悪役令嬢の守り人
ずっと見ていた。ずっとずっとずっとずっと、見守っていた。大事な大事なかわいいあの子。
「あぁ……なんという奇跡」
己の姿を映す鏡に触れる。ひやりと冷たい感覚が手のひらに、抑えようもない歓喜が胸いっぱいに広がった。
敬虔な信者のようにその場にひざまずく。溢れる思いに震える両手を組み、祈りを捧げた。
「神よ、感謝いたします」
何という好機。何という幸運。やはりあの子は幸せになるべきだ。あの子の努力は報われるべきなのだ。
そうと決まればこうしてはいられない。今すぐにでも明日に向けて準備を始めなければ。
「ふふ……楽しみだ」
あの悪女の歪む顔が、かわいいあの子の喜ぶ顔が、早く見たい。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
初めてあの子――マリアンヌに出会ったのは彼女が赤子の時のことだった。くりくりした青い目がこちらを見て笑ったのだ。多分、タイミングよくご機嫌になっただけだろうとは思ったが、なんだかそれがとても嬉しかった。
マリアンヌはガードナー侯爵家に生まれた珠のような女の子だ。蝶よ花よと育てられ、可憐な少女へと成長を遂げた。国でも評判の、立派な淑女となった。
そんな彼女は貴族の責務として、王家に嫁ぐこととなった。それも現王の一粒種である第一王子ローレンス・ペンドルトンの婚約者に選ばれたのだ。
マリアンヌは時期王太子妃、ゆくゆくは王妃となる。こんなに誇らしいことはなかった。彼女は教育のために親元を離れ、王宮へと召し上げられた。弱音一つ吐かず、国を少しでも良くしようと勉学に励む幼い少女のなんといじらしいこと。
わたしはいつだって彼女の幸せを願っていた――だというのに。
雲行きが怪しくなったのはマリアンヌとローレンスが揃って貴族学園へと入学してからだ。ローレンスにとある羽虫が纏わりつき出してから、全ての歯車が狂いだした。
汚らわしい羽虫の名はキャロライン。オメラ男爵家の庶子という、貴族とも呼べない売女。はしたなく語尾を伸ばして話し、娼婦のように身体を寄せて見目の良い男に媚びる様のなんと汚らしいことか。
貴族らしからぬその仕草に新鮮さを覚えたのか、愚かな男どもが何人かその売女の周りに侍り始める。信じられないことにその中にはローレンスも混じっていた。そうしてキャロラインは毒を滲ませるようにマリアンヌを含む高位令嬢の悪評を流し始めたのだ。
曰く、下位貴族を見下している。ローレンスの寵愛を受ける己に嫉妬して、心無いことを言われた。暴力を振るわれたこともある、と。
ずっとマリアンヌを見守っていたわたしが保証する。彼女は潔白だ。なんともはや陰湿な女だ。言葉仕草巧みに周りを味方につけ、その中心でほくそ笑むあの顔の醜悪なこと!
だというのに猿芝居にころっと騙された男どもはこぞってマリアンヌを批難し出した。冷たい、面白味のない女だと。キャロラインを見習えと。己の愚かさと乱れた貞操観念を棚に上げて。あぁ、思い出すだけでもはらわたが煮えくりかえるような心地だ。
その日のマリアンヌは特に荒れていた。ローレンスからキャロラインを虐げた罰と称して午後の茶会を断られたのだ。マリアンヌにそう告げた時のローレンスの表情は今でも夢に見る。傷つくマリアンヌに愉悦を覚えていたのだろう、あの歪んだ琥珀の瞳を。
マリアンヌは次期王妃として厳しい教育に耐えてきた。ローレンスとの間に愛はなくとも、それでも国をよりよくするために力を尽くそうとする健気な令嬢だった。
「一人になりたいの、皆出ていってちょうだい」
そう言って彼女は侍従やメイドを部屋の外に出した。途端に全てが決壊したようにじわりとアクアマリンの瞳が滲む。部屋に一人きりだというのに嗚咽すら漏らさないそのいじらしい姿に胸が痛んだ。
「ッ貴方も! 出ていってちょうだい!」
涙に歪んだアクアマリンに見据えられ、思わず呆然としてしまう。そんな、まさか。
「わたしが、見えておられるのですか?」
そう尋ねれば、マリアンヌははっとしたように口元を押さえた。見開かれた宝石の瞳に、わたしの姿が映っている。
――半透明に宙に浮く、わたしの姿が。
「……えぇ、その、わたくしが小さい頃から傍にいたでしょう?」
マリアンヌの返答に頭を抱えたくなる。小さなかわいいこの子にデレデレしていたところとか、ローレンスやキャロラインを口汚く罵っている姿とか、全部見られていたということでは?
