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新たなる魔王の出現!

 地下迷宮への様々な場所へ転移できる入口のワープゲート。

 魔王が倒れた事により、倒された魔王であるサタラが魔力で生み出した装置であった。

 これにより初級者から上級者までのエリアにワープ出来るのである。

 グリーンのつなぎに背中に鋼の剣の黒髪の少年は瞳を閉じ、赤いセミロングの学生服を着た魔王サタラはゲートの紅玉に意識を集中する。背中にある剣を感じながら、ハッサクは勇者としてのチートパワーがある体術としての拳を思った。


「剣じゃなくても、拳なら戦える……」


 ハッサクは自信を持って、サタラが生み出した迷宮入口のワープゲートから上級者ランクの迷宮へ飛んだ。


『……』


 二人は上級者エリアへワープした。

 


 ・レディハンター

 ・ネーム

  ハッサク


 ・ランク

  勇者


 ・ハンターレベル

  インフィニティ


 ・装備

  鋼の剣

  ナイフ

  グリーンのつなぎ

  軍手

  ブーツ

  腰のポーチ

  アサルトアンカー


 ・手持ちレディ

  サタラ


 ・童貞?

  童貞!!!



 すると周囲を鉄に包まれる迷宮へと舞い降りた。


「魔王がいないと、迷宮の目標も無くなるな」


「でも、迷宮は果てしないから私より特殊な人もいるかもしれないよ。この迷宮は奥が深くてまだまだ謎があるし!」


 魔王でもこの迷宮の奥まで知らんのか……と思うハッサクは進む。

 ふと、周囲を気にするサタラは呟く。


「このルートは知らない。嫌なものを感じるわ」


「知らないルート? まさか裏迷宮じゃなだろーな」


 その鉄の足場を駆けていると、ハッサクとサタラは黒の広場という場所についた。

 ここからはだいぶ広い空間になっており、遠くにはスクラップの山の城なども見えた。

 パラリラ! パラリラ! という五月蝿い音響と共に、爆走団を名乗る黒士隊こくしたいは現れた。

 黒いバイクに乗るヤカンのヤンキーロボのような集団を見た。


「なんだ奴等は? 新しいタイプのモンスターだな」


「そうね。あんなヤカンみたいなモンスターは魔王の私も知らないわ」


 すると、黒士隊のリーダーらしい黒いV字型サングラスをかけたヤカサンが言った。


「よくぞ現れたな人間! オマエはクロソーズ様の生贄に捧げてやる!」


「クロソーズ? ま、お前達は今からこの勇者様のスクラップになるんだから覚悟しとけ!」


 ハッサクはグリーンに光る右拳を構えた。


「お前等、やっちまえ!」


 ヤカサンの合図で、急須型の雑兵は動き出そうとするが、前方にいた3体が活動停止している。後ろの7体も不振に思いつつも、ハッサクを攻撃しようとするが――目の前にハッサクは存在しなかった。


「くらえ! ガラガラッド・ガラガーン!」


 刹那、後ろから現れたハッサクによって急須の雑兵共はグリーンの閃光と共に倒された。

 やはり、ハッサクは拳だとチートパワーがあるらしい。


「ナッ、何だと!? 一瞬で我々の装甲を破壊し、倒してしまうなんて……」


「チンタラしているからよ。おばかさん♪」


 サタラはヤカサンの背中のメイン回路に、炎が灯る指を突き付け言った。

 そのハッサクが活躍した光景をただ見ていたサタラは、勇者としてのハッサクは中々の動きだと思った。舌を出すヤカサンは言う。


「チッ! こうなれば裏技よ――」


「えっ?」


 サタラに命を狙われるヤカサンは頭を外し、危機を脱した。

 そして隙だらけのハッサクに爆弾を投げた。


「ぐあああっ!」


「ハッサくん!」


 やったぜ! という顔のヤカサンはサタラがハッサクに駆け寄った為に、その顔をする自分の頭を回収しに向かう。煙が晴れていき、左腕を負傷するハッサクを見た。


「痒いーーーーーーーっ!」


 すると、爆弾を受けた左腕は傷を負っておらず服がはじけ飛んだだけだった。

 素手の勇者であるハッサクには魔法が効かず、物理道具すら短時間で回復するチートパワーがある。そして、軽いダメージでは痒みを伴うだけであった。

 そして、降参したヤカサンにハッサクは話を聞く。

 そこで、黒の魔王なる者の存在を知った。


「黒の魔王?」


「魔王にも種類があるんだよ。この迷宮の広さを知らんようだな」


 二人は新たなる魔王である黒の魔王を知った。

 黒セーラー服の黒のパンストをはく大人びた口調の少女――。

 全てを長い艶やかな黒髪で染め上げる地下迷宮における闇の魔王であった。

 その深淵の闇を鼻で嗅ぐ少女は黒の大理石のイスに座り言う。


「クンクン。この黒魔王クロシュタインに勝てるかしら?」




 そして、ヤカサンは驚く二人にこの黒士こくしエリアのボスについて話す。


「オレを倒しても、このエリアの支配者である、ナイト・クロソーズ様には勝てないぞ……」


『……』


 苦しそうな声を出し、ヤカサンは言った。

 そのナイト・クロソーズというスクラップの城の支配者に興味を持ったハッサクは、


「そのクロソーズってのはそんなに強いのか? ま、強くても勇者だから倒すけどね」


 ピッピッピッ……とヤカサンの背中のメイン回路を剣で切断したハッサクは、笑いながら配線を入れ替え始めた。それを見たサタラと当人であるヤカサンは不思議な顔をした。


「貴様、何をしている?」


「鳥ロボットコンテスト? かな」


「鳥ロボット? ぬおおっ!?」


 プオーッ! という音と共にヤカサンの身体の中のお湯が沸騰し、鼻から湯気が昇った。


「なんじゃ、コリャーッ!」


 沸騰した蒸気の勢いで、ヤカサンは空を飛んでいった。


「素晴らしい、飛行じゃない。あ、もう見えなくなった……」


 スクラップ城の方向に向かって飛んでいったヤカサンは、キラーン☆ と星になった。

 そして、二人はナイト・クロソーズがいるであろうスクラップの城へ向かう。



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