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二人の魔王の戦い

 午前零時・地下迷宮メイズ公園。

 その混乱魔法が展開している公園は弱き者は魔法にかかり近づけない為に決闘をする場所などは邪魔が入らなくていい場所だった。それ故、迷宮内部という事もありメイズ公園内は人がいるはずもなく、ただ電灯だけが自分の存在を訴えていた。

 赤い学生服を着るサタラはベンチに座り、金魔王ユコレーナを待っていた。


「……」


 ヒュゥゥゥ――。

 夜風がサタラを冷たく通り抜けていく。


「遅いわね……まさかバックレ?」


「流石にそれは 無いだろう。もう少し待ってみようぜ」


 とハッサクならばそう言うような気がし、サタラはもう少し待つ事にした。

 すると、ドサッ! という物音がジャングルジムの方からした。

 サタラと同じくらいの背丈の、金のワンピースを着た少女がジャングルジムの中心部で倒れている。


「痛いわ……。でも頑張って登るのよ、魔王の登場は初めが肝心!」


 その金髪の少女は擦りむいたヒザをさすりながら、「うんしょ、うんしょ」とジャングルジムのてっぺんまで登った。笑うサタラはジャングルジムの手前まで来て、金髪少女を見上げた。


「決闘なんて古臭いのも私は案外好きよ」


 ジャングルジムの上で、よろめいている金髪少女にサタラは言った。

 ようやくバランスを保った少女は黄色いワンピースからノーパンの尻を見せながら両手を広げ叫んだ。


「誰だ貴様は!? 勇者ハッサクに来いと手紙を出したはずよ?」


「私は魔王サタンヒュドラこと、サタラ! このソードランドに混乱をもたらす貴女を倒すっ!」


「勇者の代わりが魔王? ふざけるのも大概になさい。この金魔王ユコレーナをなめるな!」


 ジャングルジムの上でよろめくユコレーナに、サタラ冷たく言った。


「ノーパンはお腹壊すよ?」


 ユコレーナに呆れた顔をされつつも、じーっとサタラはツルツルの股間をのぞいた。


「スースーしてた方が、気分がいいのよ!」


 と言った瞬間、バランスを崩し地面に落下した。


「ふんっ!」


 と、ユコレーナはサタラ自慢の巨乳をクッションにして、上手く着地した。パチパチパチパチッとサタラは関心しながら拍手をする。


「へーっ、私を踏み台にするなんてやるね」


 微笑みながらサタラはユコレーナを褒めていた。


「確かにアリだわね。素晴らしい巨乳よ。たるんでるけど」


「陥没もしてるわよ!」


 余計な事実も発言したサタラを笑うようにユコレーナは腿にベルトで固定してある、教鞭型の白いステッキを取り出しジャキッ! と伸ばした。そして、そのステッキの先端の金色の丸い五芒星が輝いた。