念のため宣言しておくが、わたしは彼女の着替えや入浴なんかを覗いたことは誓って、決して、一度たりともない。そういうときはそっと壁を通り抜けて隣の部屋に行ったりしていた。
「見苦しい姿を見せて申し訳ない……」
「ふふ、いいのよ。貴方がわたくしの味方だってことは知っているもの」
キラキラと零れる涙を拭いながら、マリアンヌは小さく笑う。この可憐な姫君を差し置いてあの売女に侍るローレンスの気が知れなかった。
その後落ち着いたマリアンヌと少し話すことが出来た。曰く、彼女は物心ついた時からわたしのことが見えていたらしい。己が何を口走ってきたやら、全てを忘れてしまいたくなった。いやでもマリアンヌには誉め言葉しか言っていないからよしとしよう。
話している内、自然と話題はローレンスとキャロラインのことへと移った。この国唯一の王子が男爵令嬢如きにうつつを抜かしているなど由々しき事態なのだ。
「婚約者の変更については別にいいの。ローレンス殿下が側妃を迎えることだって覚悟していたわ……でも、キャロライン嬢は政争の火種になりかねないから」
「アレが産むのは誰の子かわからないものね。教養もなければ慎みもない……マリアンヌとは大違いだ」
ふん、と鼻から息を吐けば、マリアンヌは口元を手で覆って上品にころころと笑う。が、直ぐにその表情が曇った。
「わたくし、地味でつまらない女なのですって。その上にキャロライン嬢を虐げる悪女だと」
「そんなわけがない!」
思わず大声を出してしまった。儚げにありがとうと微笑むマリアンヌの手を握ろうとして空を掻く。
「君は立派な淑女だよ、マリアンヌ。この国のために重ねてきた努力を、わたしは全て見てきたんだ。王妃にふさわしいのは君を置いて他にいない」
あぁ、なんともどかしい。わたしは彼女の潔白を完璧に証明出来るというのに、わたしの声は誰にも届かない。
「……明日のパーティーも、ローレンス殿下はエスコートしてくれないの。それでも出席するようにと言われているわ」
カッと頭にないはずの血が昇る。そんなもの、マリアンヌに恥をかかせるための命令に決まっている。
「わたくしね、パーティの後に婚約の解消を申し出るつもりなの。王妃にはなれなくてもこの国のために一生懸命尽くすつもりよ」
あぁ。あの凡愚はこの聖女の何を見ていたというのだろうか。彼女の人となりを知っていて、彼女の努力を知っていて、彼女の献身を受けておいて、顔と身体が好みなだけの空っぽの女に乗り換えるなどと!
「そう……君がどんな未来を選んだとて、その先に輝かんばかりの幸福があることを願うよ」
小さく笑う彼女の目はずっと濡れて光っていた。
その日の夜。わたしはローレンスの寝室を訪れていた。何も聞こえずとも文句を言ってやろうと待ち構えていれば、扉の向こうから聞こえてきたのは複数名の足音。
疑問に思いつつも仁王立ち――仁王浮き? していれば、扉が開いて何人かの令息と羽虫が部屋へ入って来る。
二人きりではないとはいえ、婚約者のいる男が密室で別の女と過ごすだと?
どういう貞操観念をしているのだこの愚か者どもは、とそう感じた怒りは羽虫どもの話す内容にすっ飛んでいった。
「首尾はどうだ?」
「問題ないですよ。証言もまとめましたし、証拠も揃ってるんですから」
ぱらりと羽虫どもの囲む机に幾つかの書類や小物が広げられる。あれは確か、マリアンヌがなくしたと言っていた香水瓶では。
「明日は一人惨めにパーティに来るはずだ。アイツは私の言うことには逆らわないからな」
「でもでもぉ、マリアンヌ様って侯爵家でしょ? 握り潰されたりしないかなぁ……」
握った拳が空を切った。絶妙に人の神経を逆なでする声色と口調だ。反射的に手が出てしまった。
「だからこそ、明日のパーティで大々的に糾弾するんだ。いくら古臭い侯爵家だとて、あれだけの規模のパーティで醜態を晒せばどうにも出来まい」
――この羽虫どもは、明日のパーティでマリアンヌを貶めるつもりでいるのか?
そう認識した途端にふつふつと怒りが湧き上がる。目の前が赤く染まり、ちかちかと明滅する。透明な腹の中で渦巻く何かが、あふれ出してしまいそうだ。
「必ず君を妃に迎えるよ、キャロライン……そのためにも、明日は辛いだろうが、よろしく頼む」
「うれしい……! 私、頑張ります! みんなも明日はよろしくねっ」
そうこうしている内に奴らは悪だくみを終えたようで、ローレンスを残して部屋を出ていってしまった。ローレンスは机の上の資料をまとめ、ふ、と悪辣に笑う。
「マリアンヌ……陰湿な悪女め。アイツも明日で終わりだ」
あぁ、憎い。
「心優しきキャロラインを虐げるような悪女を、この国の王妃にするわけにはいかないんだ」
この男が、憎い。
「私の妃には、キャロラインのような明るくて健気な女性こそふさわしい」
憎い、恨めしい。この男が、この男の愚かさが――何も出来ない自分自身が!
「ん? 何だ、寒気が……」
怒りが喉を焼く。憎悪が肺腑を渦巻いて、どろりどろりと身体中からあふれ出す。
「貴様が、マリアンヌを……!」
怒りのあまりか、わたしの意識はぷつりと途切れた。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
次の日。マリアンヌはパーティ会場の前で呆然と立ち尽くしていた。淑女たる彼女には珍しく、きょとんとそのアクアマリンを丸めている。
その目の前に手を差し伸べていたのは、ローレンスだった。エスコートには来ないと聞いていたはずなのに、とマリアンヌは困惑していた。
「どうぞ、手を」
マリアンヌがぱちぱちと目を瞬く。信じられないと表情が雄弁に語っていた。ローレンスは気恥ずかしそうに頬を掻いて、マリアンヌに囁いた。
「わたしを信じて」
驚くマリアンヌにローレンスはぱちんとウインクをする。一瞬はっとしたように目を見開いた彼女は、少しはにかんでローレンスの手に己の手を重ねた。
ローレンスとマリアンヌが二人揃って会場に入る。先に来ていたキャロラインとその取り巻きたちがぽかんと口を開けていた。
ローレンスは白を基調としたパーティスーツの胸元を大粒のアクアマリンが目立つループタイで飾っていた。それは、マリアンヌの目の色だ。
会場のそこかしこで二人は不仲だったのでは、と囁かれているのが聞こえてくる。ぎり、とキャロラインが奥歯を鳴らした。
「どういう――」
「キャロライン・オメラ」
静かに名を呼ばれ、キャロラインははっとしてローレンスの顔を見上げる。彼が手招きすると、途端に喜色を滲ませて駆け寄って来た。
「ローレンス様ぁ、私――」
が、その途中でびくりと震えて足を止める。恐ろしいほどに温度のない金の瞳が、己を睨み付けていることに気づいたからだ。
「その女を捕らえろ。ソイツに侍る男どもも全員だ」
静かな命令に、ローレンス付きの近衛騎士が動く。瞬く間にキャロラインとその取り巻きの令息たちを地に伏せ、押さえつけてしまった。混乱する彼らは反射的に身をよじりながら、信じられない様子でローレンスを見上げる。
が、ローレンスは彼らに一切目を向けずに、会場の中心へと歩み出した。無論、マリアンヌも一緒に。
「祝いの場を乱して申し訳ない。しかし、この場を借りて証明しなければならないことがある」
ローレンスはマリアンヌを抱き寄せた。愛おしそうに金の目が細められる。
「マリアンヌがキャロラインを虐げているという噂は事実無根だ。そして、わたしとマリアンヌが不仲であるというのも」
「なっ、何言ってるんですか、ローレンス様!」
ローレンスは騒ぐキャロラインを意にも介さず、懐から取り出した書類をその場にばらまいた。昨夜、彼がまとめていたものである。それをぐりっと踏みにじり、ローレンスは冷たく言い放つ。
「これは、キャロライン・オメラ男爵令嬢並びにその共犯者たちがマリアンヌを陥れるために捏造したものである。証言者からは多額の金銭と引き換えに嘘の証言をしたと自白を取っている。その他証拠についても裏取りを行い、捏造されたものだと断定された」
つらつらと語るローレンスに、キャロラインはぐっと唇を噛み締めた。が、直ぐにキッと二人を睨み上げる。
「それは! ローレンス様も一緒になって作成したものです!」
こうなったらローレンスも道連れにしてやる、とキャロラインは声を張り上げた。が、ローレンスは動じずに眉を下げて悲し気な表情を作る。
「あぁ、そうとも。証拠をつかむためとは言え、マリアンヌに冷たくするのは心が痛んだ」
ローレンスは美しい所作でマリアンヌの手を掬い取り、その手の甲に唇を寄せた。そうして懇願するようにその手の甲に額を当てる。
「許してくれるかい、わたしのマリアンヌ?」
金の瞳が縋るようにマリアンヌを見上げる。雨に濡れる子犬のそれに、マリアンヌは片手で口元を覆って上品に笑った。
「えぇ、もちろん。お疲れ様でございました」
途端にローレンスはとろけるように笑った。きゃあ、と何人かが短い悲鳴を上げる。地に伏している者たちだけが、未だ状況を呑み込めずに目を白黒させていた。
「キャロライン・オメラ男爵令嬢。貴様は次期王妃を陥れようとした……故に内乱罪として処されることとなる。その他の者も、共謀の度合いによって裁かれることだろう」
「なっ、なんで、ローレンス様、私は、私のこと……っ」
