表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レディハンター! 異世界迷宮で美少女魔王をハントして勇者になった!  作者: 鬼京雅
新たなる転生者現る! ビッグソードの秘密編
43/66

会議するおたんこなす達

「アハハハッ! いい顔をしてるわねおたんこなす共!」


 高笑いを上げるフェイに広場の全員は硬直する。

 真紅のハイレグの食い込みを更に食い込ませるようにドラゴンランドの女王は言う。


「さて、挨拶はここまでよ。決着はビッグソードでつけましょう。そのエクスカリバーをくれるならソードランドは襲わないかもしれないけどね」


「決着はビッグソードで? 待てフェイ!」


「わぁぷ♪」


 ハッサクの叫びを無視し、赤い宝石DKドラゴンクリスタルを出すフェイはワープに移行した。

 すかさずクロコは水系魔法で攻撃する。

 しかし、寸前の所でフェイはワープしてしまう。

 フェイは眉を潜めクロコを見つめながら消えた。


「外したか……でもいいわ」


「クロコ、もう奴はドラゴンランドに帰還しただろ。サタラも警戒を解いてくれ。それに皆もまずは地震で被害の出た建物の再建だ。とっとと、とりかかるぜ」


 そして、半日ほどで大半の建物がハッサクのレディ達の活躍によりある程度立て直した。

 人の被害が多くなかった為に、人と時間をかければ前よりも頑丈な建物になりそうだ。

 深夜――アルトギルドにてハッサク達は完成したアイスを食べながら会議をしていた。

 元勇者であるアルトが霧に包まれるビッグソードエリアと、それに関連する魔王について説明する。

 魔王とは名の通り魔の王。

 使われた魔力の残り香や人間の悪意があの魔力の塊であるビッグソードに蓄積され、それを受ける器の子宮が輪廻の時を超えて魔王の少女になる。それこそが人の世に伝わる七つの大罪。


 七つの大罪。

 暴食、色欲、嫉妬、強欲、怠惰、憤怒、傲慢――。


 この七つの大罪をかぶる者を魔王としなければこのソードランドは存在を保てない。

 そして約千年に一度新たな勇者が生まれ、悪の魔王を倒して世界の安定を取り戻す。

 聖剣であるエクスカリバーによって。

 しかし、ハッサクは歴代の勇者とは違う選択をし魔王と共存生活をしている。

 それによりビッグソードに眠る過去の勇者の英霊が暴走の兆候を見せ出しているらしい。


「……俺の選択が間違ってたのか? でもそれはねぇな。ありえない」


 ハッサクは自分の選択によって過去の勇者英霊が暴走していると聞いても動じなかった。

 魔王であろうとも人間は人間。

 自分で選んだレディ達に、ハッサクは誇りを持っているからこそ自分の選択は間違っていないと確信している。それにサタラやクロコ。クロソーズやアイドルシスターズなども感激した。そして赤い髪を振り乱しサタラは言う。それにクロコや他の皆も続いた。


「いやっぽう! ハッサくんありがとう!」


「ハッサクありがとう」


『ハッサクーーーッ!』


 ハッサクはレディ達にもみくちゃにされる。

 二万ほどのダメージを無意味に受けるハッサクは心の体力を回復させ話す。


「ゲホッ! ゲホッ! とりあえずこの三日でソードランド全体の建て直しをしてからビッグソードへ向かう。メンバーは俺とサタラとクロコ。後の皆はフェイの部下がワープしてくる可能性を考えて待機しててくれ」


 ワープと聞き不安がよぎる仲間達とは反応が違うクロコがすかさず言う。


「よくフェイ以外の人間がワープ出来る可能性を考えたわね?」


「フェイもDKってクリスタルを利用してワープしてる。つまり、アイテム無しじゃワープ出来ないんだ。その法則で行くと、一般兵でも一度きりならワープ出来るとかいう可能性があるかもしれない。命がけのワープにはなるだろうがな」


『……』


 ハッサクの考えに、全員は頷いた。

 霧に包まれるビッグソードエリアには精鋭の三人で行き、他のメンバーはソードランドを守護する。

 それが現状の最良の策だった。

 サタラは腕を上げて気合を入れ、クロコは外の反応が気になった。


「どうやらお客さんみたいよ。結界が壊れてるせいでザコが侵入してるみたい」


「そんなのこのサタラ様が倒してやるわよ! いやっぽう!」


「おいサタラ、スカート脱げたぞ! ってパンツも下がってる!」


 無駄にジャンプしてスカートが脱げ、パンツも下がるサタラを追いかけハッサク達も外に出た。

 そして外の道には紫のスーツを着たナスのブローチをするドラゴンランドの兵・ナスビバトラーズの三人が襲って来る。ナスのような無駄なポーズを取る三人は言う。


『俺達はナスビバトラーズ! フェイ様の為にこのソードランドを破壊する!』


「うっせーな。夜中に叫ぶなアホ。だいたいお前達どっからきやがった? まさか……」


「のほほ。そのまさかじゃ」


『!?』


 全員が驚く中、突如現れた白銀のオーバーオールを着た幼女・ゴッドはアイスを舐め言う。

 そしてナスビバトラーズを無視するように語る。


「こいつらはワープでここに現れたのじゃ。次元が歪んだからのぅ。アイス美味い♪」


「そうか。で、奴等のワープはDKの個数分は出来るのか?」


「……どうじゃろうなぁ。わからんなぁ? のほほのほ!」


(こいつ……知ってるな? そして試してやがる……面倒な神だぜ。ハントしてやろうかこの幼女!)


 ニヒヒ! と笑う白銀の幼女に、ハッサクは多少のイラつきを覚えつつ切り札を出す。


「あー、わかったわかった。チョコアイス作るから教えてくれ」


「のほほ! 教えてやろう。奴等のワープは一回きりじゃ。帰りは徒歩かのぅ。フェイはDKの数分は出来るぞぇ」


『コラぁ! 神っ!』


 ナスビバトラーズはツッこむがゴッドは多少ビビリつつ他の事も語る。

 ドラゴンランドの女王・フェイはビッグソードからのソードランド征服を狙っていた。

 勇者が生まれるパワーがあるこのソードランドを支配する事が、この異世界を支配する事であるのをフェイは知っていた。


「のほほ……神は物知りなのじゃ……あ!」


 アイスを落としたゴッドは泣きそうになりながら話す。


「……うぅ! そ、それにこの近くには魔力の泉があるじゃろ? そこに敵はワープしてくるぞえ……グスン」


 このソードランド近くの泉に強力な魔力ポイントがあり、そこを目標に敵は転移してくるのであった。

 基本的にソードランドには魔力の結界があり転移出来ない。

 しかし現在はフェイに結界を破壊されている為に、簡単にワープされるのである。

 それを知るハッサクは一気に攻撃に出た。

 ザコ相手に無駄な時間はかけられない。

 今回の目的はフェイを倒し、自分のレディにして問題行動をさせないようにすればいいのである。


「肩慣らしだ。行くぜー!」


『来い! ナスビ乱舞!』


「遅いな――消えろ」


 大地を揺るがす拳の一撃はナスビバトラーズを彼方の天に一掃した。

 キラーン☆ と三人は夜空の星になった。

 そして、ハッサクは半泣きのゴッドをご意見番にしてアルトギルドで会議を再開した。

 






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