「ビリビリ・ビーッ!」


 ユコレーナ声と共に白いステッキの先端から、雷のギザギザビームが発射した。そのビームの直撃を受け、サタラは倒れた。


「早い……中々のスピードね」


 サタラは電撃系の魔法を教鞭を媒介にして加速させたビームの直撃を食らいながらも、すぐさま立ち上がり動く。刹那の詠唱で、必殺の魔法を繰り出した。


「……マグマドラグーン!」


 その赤い龍はユコレーナを一気に呑み込んだ。恐ろしい炎がユコレーナを包む。


「どうかしら? 奴は生きて……」


「いるわよ」


 その冷たい声と共にユコレーナはドラゴンパワーを解放した。


「ぷるるん、ぷるるん、ぷるるんにゅ♪」


 快感の顔で両方の乳首をギュとつかみ、赤い光が衣装を変化させていく。シュゥゥゥ……と金の光りは大気に散り、注射器を持ったナース服姿のユコレーナが現れた。


「注射器なんか持っちゃってるけど、ユコレーナはナースなの?」


 サタラは注射が嫌いなのか、おどおどした表情で聞いた。

 ドラゴンパワーでパワーアップするユコレーナはニヤッと目を細めて笑い、


「貴女、注射嫌いでしょ?」


「べ、別に嫌いじゃないし! ちょっと先端が出てるものが苦手なだけよ!」


「流石は陥没乳首だわ」


「コラ! うるさいわよ♪」


 ユコレーナの持つ、教鞭サイズの注射器にビビりながらも、サタラは言い返して攻撃に出た。

 ガッ! とフレイムソードとユコレーナのステッキが激突する。


「中々の魔力を秘めたステッキね」


「ビリリンステッキよ。堕ちた魔王サタンヒュドラを倒せ、ビビビン・ビン !」


 ビリリンステッキから極太の雷が発生し、サタラはそれを避けるが注射器を繰り出される。


「くっ!」


 ピッとサタラの左袖が切れた。

 その勢いで隙をつかれ、


「ビ・ビ・ビ・ビーッ!」


 複数に枝分かれした雷の一本に当たり、サタラは赤い学生服をビリビリに破られうずくまった。


「くうっ、中々の威力ね。次食らったらヤバいかも……」


「死になさい、弱き魔王よ!」


 うずくまるサタラに、ユコレーナは雷を蓄えた ビリリンステッキで殴りかかる。サタラはフレイムソードで防ぎつつ、蹴りをユコレーナの腹に叩きこんだ。ボフッ! と後ろにぶっ飛んだがダメージは軽く、カウンターで攻撃され吹き飛ばされる。


「おっぱいバルーン!」


 勢いを利用しておっぱいでボヨヨンッと地面に叩きつけた反動で空に飛んだ。


「空中で自由に動けるのかしら?」


 笑う金魔王はステッキを振るう。


「ビ・ビ・ビ・ビーッ!」


 先ほど食らった、無数に枝分かれした雷を放った。サタラはフレイムソードを地面に突き刺し、ボクサーの如く防御の構えに出た。バリバリバリッ! という激しい雷音と共に、サタラは雷に焼かれて学生服は燃え尽き、ボロボロの下着一枚姿になった。あえて攻撃をくらい、魔力を溜め込んでいたサタラはフレイムソードを変化させフレイム注射器にした。


「さーて、こっちもお注射の時間よ」


 身体は傷だらけだが、意識はしっかり保っているサタラはフレイム注射器を構える。


「恐い、恐い、注射の時間よ!」


「ひっ! 」


「貴女も注射嫌いじゃないの」


 まさか相手が自分と同じ手を使うとは思わないユコレーナは恐怖に顔を引きつらせつつ、ケツからマグマドラグーンを流し込まれた。


「きゃあああっ!」


 シュウウウッ…という煙を上げユコレーナは倒れそうになるが耐えた。


「体内にマグマドラグーンを受けて耐えた? それなら――」


 自分の炎魔法にこうも耐えるユコレーナに関心しつつ、サタラはユコレーナの注射器をぶんどる。


「中身が何か知らないけど、くらいなさい!」


「やめてー!」


 ユコレーナは叫ぶが注射器の中の白いベタベタした液の直撃を受けた。ポヨヨンッと巨乳の反動を使い地面に上手く着地したが、注射器の白いイカ臭い液に絡まって抜け出せずにいた。


「何この白い液はっ。何か凄くイカ臭いし……」


 ユコレーナの動けない状態を見て、サタラ問いかけをした。


「それ、自分の武器じゃん。それより、貴女は勇者を殺しソードランドを征服する事が目的なのよね? なら何でハッサくん一人をまず狙わないの?」


「フン、勇者はもう一人いるのよ。千年前の先代勇者がね……」


 絡まる白い液を払いつつ、サタラは答えた。


「先代勇者? それは誰?」


「……いずれわかるわ。その勇者の持つエクスカリバーを手に入れ、現在の勇者を殺せばソードランドではこの金魔王であるユコレーナが最強になるのよ!」


「エクスカリバーが先代勇者の持ち物としてまだあるの?」


「貴女の父親は元勇者よ」


「それはどういう……って転移魔法?」


 サタラの目の前でユコレーナは転移魔法を使い転移を始めていた。


「ぷる るん、ぷるるん、ぷるるんにゅ♪」


 乳首をキュッと両手で摘み、シュン! とユコレーナはどこかえ消えた。それを見たサタラは呟く。


「手ごわい敵だったわ。それに、私達の近くにエクスカリバーを持つ先代勇者がいる……」


 ふうっ……と溜息をつき、サタラは公園を後にした。


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