上目遣いで言い募ろうとするキャロラインを、ローレンスはどこまでも冷たく見下ろしていた。ひくりと恐怖に喉が鳴り、言葉が詰まる。
「連れていけ」
短い命に従って、キャロラインと取り巻き達はパーティ会場から引きずり出されていった。ローレンスがほぅと息を吐く。その腕に収まっていたマリアンヌがふらりと彼にもたれかかった。
「あっ……申し訳ございません、ローレンス様。安心したようで、力が抜けてしまって……」
「こちらこそ直ぐ気づかずすまない。部屋を準備させよう」
ローレンスは近くの使用人に言伝を頼むと、パーティの参加者たちに向き直った。
「申し訳ないが、わたしたちはここで退席させてもらおう。皆は心置きなくパーティを楽しんでくれ」
朗々とそう言うと彼はマリアンヌを連れて会場を出ていった。途端に参加者たちはざわざわと騒ぎだす。
「全て演技だったということなのかしら?」
「大したものですわ、流石は次期国王様ですわね」
「えぇ、まるで人が変わったかのような、見事な演技でございましたわ!」
興奮冷めやらぬパーティ会場から離れ、ローレンスとマリアンヌは小さな部屋で休息を取っていた。
「直ぐに侯爵家に戻るかい? それともしばらくここで休んでいく?」
ローレンスは少しオロオロとした様子で何くれとマリアンヌの世話を焼こうとしていた。マリアンヌはくすくすと笑うと、ローレンスを対面のソファに座るよう促した。
ローレンスはソファに腰を下ろすと、ふーっと長く息を吐いた。そうして、マリアンヌを真っ直ぐと見つめる。
「……気づいているよね?」
マリアンヌはこくりと頷いた。
「えぇ……わたくしの幽霊様?」
マリアンヌは会場に入る前にローレンスがやったようにぱちんと悪戯っぽくウインクを返す。ふふ、とローレンスが笑った。
「ごめんね、君は婚約を解消するつもりだったのに……」
「いいえ、とんでもないことだわ……助けてくれて、ありがとう」
ローレンスはきゅっと口を引き結んだ。小走りでテーブルを回り込み、マリアンヌを抱き締める。
「昨夜、この男があの羽虫と一緒に君を貶める計画を立てていたんだ……それで腹が立って腹が立って、目の前が真っ暗になって……気づいたら、こうなっていた」
ぎゅ、と少し痛いくらいの力がマリアンヌを包む。マリアンヌはそっとローレンスの腕に手を添えた。
「その……本物のローレンス殿下はどこに……?」
「わからない……その辺りにいたりしていないかい? わたしにはさっぱり見えないけど」
マリアンヌはゆるゆると首を横に振った。そうか、と呟いたローレンスはマリアンヌの傍に静かに膝を着く。
「その、わたしは本物ではないけれど、彼の記憶は引き継いでいる。王になるには、もっと勉強が必要だと思うけど」
あの男爵令嬢に骨抜きにされていた間、王子様は勉強すらサボっていたらしい。苦々し気に眉をひそめたローレンスがマリアンヌを見上げる。
「君が彼やわたしのことを好きになれないのは仕方ないと思う。勿論、王妃になることだけが君の幸せではないと分かってる。でもわたしはやっぱり、君の努力や研鑽が報われて欲しい」
じわりとアクアマリンの瞳が潤む。細い肩が震える。ローレンスはマリアンヌの両手を宝物を扱うようにそっと包んだ。
「マリアンヌ。かわいいかわいい、わたしの大事な子。出来るならわたしが君を幸せにしたい――ダメ、かな?」
マリアンヌがまた首を横に振った。キラキラと真珠のような涙の粒が飛び散る。
「あぁ……ありがとう、マリアンヌ。絶対に君を幸せにするよ、約束する」
ローレンスは歓喜に震える両腕でマリアンヌを抱き締めた。温かい。温かい。なんという喜び。なんという幸福。
ローレンスは深く深く、神に感謝を捧げた。
その後のローレンスは正しく人が変わったかのように勉学に打ち込み、学園卒業後に王太子として封ぜられた。そのままマリアンヌを王太子妃へと迎え、数年後に王位を継承することとなる。
ローレンス王とマリアンヌ王妃は稀代のおしどり夫婦として王国史に記されるほどに、仲睦まじく生涯を共にした。
……王宮のとある部屋に幽霊が出る、と噂が立っていたのもちょうどこの時期とされている。その幽霊は、ローレンス王の若い頃にそっくりな姿をしていたそうだ。
別に守護霊とかではなく、ただの一般通過幽霊が怒りでメガ進化しちゃっただけのお話でした。




