白銀の幼女・ゴッドの出現と次元を渡るハイレグ美女の出現!
ソードランド東地区バクーフはすでにハッサクが住む小さな城が建設されている。
本来ならば勇者として当然のように城に住む権利はあり、中央地区に引越しソードランド王をアゴで使っても構わない立場にある。だがハッサクはまだボロアパート暮らしをサタラとしていた。しかし、この異世界に来てからの日々でハントしたレディや仲間と語り合える場所を欲したハッサクはこの住み慣れた東地区に城を建造する事を思いたった。
ハントしたレディなどが自由に出入りし、みんなが集まれる場所としてハッサクはアルトギルドに勇者城の建設を依頼した。城の内部の作りはアルトだけではなくクロコも中心となり設計している。
その建設途中の勇者城では、ヘルメットをかぶる工事現場の人間らしき一人の茶髪の真紅のハイレグ水着の女は魔力の棒を刺した。
そしてまだ寝ているハッサクはおもらしをした事で目を覚ました。
(……最悪だ! サタラにバレないようにしないとな。絶対笑われる……勇者がおもらしなんて恥すぎるぜ)
スッ……とベッドから静かに起きるハッサクは隣のベッドで寝るサタラの寝息をうかがいながら小便で濡れるパンツを脱いだ。すると、キッチンの方で物音を感じた。
「ん?」
フルチンのままハッサクはキッチンに向かう。
泥棒であるならば早めに対処しなければならないからであったが、変な開放感がハッサクを興奮させていた。
(泥棒の定番はおっさんだ。このままとっちめてやる! この勇者ハッサク様の家にチン入……いや侵入した事を後悔させてやる)
チン入……という行為を考えつつ、ハッサクは興奮状態でキッチンにたどり着く。
そこには冷蔵庫をあさる謎の幼女がいた。
床に垂れる長い髪は白く同色のオーバーオールを着ている。
まるでネズミのような印象を受けるが、不思議な神々しさを感じる幼女だった。
(何だあの幼女は? 俺の家に侵入するなんてスゲぇ!)
ハッサクは泥棒が始めて入った事に興奮していた。
それは犯人が幼女でかわいいからである。
おっさんだったら完全にとっちめている事を忘れるハッサクは言う。
「おいコラ! 勇者の家でドロボーとはいい度胸だ! ぶっとばすぞ! デコピンで!」
「のほほ! ワシは神だ。ゴッドぞえ! それっ!」
「ぐあっ!」
ハッサクは無防備なチンコにデコピンをくらい悶絶する。
27万のダメージを受け、すぐに近くにかかっていたエプロンで下半身を隠し、もう一度謎の幼女と対峙した。
白く長い髪に白銀のオーラを纏う幼女。
オーバーオールで幼女特有の幼さを感じさせるが、とてもじゃないが年寄りの老獪さを隠しきれていないのは明白だった。息を呑むハッサクは自分を無視する謎の幼女の背中を見る。
(俺に27万のダメージを与えられるなんてサタラでもクロコでも無理だ。魔王ですら与えられないダメージを与えてくるこの幼女は一体……)
ハッサクの明日のおやつであるバームクーヘンむさぼり食いながら冷凍庫をあさる幼女にキレた。
「おい! 冷凍庫をあけっぱにすんなよ! 中のもんが溶けんだろ」
「アイスが食いたいのだ。アイスをよこさんか」
「アイスは無い。俺も食いたいがこの世界には無い」
「この世界にはアイスは無いのか? 困ったのう……確かに無いか」
「? 何故わかる?」
「千里眼じゃ。神なら使えるぞえ」
「……マジかよ」
どうやら本当にこのゴッドと名乗る幼女は神らしい。
ゴッドはオーバーオールのポケットから色々なものを取り出していた。
ポケットの中は黒い次元の狭間と繋がっており、異様な感覚がハッサクを襲う。
(神と……戦えるのか?)
