」
「ぶりぶり、ぶりぶり……」
ハッサクはあまり人の意見を聞いてるようで自分を変えないウンソについて色々と諦めた。というか、この女は探偵気取りの中二病だと思ったのである。
ウンソはハッサクが魔法を使えないと言う話を聞いて言う。
「まぁ、魔力ほ元々備わってるならそのうち使えるようになるだろう。そのチンコというものが無い事が原因なら魔法を使うのは諦める事だ。この世界にはこの世界の摂理があるんだからな」
「そうだな……確かにそうだ。チンコを探すついでにお前の助手をしてやるよウンソちゃん」
ハッサクは雇用契約書をむすんだ。
衣食住つきで月給は三十万ゴールドらしい。
金の単位はソードワールドと同じなので、衣食住から何も引かれずこの金額とは、助手としてはかなり高額だとハッサクは思った。
でもハッサクは給与はいらんと断った。
元々、一月もいるつもりはないのである。
やや不満気な顔をされたのを何でだ?と思いつつ、ハッサクは言う。
「でもよ、この世界はほとんど人間が存在してないようならモンスターばかりで探偵の依頼なんて来ないんじゃね?」
ククッ……と白い髪をクルクルしながらウンソは言う。白いハットも何故か口が浮かび笑っている。
「事件が無いなら起こせばいい。じゃないと探偵事務所として成り立たないだろ?」
「はぁ?お前そりゃやべーな。中二病通り超してるぜ。探偵が犯罪犯してるようなもんだぞ?犯人は探偵でした!で二時間ドラマ終わりだよ。自作自演もいいとこだぜ」
「都合良くハッサクが現れたのでハッサクを犯人としよう」
「は?つか俺はウンコしてたら流されただけで……」
「だまらっしゃい!お前が犯人!私が探偵!いいね!」
「お……おう……」
よくわからないがハッサクはウンソちゃんの剣幕に押され頷いた。すると、ウンソのハットがケラケラ!と笑い出した。
驚くハッサクはウンコを軽く漏らす。
ネクタイを上げ、トップギアだわ!と美しく微笑むウンソは叫ぶ。
「モンスター殺人事件発生よ!行くわよハッサワトソン!」
「ワトソンじゃねーし。あー……行きますかホームズウンソちゃん。中二病は面倒だぜ!」
一応のテンプレを返し、二人は事件現場(モンスターがいる場所)に向かった。
※
その洞窟の中は異様な冷気に満ちていた。
ハッサクはウンソの後を追いかけ悪の気が満ちる場所へ近付いて行く。
その道でウンコロモチが十数体現れるがウンソは素手で一掃した。
「やるなウンソ。中々の体術じゃねーか」
「探偵はその身一つで事件と犯人を相手にしなくちゃいけない。ハッサワトソンも気張れよ。この先の敵はおそらく、このぶりぶりワールドの最大の悪だ」
「ぶりぶりワールド最大の悪……」
そいつなら、自分のチンコを持っている可能性があると思うハッサクはとっとと倒して吐かせてやろうと思った。二人は巨大な存在の前に立つ。
「久しぶりじゃなぶりぶり探偵ウンソちゃん。この世界の少ない人間の中でも目障りなお前を倒すのも今日でもいいかもな」
ズゴゴゴゴ……と圧倒的な威圧感でぶりぶりワールドを支配するウンコ大王現れた。白いウンコが茶色い着物を着て、手足がある異様な姿のウンコ大王にハッサクはうわー……と思う。
「おいウンコ大王!俺のチンコを知らないか!?」
「そんなものは知らん。ワシにはそんなものは無くても困らないからのぅ」
「知らんか……となると、マジでどこにあるんだよ俺のチンコ?」
「どこだろうなぁ?」
ハッサクとウンコ大王は考えた。
しかし、ウンソはすかさず言う。
「余計な話はいいわ。助手と共に、貴方を倒すわウンコ大王!」
ぶりぶり探偵団とウンコ大王の闘いが始まった。
ズバババッ!と二人は高速で攻撃を仕掛ける。
幾度どなく白いソフトクリーム状の身体の一部は消えるがウンコ大王にダメージがあるのかはよくわからない。ウンコ大王は目からビームを放つが、二人はギリギリの所で回避した。そしてハッサクは言う。
「おい、ウンソちゃん。あいつにダメージとかあんの?」
「奴の再生能力にも限界がある。とにかく攻めてれば突破口は開ける!」
「アバウトだな。魔法が使えれば一気に倒せるけど、体術だと時間がかかりそうだぜ。うほっ!」
ハッサクは巨大なウンコ爆弾をくらいそうになり、後方に飛んだ。爆風がウンソに直撃し、ウンソはハットを抑えながら周囲の視界が死んだ事に困惑する。
「これではウンコ大王の位置がわからない!どこにいるウンコ大王!?」
「ここにいるであろう?」
「!?」
砂煙が晴れるウンソの目の前にウンコ大王は居た。
隙をつかれたウンソはピンチに陥る。
ハッサクは助けに入るが、その足は止まった。
何故ならウンソがあり得ない事をしたからである。
「……炎よ!」
「魔法を使えるのか!?」
ハッサクはウンソが魔法を使った事に驚く。
この世界には不思議な力は魔力ではないはず……と思うハッサクは明らかに雰囲気が変わる戦場に違和感を覚えた。
「……」
この戦いから感じるに、この二人の存在は何か特別な関係のような絆があるとしか思えないのである。そしてウンコ大王は老獪な顔で言う。
「まさかそんな力を使うとはな……お前はつくづくワシに逆らう女よの。まぁ、それがいいとも言えるが」
「逆らって当然。私は私だもの。人間だもの」
ウンウンウンー!とウンコ大王は大いに笑う。そして、柔らかい顔になり意外な事を言った。
「さらばだ我が娘よ」
「娘!?」
ハッサクは驚くがウンソは黙ったままであった。
ウンコ大王は粒子になり消え出す。
動揺するウンソは駆けた。
「逃げるなウンコ大王!ここで決着をつけろー!」
「止まれウンソ!足元にー」
「きゃあ!」
ウンコ大王は地面にバナナの皮を仕掛けていた。
ハッサクとウンソはもつれ合って抱き合う。
「ウンソがこんな罠にかかるなんて……まさか本当にウンコ大王がウンソの父親なのか……」
ハッサクはウンコから人間が生まれたのか!?と驚愕した。
チャチな罠にかかるウンソは消えるウンコ大王を見送った。
おっぱいを揉んでいるハッサクにウンソは言う。
「……ハッサワトソン。おっぱいからはソフトクリームは出ないぞ?」
「わ、悪い!」
「気にするな。ハッサクの世界では女のおっぱいを揉むのは男にとっては普通なのだろ?」
「普通……じゃねーよ。好きな女だけだな」
「そうか……あの本には……」
「本?」
「いや、もう帰るか。お前も疲れたろう?たらふくソフトクリームを食わせてやる」
「マジで!いやっぽぅ!でもあの匂いはキツいぜ!」
「ぶりぶり、ぶりぶり」
ハッサクはウンコ臭いが美味いこの世界のソフトクリームにハマっていた。
そして、二人はぶりぶり探偵事務所に帰還した。