次元に干渉出来るなど神以外に有り得ない。
のほほ! と笑う神は言う。
「ワシの神通力は58万だよ」
「へ?」
「のほほ! 驚いただろ?」
「何が?」
「ワシは全銀河の神だぞ?」
「へー」
「信じてないな?」
「んー、信じてみたいが何か神っぽい事してくれよ」
あえてハッサクは神と信じないフリをした。
何かその方がこのゴッドが自分で色々話しそうな感じがするからであった。
のほほ! と笑うゴッドは言う。
「例えば何じゃ?」
「例えば……!」
ハッサクは思いついた。
それを察するゴッドは言う。
「神は何でも知ってるのだ。聞くがいい」
「俺がこの異世界に来た理由も知ってるのか?」
「無論じゃ」
ニヤリ……とゴッドはカルピスを原液で飲み言う。
「じゃ! じゃ! じゃ! 俺を転生させた理由は? やっぱ俺はスゲーから? だよなースゲーよなーだって俺は……」
「暇だったからじゃ!」
あーーー! とハッサクは頭を抱え叫ぶ。
「ガーン! マジかよ!」
ハッサクは自分が選ばれた者という自覚があった為にかつてない衝撃を受け意気消沈する。
カルピスの白濁液を身体にこぼすゴッドは話す。
本当に神の気まぐれで異世界へ来た事をハッサクは知る。
工事現場で昼寝をしていた時のロードローラーの運転手がこのゴッドだったのである。
「……のほほ! 勇者になれたんだから良しとせい。にしても主の世界のアイスという奴は美味よの。この世界でも作るがいい」
「アイス……か。確かにアイス食いたいな。よし、アイドルシスターズあたりにやらせるか。エンザも金儲けが好きだし一石二鳥だ」
ハッサクはゴッドに上手く乗せられアイスを売る設備と人間を選出する為に動き出す。
魔法研究に没頭するクロコに設備を任せ、商人エンザにはそれにかかる費用。そしてアイドルシスターズには大々的な告知を頼み、サタラはハッサクと共にまずはバニラアイスを作る為、キッチンにてエプロンをして待機する。
するとクロソーズが現れ、片手に牛の手綱と紙袋を持っていた。
「待たせたな。とりあえず牛と砂糖は手に入れた。バニラエッセンスというのはやはり無いな」
と、クロソーズは言う。
「バニラエッセンスは魔法でどうにかする。基本的な食材さえ揃えばどうにかなるだろ。よっしゃ! やったるぜ!」
「いやっぽう! やったりましょう! じゃあバニラエッセンスを……」
ズルッ! とサタラはハッサクのズボンを下ろした。
うわっ! と顔を赤らめるクロソーズはしっかりインゲンサイズの棒を目に焼きつけ、焦るハッサクはすぐにズボンを上げつつ、
「コラ! バニラエッセンスはチンコからは出ないぞサタラ!」
「え? いつも夜な夜なバニラエッセンスをチンコから出してるのは?」
「いや、あれは想像で俺のレディ達と裸の……ってそれはどうでもいい!」
「ほーい、じゃあここから出しますか」
サタラはFカップの巨乳からバニラエッセンスを搾り出そうとするのをハッサクは止めた。
まさか自慰行為がバレていた事を恥ずかしく思いながらもハッサクはバニラエッセンスのイメージを伝え、二人の魔法で製作する事を決めた。
「……いいなサタラ? おっぱいもチンコもバニラエッセンスには必要無い」
「わかったわ。神に勝つ為に最強のアイスを作ろう!」
そしてハッサクとサタラはバニラアイスの製作に取り掛かる。
それを千里眼でハッサクのベッドから見つめるゴッドは窓から空を見上げ呟く。
「……あの工事現場にいた時のハッサクの怒りは次元率に干渉するほど大きなものだった……だからワシは主を勇者の素質有りと見て異世界の何処かに転生させるようにしたんじゃ。ロードローラーという手は勢いでしかなかったがのぅ……?」
ふと、ゴッドは次元が歪んだ兆候を感じた。
「次元が……歪んだ? まさかワープ?」
※
その時刻、ソードランドの人々は青い空を見上げていた。
ソードランドの空に茶髪の魔王のような女が浮かんでいるのである。
真紅の股間の食い込みが激しいハイレグ水着に、肩に大きなダイヤモンドが輝く黄金色のまばゆいマント。この異世界ですら目立つ、ド変態のような格好をした美女は両手を広げ魔力を開放し言う。
「ソードランドは我がドラゴンランドの支配下に置かせてもらうわ。地震にてアリである自分を知りなさい……哀れな勇者よ」
ズガガガガガ――と大地震がソードランド全体を襲った。




